活動のご報告

研究プロジェクトの遂行概要

本研究プロジェクトは、高年初産婦に特化した産後1カ月までの子育て支援ガイドラインの開発を最終目的としています。

そこで、まずは、その基礎的資料を得るために、【研究1】産後4カ月における産後の生活活動と身体的心理社会的健康状態に関する縦断研究(35歳以上初産婦の生活と健康を追跡調査)を実施し、高年初産婦の産後4カ月間における産後の生活活動と身体的心理社会的健康状態、母親役割獲得過程との関係から、高年初産婦の子育て支援ニーズについて考察します。

最終目的であるガイドラインの効果の評価は産後4カ月ですが、高年初産婦とそれ以外の母親と比較する中で研究的根拠を示してこのガイドラインを開発することと、今後の日本の政策や法律を検討する際の基礎資料となるデータ蓄積の意義を考慮し、【研究2】産後半年間にわたる褥婦の身体的心理社会的健康状態に関するコホート調査研究では、全国(被災地を除く)の分娩施設の協力を得て、年齢・経産回数を問わず半年間の追跡調査を行う予定にしています。

そして、最後に【研究3】では、日本の高年初産婦の子育て支援ニーズの明確化を目的に、本看護研究モデル病院を募集。産後1カ月間に35歳以上の初産婦の子育て支援ニーズを査定し看護を展開して、評価を実施し、この子育て支援ガイドラインを用いたアクションリサーチを行う計画であります。


活動報告

2011年6月より、【研究1】産後4カ月間における産後の生活活動と身体的心理社会的健康状態に関する縦断研究を開始しました。

【研究1】の研究目的は、高年初産婦の産後4カ月間における産後の生活活動と身体的心理社会的健康状態、母親役割獲得過程との関係から、高年初産婦の子育て支援ニーズについて考察することです。高年初産婦特有の子育て支援ニーズを明らかにするために、35歳以上で出産した女性の協力を得て、面接調査、質問紙調査、生化学的ストレス測定調査、生活活動調査によって詳細な研究データを収集し、20代の初産婦とも一部データを比較することが特徴的であります。

第33回日本看護科学学会学術集会(大阪国際会議場)
「最先端・次世代研究開発支援プログラム 国民との科学・技術対話 広がる看護職者の仕事」のご報告 [平成25年12月7日]

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千葉大学大学院看護学研究科
森 恵美

研究成果による高年初産婦に特化した子育て支援ガイドラインの開発

平成25年12月7日、第33回日本看護科学学会学術集会において、「研究成果による高年初産婦に特化した子育て支援ガイドラインの開発」というテーマで、国民との科学・技術対話(60分間)を主催しましたので、ここに報告します。
講演では、Part1で「日本の高年初産婦に特化した子育て支援ガイドラインの開発」プロジェクトについてご紹介し、Part2で研究2のコホート調査研究の結果の一部をご報告させていただきました。Part3では高年初産婦の子育て支援ニーズについてお話をし、Part4でガイドラインの概要を説明させていただきました。その後、会場の皆さまと意見交換を行いました。47名ほどの方にご参加いただきました。参加者からは、「単胎児の母親が対象となっているようだが、高年初産婦は不妊治療を受けることも多く、その結果多胎児の出産も多いかと思われる。このガイドラインは、単胎児の母親のみを対象としていると考えてよいのか?」というご質問があり、「今回開発予定のガイドラインでは、単胎児の母親のみを対象としている」と回答いたしました。また、別の参加者から、「入院中の看護についての項目が、質問紙の中に含まれていたようだが、自施設では、高年の方の場合には、終始母子同室というよりも、比較的長い時間子どもを看護者側が預かっているという印象を持っている。この他にも、高年初産婦の方に対して配慮すべき点があれば教えてほしい。」というご意見がだされました。これに対しては、「高年初産婦には、産後の入院期間をもっと長くしてほしい、という方の割合が比較的高いという結果がでている。高年初産婦に対する配慮としては、たとえば、母子同室は昼間のみにして、夜間は授乳の時のみ赤ちゃんを部屋に連れて行くという、赤ちゃんの通い授乳にする、添い乳をすすめることにより疲労を軽減する、なるべくトイレに近い病室を準備することにより動静を短くする、などが考えられる。」と回答しました。
以上、国民との科学・技術対話では、全て今後の研究につながる貴重な情報交換ができ、大変有意義な時間となりました。ご参加いただきました皆様に感謝するとともに、簡単にご報告をさせていただきました。

第33回日本看護科学学会学術集会 報告 写真1
第33回日本看護科学学会学術集会 報告 写真2
第33回日本看護科学学会学術集会 報告 写真3
第33回日本看護科学学会学術集会 報告 写真2

第33回日本看護科学学会学術集会 交流集会 報告(大阪国際会議場)
「高年初産婦に特化した子育て支援ガイドラインの検討」 [平成25年12月6日]

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千葉大学大学院看護学研究科
森 恵美

平成25年12月6日、第33回日本看護科学学会学術集会において、「高年初産婦に特化した子育て支援ガイドラインの検討」というテーマで、交流集会を開催致しました。46名ほどの方にご参加いただきました。参加者からのご質問はなく、森より研究プロジェクトに関する追加説明をさせていただきました。
講演では、Part1で「日本の高年初産婦に特化した子育て支援ガイドラインの開発」プロジェクトについてご紹介し、Part2で研究1「産後4カ月間における産後の生活活動と身体的心理社会的健康状態に関する縦断研究」の結果に基づいた、子育て支援ニーズについてご報告させていただきました。Part3では、研究2のコホート調査研究の結果の一部についてお話をし、Part4でガイドラインの概要について説明させていただきました。その後、追加発言の中では、以下の内容の説明がされました。「研究結果を分析する中で、高年初産婦が持つ強みもみえてきている。具体的には、高年初産婦には自分たちが持つ価値観などを調整して子育てを考えられるスキルがあるということや、計画的にいろいろな事が実行できるというスキルである。これらは、高年初産婦ならではの強みだと考えられる。ただし、現代社会では様々な情報が氾濫しているため、情報の取捨選択をすることが難しいという問題もある。したがって、個人に合った適切な情報を提供することが重要になってくると考える。また、高年初産婦は、これまでの長い仕事経験や人生経験があることで、逆に、他の人に何かを聞いたり、頼ったりしにくいという側面ももっているようである。看護者は、高年初産婦が持つそのような側面に配慮し、傷つけないようにケアすることが重要かと考える。」
以上、ご参加いただきました皆様に感謝するとともに、簡単にご報告をさせていただきました。

第33回日本看護科学学会学術集会 交流集会 報告 写真1
第33回日本看護科学学会学術集会 交流集会 報告 写真2
第33回日本看護科学学会学術集会 交流集会 報告 写真3

第54回日本母性衛生学会市民公開講座報告 (大宮ソニックシティ)
「最先端・次世代研究開発支援プログラム 国民との科学・技術対話エビデンスに基づく
高年初産婦に特化した子育て支援ガイドラインの開発」 [平成25年10月5日]

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千葉大学大学院看護学研究科
森 恵美

平成25年10月5日、第54回日本母性衛生学会において、「エビデンスに基づく高年初産婦に特化した子育て支援ガイドラインの開発」というテーマで市民公開講座(50分間)を主催しましたので、ここに報告します。
市民公開講座の冒頭の講演では、最初に「日本の高年初産婦に特化した子育て支援ガイドラインの開発」プロジェクトについてご紹介し、続いて研究2「産後半年間にわたる褥婦の身体的心理社会的健康状態に関するコホート調査研究」の結果の一部をご報告させていただきました。そして、研究1と研究2の結果から、高年初産婦の入院中の子育て支援ニーズについてご報告し、現在進行中の研究3の結果を統合し、来年3月にガイドラインの完成を目指すことをご報告させていただきました。

その後、研究結果についてのご質問やご意見について、会場の皆さまと意見交換を行いました。医療関係者を含めて188名の方にご参加いただきました。参加者からは、「高年初産の方の夫からの関わりについては、どのような結果がでたのか?」「夫に対する支援については、高年初産の方に特化したものはあるのか?」などのご質問をいただきました。また、「高年初産の方は間もなく更年期に突入することになる。これまでの研究結果から、出産時の体験が更年期障害に影響するということも明らかになっている。メディカルスタッフだけでなく、コメディカルのスタッフの態度や印象が重要になってくるので、それらの事を考慮して、ガイドラインを作成してほしい。」「高年初産の方は専門家からの意見を必要としている、という結果が示されたが、そのとおりだと思った。高学歴・高収入の割合も多いという結果から、なるほどと思った。」などのご意見をいただきました。これらの参加者の皆様からいただきましたご意見をふまえまして、子育て支援ガイドラインを作成していく予定でおります。
以上、市民公開講座では、全て今後の研究につながる貴重な情報交換ができ、大変有意義な時間となりました。ご参加いただきました皆様に感謝するとともに、簡単にご報告をさせていただきました。

第54回日本母性衛生学会市民公開講座報告 写真1
第54回日本母性衛生学会市民公開講座報告 写真2
第54回日本母性衛生学会市民公開講座報告 写真3
第54回日本母性衛生学会市民公開講座報告 写真4

第32回日本看護科学学会学術集会 国民との科学・技術対話 報告 (東京国際フォーラム)
「高年初産婦への子育て支援ガイドラインの開発に向けて」[平成24年12月1日]

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千葉大学大学院看護学研究科
森 恵美

平成24年12月1日、第32回日本看護科学学会学術集会において、「高年初産婦への子育て支援ガイドラインの開発を目指して」というテーマで、国民との科学・技術対話(60分間)を主催しましたので、ここに報告します。
講演では、まず森がPart1で「日本の高年初産婦に特化した子育て支援ガイドラインの開発」プロジェクトについてご紹介し、Part2で坂上と土屋が研究1「産後4カ月間における産後の生活活動と身体的心理社会的健康状態に関する縦断研究」の結果の一部をご報告させていただきました。これらを総括して森がPart3で高年初産婦の子育て支援ニーズについてお話をし、最後のPart4で会場の皆さまと意見交換を行いました。38名ほどの方にご参加いただきました。参加者からは、「自分も高年初産婦であったが、夫の母親が70歳代と高齢であったため、体がもたないという理由で結局1週間程度しか手伝ってもらえなかった。またオムツのあて方等に関しても、現在と違う昔の古いやり方で行うなどということもあった。この研究では、高年初産婦群(35歳以上)と比較群(20歳代)で、ソーシャルサポートの内容に違いはなかったか?また高年初産婦のサポート者に対する何らかの支援などは考えているか?」、「高年になると母乳育児に対する期待も大きくなるのではないかと思う。そういう人たちは結局頑張りすぎて精神的に追い詰められていくのではないか。そのような人たちに対する育児支援はどう考えているのか?」などのご意見・ご質問がありました。これらの参加者の皆様からいただきましたご意見をふまえまして、研究3を実施していく予定でおります。
以上、国民との科学・技術対話では、全て今後の研究につながる貴重な情報交換ができ、大変有意義な時間となりました。ご参加いただきました皆様に感謝するとともに、簡単にご報告をさせていただきました。

第32回日本看護科学学会学術集会 写真1
第32回日本看護科学学会学術集会 写真2
第32回日本看護科学学会学術集会 写真3
第32回日本看護科学学会学術集会 写真4

第32回日本看護科学学会学術集会 交流集会 報告(東京国際フォーラム)
「高年初産婦の産後入院中の看護ニーズについて」[平成24年11月30日]

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千葉大学大学院看護学研究科
森 恵美、坂上 明子、土屋 雅子

平成24年11月30日、第32回日本看護科学学会学術集会において、「高年初産婦の産後入院中の看護ニーズについて」というテーマで、交流集会を開催致しました。会場では以下のような質疑応答がありました。

Q:35歳以上の方も安定していることがある。看護としてどこをボーダーラインとするのか?

A:現段階での定義では35歳が基準。今回の研究でボーダーラインを明らかにしたいと考えている。自己評価では疲れていないといっても、見た目は明らかに異なる。断った35歳以上の方は、疲労がかなり強かった。帝王切開は身体的侵襲が高いが、疲労は低いのではないかと推察しているところである。

Q:35歳以上の方の疲労が低かったが、仕事を長くしていた方も多く、臨床的にみて疲労への対処ができているように思われる。

A:賢いし、対処能力・セルフケア能力は高い印象である。

Q:分娩による疲労の重症度について、吸引分娩か経膣分娩かということ以外での指標は何かあるのか?

A:分娩の疲労と授乳の疲労を分けて調査できていない。分娩所要時間や緊急帝王切開などは考えられる。

Q:ヘルパーを利用していた人が紹介されていたが、自分のかかわったケースで、40歳代後半と60歳代半ばの夫婦で、夜眠れないと子育てができないので、2交替制の24時間ヘルパーを雇うことを妊娠中から準備していたということがあった。妊娠中の準備状況がどう影響していると考えるか?

A:妊娠中からの準備が必要だと考えている。産後の支援や外部資源の導入などが必要と考えるが、日本人特有の人様に頼めないという感覚が存在するのではないかと思われる。

第18回千葉看護学会交流集会報告(千葉大学 けやき会館)
「日本における高年初産婦に対する子育て支援の課題」 [平成24年9月15日]

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千葉大学大学院看護学研究科
森 恵美

平成24年9月15日、第18回千葉看護学会において、「日本における高年初産婦に対する子育て支援の課題」というテーマで交流集会(90分間)を主催しましたので、ここに報告します。
交流集会の冒頭の講演では、最初に「日本の高年初産婦に特化した子育て支援ガイドラインの開発」プロジェクトについてご紹介し、続いて研究1「産後4カ月間における産後の生活活動と身体的心理社会的健康状態に関する縦断研究」の結果の一部をご報告させていただきました。そして、研究結果についてのご質問やご意見、看護職者としての現場の体験からのご意見などについて、会場の皆さまと意見交換を行いました。9名の看護学研究者/看護職者の方にご参加いただきました。参加者からは、「施設により母乳育児支援方法が異なると思うので、研究協力施設となった病院の母乳育児支援システムを教えてほしい」、「退院後から産後1カ月までの子育て支援について、現段階で考えていることを教えてほしい」などのご質問がありました。またご意見としては、「分娩様式(経膣分娩や帝王切開など)や社会経済状態などの変数をコントロールして結果を示すとより分かりやすいのではないか」、「母親のサポート源として祖父母の存在は大きいと思う。しかし祖父母自身が働いていて十分にサポートできない、祖父母が高齢で介護が必要なためサポートできないなど、祖父母の状況も関係すると思う」、「高齢の母親はペットを飼っている場合も多いと思う。そのような場合、子育てとペットのお世話の両立が問題になってくると思う」、「高齢になると、ママ友との関係作りが難しくなるのではないか」などが出されました。また、現場で働く看護職者からは、「子育て支援者の求人方法としてインターネットを利用する人もおり、多くの書き込みがみられる。インターネット上で知り合うことになるので、無責任にドタキャンされることもある」などの体験談をお話ししていただきました。これらの参加者の皆様からいただきましたご意見をふまえまして、研究2および研究3を実施していく予定でおります。
以上、交流会では、全て今後の研究につながる貴重な情報交換ができ、大変有意義な時間となりました。ご参加いただきました皆様に感謝するとともに、簡単にご報告をさせていただきました。

第52回日本母性衛生学会学術集会(国立京都国際会館)
ワークショップ「高年初産婦の子育て支援を探る」のご報告

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高年初産婦の子育て支援ニーズを探る

千葉大学大学院看護学研究科
森 恵美

近年、日本においては、初産出産年齢(平均29.4歳、2007年)が正規分布ではなくなり、20歳代が減少して、30歳代前半、30歳代後半が増え、生殖医療の発展により、40歳代以上の初産の母親が急増しています。妊娠出産、その後の子育ては身体的負荷であることはもとより、心理社会的ストレスであると考えます。35歳以上の高年妊産婦は、出産前は医学的身体的ハイリスクとして産科管理されますが、出産後のケアについては特別なガイドラインは示されていません。従来から、母親役割獲得過程の困難な対象者として、若年者が問題にされてきましたが、高年齢は注目されていなかったことも背景にあります。しかしながら、最近、これらの高年妊産婦において、身体的・心理社会的ストレスによる産後うつ病の発生が高いことが報告されています。分娩後の在院日数や産後のサポート体制が日本とは違う米国や英国では、産後うつ病と虐待との関係も取りざたされ、産後うつ病になった女性への研究が行われていますが、その研究成果をそのまま日本に取り入れることはできません。

さて、産後の疲労感は産後3~4カ月まで継続し、育児による蓄積疲労や睡眠不足との関係が指摘されていますが、経産回数や年齢との関係は明らかにされていません。一方、1997年の前原らの研究においては、経膣分娩後在院日数は現在より長い平均6.4日でありましたが、長期入院者は学歴が高く有職の高年初産婦であり、高年初産では産後の疲労回復が遅れがちであることが推察されます。現在の35歳以上の高年妊産婦は15年前に比べて、高度生殖医療による妊婦や社会的地位や役割をもつ女性が多くなっています。これらの高年初産婦はその人生経験から自分なりに考え物事に主体的に対処する能力もある反面、周囲に同年代の親役割モデルがいなく、そのパートナーも両親も高齢で育児サポートが親族から得られにくいなど、初めての子育てに意欲的であるにもかかわらずその母子に合った適切な子育て支援が得られにくい状況があると考えられます。そして、帝王切開などの異常分娩発生率が高く、産後の回復や母乳分泌も加齢現象の影響を受けている可能性があり、出産の回復が停滞し母親役割獲得に困難性が予想されます。また、キャリア女性は社会的地位が高く、役割や責任の範囲も大きく、育児休業もその役割上の責任感から取りたがらないと言われています。仕事・育児だけでなく介護も加わり、多重役割による加重負担も考えられます。以上のようなことから、高齢で初めて出産・子育てをする女性は、他の年代と比べて異なる子育て支援ニーズがあると考えました。

そこで、平成22年度より、文部科学省からの先端研究助成基金助成金(最先端・次世代研究開発支援プログラム)を受け、「日本の高年初産婦に特化した子育て支援ガイドラインの開発」に関する研究に取り組んでいます。

この講演では、上記研究プロジェクトについてご紹介し、会場の皆様と高年初産婦の子育て支援ニーズについて意見交換を行いました。

平成22~25年度独立行政法人日本学術振興会先端研究助成基金助成金
(最先端・次世代研究開発支援プログラム)
「日本の高年初産婦に特化した子育て支援ガイドラインの開発」
研究代表者:森 恵美(千葉大学大学院看護学研究科教授)
連絡先:〒260-8672 千葉市中央区亥鼻1-8-1
千葉大学大学院看護学研究科 母性看護学教育研究分野内
子育て支援ガイドライン開発研究グループ
E-Mail:mori@faculty.chiba-u.jp
TEL: 043-226-2410/043-226-2413 FAX: 043-226-2414
第18回千葉看護学会交流集会報告 写真1
第18回千葉看護学会交流集会報告 写真2

千葉大学母性看護学教育研究分野同窓会 秋の研究発表・活動報告会(千葉大学)
研究報告「最先端・次世代研究開発プログラム 日本の高年初産婦に特化した子育て支援ガイドラインの開発」のご報告

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千葉大学母性看護学教育研究分野同窓会 秋の研究発表・活動報告会 写真1
千葉大学母性看護学教育研究分野同窓会 秋の研究発表・活動報告会 写真2
千葉大学母性看護学教育研究分野同窓会 秋の研究発表・活動報告会 写真3

第31回日本看護科学学会学術集会(高知城ホール)
「最先端・次世代研究開発支援プログラム 国民との科学・技術対話 広がる看護職者の仕事」のご報告

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高年齢で初めて出産した母親の子育て支援ニーズを探る
~あなたの意見をお聞かせください~

千葉大学大学院看護学研究科
森 恵美

講演では、Part1で日本の出産年齢の現状についてご紹介し、Part2で日本と欧米の子育て状況の比較についてのお話をさせていただきました。そしてPart3で高年初産婦の子育て支援ニーズについて、これまでの研究結果や文献検討に関するご紹介をした後、会場の皆さまと意見交換を行いました。市民の方と看護職者を合わせまして46名ほどの方にご参加いただきました。会場からは、「高年齢だから特別待遇してもらいたいというのではなく、その人個人に合ったケアを女性が選べるような環境にしてほしい。少し先の見通しを教えてもらい、いろいろなメニューから選べるとよいと思う。(高年齢で初めての出産を経験した看護職者)」、「アメリカで14年ほど生活した経験があるが、アメリカでは高年初産婦というと高学歴・高収入の女性が多く、経済的に余裕があって仕事もフレキシブルに出来る環境がある。社会的資源の使い方が上手で、日本のように問題にはならないと思う。(看護職者)」、「出産直後の新生児は比較的傾眠傾向だが、高年初産婦の疲労を考慮して母子同室開始を1~2日遅らせると児が覚醒時期に入るので、よく泣くようになってしまった時期から同室を開始すると母親が児に慣れにくいのではないか。(看護職者)」などの意見が出されました。これらは全て今後の研究につながる貴重な情報であり、大変有意義な時間となりました。

第31回日本看護科学学会学術集会 写真1
第31回日本看護科学学会学術集会 写真2
第31回日本看護科学学会学術集会 写真3
第31回日本看護科学学会学術集会 写真4
ママたす