国際交流

本ページは、過去に実施していた国際交流に関する記載となります。
ミシガン大学看護学部との部局間協定は2018年4月30日に、北京大学看護学院との部局間協定は2012年12月24日に終了しております。
新たにコベントリー大学との部局間協定が締結されています。

9/17(日)「日本老年看護学会IAGG-AORサテライトセミナー」
9/18(月祝)「Nursing & Technologyセミナー」

セミナーの様子

9月17日(日)13:00-16:30、ワシントン州立大学からCatherine R.Van Son教授とRoschelle Shelly Fritz准教授をお招きし、Gerontechnologyから高齢者ケアのイノベーションの可能性を考えるというテーマで、日本老年看護学会IAGG-AORサテライトセミナー2023が千葉大学看護学部2階講義室で開催されました。Gerontechnologyは耳慣れない言葉ですが、米国において老年学×テクノロジーは、超高齢社会のヘルスケア課題解決への貢献が期待される新しい学問領域として発展しています。

また、看護主導型Gerontechnologyに関して先駆事例をご紹介いただき、日米両国におけるテクノロジー活用による高齢者ケアの革新について考える機会となりました。スマートホームの話が大変興味深く、スマートホームの1室で暮らす高齢者の部屋に3-4つのセンサーを装着し、0.25秒ごとにモニタリングされる仕組みにすることや、看護師がその部屋で暮らす高齢者の認知機能や身体機能に合わせ、高齢者の意見や思いを聞きながら設置場所を決めるとのことでした。日本においては、センサーは行動監視目的でこっそり装着するイメージでしたが、センサー装着の有無、装着場所の希望など本人に確認しながら設置する思考が新鮮に感じました。センサーやモニターで得られたデータを電子カルテに組み入れることにより、スマートホームに住む高齢者の普段の行いを把握するからこそ変化(予兆)に気づき生命危機を回避することも可能となることに未来の姿を感じました。また、看護師がもっぱらそれらを行うのではなく、エンジニアに日々のデータを渡し、コーディングや解析を実施してもらい、エンジニアに対し看護師が助言をする流れも確立されていると知り、大変驚きました。

加齢に伴い自身の思考や行動に意見を言われたくないであろう高齢者も増えることが予測されますが、将来の姿をイメージできるように説明することにより思考が変化する可能性も大きく、健康なうちに種まきをしておくかかわりが大切だと学びました。

翌9月18日(月)はNURSING&TECHNOLOGYと題し、10:00-12:00はRoschelle先生によるCritical Roles for Nurse Scientists in an Era of Artificial Intelligenceついて、13:30-15:00はCatherin先生によるNursing's Role in Technology Adoption by Older Adultsについてお話をいただきました。お二人のお話を聞く中で、「看護+AI」の時代は確実に進化しており、看護の世界だけで成立したり解決できるものではなくなっていることを実感しました。また、進化発展する中でもEthics(倫理)を重要視することは今までもこれからも変わらないということにも気づかせていただきました。

ミシガン大学

千葉大学大学院看護学研究科とミシガン大学看護学部は部局間協定を結んでいます。

千葉大学大学院看護学研究科とミシガン大学看護学部は、平成5年に学部主催の国際シンポジウムのシンポジストとしてミシガン大学看護学部の教授を招いたのを皮切りに、教員の相互交流などを通して交流を深め、平成8年度の学部主催の国際シンポジウムにはミシガン大学看護学部から8名の教員をシンポジストとしてお招きするなど、研究や教育についての活発な交流が行われてきました。そして、学術研究上、教育上の協力関係を促進することを目的として平成8年度に初めて学部間協定が締結され、2007年には専門看護師育成・強化コースにおける老人看護領域でも海外研修の受け入れを踏まえて学部間協定の再締結が行われました。

ミシガン大学看護学部について

ミシガン大学は、ミシガン州立の総合大学です。1941年にミシガン大学の17学部の一つとして看護学部が設立されました。看護学部のキャンパスはミシガン州アナーバー市にあります。看護学部には3つの大きなメディカルセンターが隣接し、他にも多数のヘルスケア施設との連携を持ちながら教育・研究・臨床活動が展開されています。

ミシガン大学看護学部と高齢社会実践護学講座の交流

専門看護師育成・強化プログラムの一環として2009年2月15日に行われた国際シンポジウム「専門看護師をめぐる展望」では、ミシガン大学看護学部からクリニカルアシスタントプロフェッサーであり、老人看護CNS、NPでもあるローラ・ストラブル先生をお招きして『老人看護専門看護師の将来への備え:課題と変革』というテーマで講演をしていただきました。

また、当領域ではストラブル先生を交えて大学院生主催のゼミを行いました。博士前期課程の大学院生2名が「手術を受ける高齢者の意思決定にまつわる臨床の課題」や「老人看護CNSとしてのキャリヤ」について、それぞれ英語でプレゼンテーションし、活発な意見交換を行うとともにストラブル先生からのコンサルテーションを受けました。

前述した専門看護師育成・強化プログラムでは、この夏にミシガン大学で老人看護のCNS研修を行う予定です。それに先立ち3月には、当領域の教員がミシガン大学看護学部を訪問しCNSやNPの役割や機能の実際について視察するとともに、ミシガンでのCNS研修の打ち合わせを行ってきました。

ストラブル先生のお話では、米国の高度実践看護師のうち、老人看護のCNSはわずか3%に過ぎず、まだまだ少数派なのだそうです。そして“お互いに連絡を取り合ってネットワークを作っていきましょう!”とおっしゃっていました。教育や研究におけるミシガン大学看護学部との交流が、よりグローバルな視点で日本の老人看護を創造していくことにつながっていくことを期待しつつ、私自身もその一員として貢献できれば思います。

北京大学

北京大学看護学院

当領域と北京大学看護学院は、2003年より共同研究(千葉大学21世紀COEプログラム)を行ってきており、互いに良い関係を続けております。北京大学には日本に留学し当領域で博士号を修得した卒業生が教員として活躍しており密接な関係を続けています。

2007年には、千葉大学看護学部(現 大学院看護学研究科)と北京大学看護学院で部局間協定が締結されました(PDF参照)。ますます互いの学生・研究者の交流が盛んになると期待されます。

北京は日本から3時間と非常に近い外国の都市であります。お隣中国だけあった文化的に日本と近いなと感じる部分もありますが、異なる部分も多くあり刺激を受けると共に、私達が日々行っている看護学を世界的な視点で眺め返す機会にもなり非常に有意義です。

これから、ますます北京大学看護学院との関係が深まり看護学の発展に両大学が寄与することでしょう!