生体看護学

|研究室一覧|教育・研究|

生体看護学専門領域は、看護学の全ての分野に共通する人体理解と健康の原理に関わる最も基本的な学問領域の教育および研究を行っています。本教育研究分野の担当領域は大きく二系統からなります。一つは細胞から器官までを包括した「人体構造学」と「人体生理学」からなる『形態・機能学』で、もう一つは生命現象を化学的に理解する「生化学・分子生物学」およびこれらを基礎とした「栄養学」、さらに薬物の生体に対する作用を理解する「薬理学」からなる『代謝・栄養学』です。

形態・機能学においては、脳波測定や心拍・血圧・皮膚温測定などによる意識や感情などの高次脳機能や自律神経活動の生理・心理学的な研究を行っています。代謝・栄養学では、馬脂油などの民間薬のスキンケアへの効果をIC機器による電気生理学的な測定から評価しています。

さらに本領域では、看護実践におけるケア技術の科学的な根拠を解明するとともに、形態機能学および代謝栄養学で得られた研究成果の統合を試み、看護ケアの対象である人間の複雑な生命現象を解明することを究極の目標としています。

研究業績

原著

2017年1月~3月

  1. Takehara K, Amemiya A, Mugita Y, Tsunemi Y, Seko Y, Ohashi Y, Ueki K, Kadowaki T, Oe M, Nagase T, Ikeda M, Sanada H. The Association between Tinea Pedis and Feet-Washing Behavior in Patients with Diabetes: A Cross-sectional Study. Advances in Skin and Wound Care. 30(11):510-6, 2017

学会発表抄録

2017年1月~3月

  1. 小宮山政敏,金赫玲,宮宗秀伸,松野義晴,田中裕二:肘窩における皮静脈と皮神経の位置関係(第2報).第122回日本解剖学会総会・全国学術集会講演プログラム・抄録集, 153, 2017.
  2. 雨宮歩, 進香織, 實石達也, 小此木怜奈, 菅原久純, 田中裕二, 小宮山政敏:胼胝(べんち)重症度の客観的評価法の提案.第15回日本フットケア学会年次学術集会, 141, 2017.
  3. 松野義晴,菅田陽太,太田昌彦,宮宗秀伸,森千里,小宮山政敏:解剖実習見学の事前説明による「献体」および「倫理」に関する知識の理解度について.第122回日本解剖学会総会・全国学術集会講演プログラム・抄録集, 181, 2017.

2017年4月~12月

  1. Amemiya A, Okonogi R, Yamakawa H, Susumu K, Jitsuishi T, Sugawara H, Tanaka YL, Komiyama M, Mori T: The external force associated with callus formation under the first metatarsal head is reduced by wearing rocker sole shoes. 39th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society, 4487 - 4490, 2017.
  2. 雨宮歩,菅原久純,小此木怜奈,山川広樹,實石達也,田中裕二,小宮山政敏,森武俊:第5中足骨頭部の糖尿病性足潰瘍予防のために適した靴幅の検討.第5回看護理工学会学術集会プログラム・抄録集, 107, 2017.
  3. 雨宮歩、菅原久純、磯野史朗、酒井 郁子:離床希望検知センサの開発 ― 臨床で本当に使用できる拘束しない離床センサ ―. 千葉大学グローバルプロミネント研究基幹シンポジウム, 2017 (in press).
  4. 菅原久純, 雨宮歩, 加瀬竜太郎, 田中裕二, 酒井郁子, 小宮山政敏: 睡眠中の看護師による体位変換が睡眠に与える影響の予備的検討. 第9回日本臨床睡眠医学会学術集会抄録集, 46, 2017.
  5. 田原裕希恵,綿貫成明,濱本洋子:離床センサーを使用している患者を対象とした転倒予防ケアの実態と看護師の認識.第5回看護理工学会学術集会プログラム・抄録集, 67, 2017.
  6. 菅原久純, 雨宮歩, 加瀬竜太郎, 田中裕二, 増島麻里子, 酒井郁子, 小宮山政敏: 異なる睡眠段階で行う体位変換がその後の睡眠に与える影響の予備的検討. 第5回看護理工学学会学術集会抄録集, 77, 2017.
  7. 實石達也,松島絵里奈,雨宮歩,小宮山政敏:前腕における皮神経と皮静脈の走行の定量化―静脈穿刺による神経損傷予防のための基礎研究.第5回看護理工学会学術集会プログラム・抄録集, 101, 2017.
  8. 岡本真季,雨宮歩,菅原久純,實石達也,小宮山政敏,田中裕二:冷えの自覚と下肢皮膚温変化から明らかになった「隠れ冷え性」と自律神経活動の関係.日本看護技術学会第16回学術集会, 137, 2017.
  9. 菅原久純, 雨宮歩, 増島麻里子, 磯野史朗, 酒井郁子: 睡眠に影響の少ない体位変換タイミングの予備的検討. 平成29年度グローバルプロミネント研究基幹シンポジウム, 千葉, 2017 (in press).
  10. 實石達也,松島絵里奈,雨宮歩,小宮山政敏:前腕掌側における皮神経の走行の定量化―静脈穿刺による神経損傷の予防を目指して.第37回日本看護科学学会学術集会プログラム集, 58, 2017.(講演集[電子版]は2017年12月に公開)
  11. 久松たず子,土屋光恵,南美歩,村上彩,迫田玲子,齋藤友美,栗原静香,星雅子,鈴木典子,虎見和代,神尚子,田中裕二:外来における手術安全チェックリスト時の職種間の意識の違い.第13回歯科・口腔外科看護研究会抄録集,14,2017.
  12. 奥山紫,久松たず子,神尚子,田中裕二:与薬業務における問題点と今後の課題.第13回歯科・口腔外科看護研究会抄録集,21,2017.
  13. 飯塚陽子, Shuyan Li, Haiqin Sun, Hongwooi Thor, 大橋優美子, 大江真琴, 竹原君江, 雨宮歩, 山田案美加, 土井麻里, 井上享子, 久井良之, 菅原正純, 北野選也, 國井大輔, Yuqian Bao, Jian Fu, 真田弘美, Guanbao Wang, Dongsheng Huang, Weiping Jia, 山内正敏, 植木浩二郎, 門脇孝:糖尿病における医療の国際化に向けた取り組み. 第60回日本糖尿病学会年次学術集会, S-144, 2017.

報告書

2017年4月~12月

  1. 小宮山政敏:採血および静脈注射に利用しうる静脈と近傍の神経および動脈に関する解剖学的研究.平成26年度~28年度科学研究費助成事業(基盤研究(C)(一般))研究成果報告書, 2017.
  2. 田中裕二:高次脳機能障害患者に対する援助技術の神経生理学的研究.平成25~28年度科学研究費補助金(基盤研究(C) 課題番号25463290)研究成果報告書,2017.

総説・短報・実践報告・資料・その他

2017年1月~3月

  1. 小宮山政敏,雨宮 歩:解剖生理ステップアップドリル第10回:運動器系.クリニカルスタディ, 38(1), 82-86, 2017.
  2. 小宮山政敏,雨宮 歩:解剖生理ステップアップドリル第11回:感覚器系.クリニカルスタディ, 38(2), 82-86, 2017.
  3. 小宮山政敏,雨宮 歩:解剖生理ステップアップドリル第12回:生殖器系.クリニカルスタディ, 38(3), 78-82, 2017.
  4. 田中裕二:〈教育プログラム2 生理学モデル講義〉モデル講義3 高次脳機能.第94回日本生理学会大会(浜松),2017.
  5. 雨宮歩、菅原久純、磯野史朗、酒井 郁子:離床希望検知センサの開発 ― 臨床で本当に使用できる拘束しない離床センサ ―. 千葉大学グローバルプロミネント研究基幹シンポジウム 2017 優秀発表賞受賞
  6. Oe M, Takehara K, Noguchi H, Ohashi Y, Amemiya A, Sakoda H, Suzuki R, Yamauchi T, Ueki K, Kadowaki T, Sanada H: Thermographic findings in a case of type 2 diabetes with foot ulcer due to callus deterioration. Diabetology International. 8(3):328-33, 2017.
  7. 野口 博史, 雨宮 歩, 大江 真琴, 竹原 君江, 真田 弘美, 森 武俊:工学技術に基づく足のアセスメント―歩き方,足底の圧とずれの客観計測―.日本下肢救済・足病学会誌 Vol. 9. No. 1, 42-9, 2017.
  8. 高橋美奈子,野口博史,大江真琴,倉持江美子,大橋優美子,雨宮歩,高野学,村山陵子,森武俊,植木浩二郎,門脇孝,真田弘美,小見山智恵子:糖尿病患者の足部筋力と足底圧・せん断力.腰部足部角速度の関係:4症例における足底圧・せん断力・足部腰部角速度同時測定による検討. 第5回看護理工学会学術集会 論文奨励賞受賞

研究状況

生体看護学専門領域では,看護対象である人体について解剖学的視点ならびに生理学的視点からの研究を行っている.
小宮山は,平成26年度より科学研究費助成事業(基盤研究(C))の助成を受けて実施した「採血および注射に利用しうる静脈と近傍の神経および動脈に関する解剖学的研究」について,成果を学術集会で発表(2)するとともに,事業者への成果報告を行った(18).また,平成29年度より新たに科学研究費助成事業(基盤研究(C))の助成を受けて「前腕における皮神経の走行―皮静脈穿刺による神経損傷の防止を目指して」に関する研究を開始し,得られた成果を学術集会で発表した(11, 14).
田中は,看護技術の科学的な検証および歯科領域における看護についての研究を継続している.今年度は歯科病院の外来手術および与薬業務に関する研究成果を学術集会で発表した(15, 16).昨年度から科学研究費補助金(基盤研究(C))の助成を受け,研究課題「高次脳機能障害患者に対する看護援助技術の神経生理学的解析と国際比較」を継続している.また,今年度より,認知症高齢者を対象にした植物パズル療法Ⓡの効果についての研究を開始した。
雨宮は,昨年度より助成を受けた科学研究費助成事業(研究活動スタート支援)を,今年度より科学研究費助成事業(若手研究(B))に切り替え,「歩容評価システムの開発とせん断応力圧力比を考慮した胼胝予防介入効果の検証」を継続している.昨年度より助成を受けている公益信託中西睦子看護学先端的研究基金,「糖尿病神経障害患者における歩容介入による胼胝(べんち)予防効果の検証」の取り組みも継続し,研究成果の一部を国内外で発表(3, 5, 6, 26),第5回看護理工学会学術集会にて論文奨励賞を受賞した(27).また,昨年度より一般社団法人日本看護学校協議会共済会研究助成(一般枠)も受けており,「睡眠段階を考慮した体位変換が睡眠の質に与える影響」について研究成果の一部を発表した(8, 10, 13).更に,千葉大学グローバルプロミネント研究基幹リーディング研究育成プログラム「超高齢化社会における市民—専門職連携型エンドオブライフケア教育研究拠点」(代表者:増島麻里子)およびミネベアミツミ株式会社との共同研究(代表者:磯野史朗, 酒井郁子)に参加し,その研究成果の一部を千葉大学グローバルプロミネント研究基幹シンポジウムにおいて発表(7),優秀発表賞を受賞した(24).また,この研究成果の一部について特許を出願中である.