領域の概要

高齢社会実践護学講座の概要

当領域は、研究にあたって、看護の実際の場に赴き、看護の対象者との相互行為を通して現象の中からその意味を発見し、それを言語化し、知としていくことを大切にしております。過去に大学病院の内科外来で15年以上もわたり糖尿病看護活動を継続し産出してきた研究結果は、今や糖尿病看護の臨床現場に浸透し、質の向上に貢献しています。また、高齢者看護、慢性病看護に関する研究結果も、多く蓄積されています。そして、当領域では現在は、高齢者、ならびに慢性病者の看護専門技術に焦点をあてた研究に取り組んでいます。今後も、今まで蓄積されてきた看護の知を大切にし、活用し、さらに、新たなことにチャレンジすることで、看護実践の質の向上に貢献する教育・研究活動を今後も推進していきたいと考えています。

当領域の歴史は、1975年の看護学部設立時に成人看護学第一講座の名称で、故山口覚太郎教授と野口美和子助教授のもとでスタートしました。1991年に山口教授が退官されたのちは、野口美和子教授のもと、教育・研究を推進し、1993年大学院博士課程設置時に、成人・老人看護学講座老人看護学教育研究分野となりました。2002年からは正木教授のもとで老人看護学と慢性病看護学の教授、研究活動を行っています。

大学院については、1979年に大学院看護学研究科修士課程が設置、1993年には博士課程が設置され、修士課程は博士前期課程となり、今まで多くの前期課程、後期課程の大学院生を受け入れ、輩出してきました。2021年度までの博士前期課程修了者は114名、博士後期課程修了者は24名と、数多くの修了生がこの分野を巣立ち、研究教育の場、臨床の場などで活躍しています。