千葉大学看護学部入学から今日まで

看護学部31期生(社会人選抜) 中沢三貴子・佐藤愛
(訪問看護学教育研究分野 博士前期課程1年)

中沢三貴子さん・佐藤愛さん 写真

―お二人は社会人経験ののち、千葉大学に入学されたのですね。
中沢 私は都内で事務職に就いており、10年経った時に「なにか違うことをしてみたい」と思いました。その時に、テレビで在宅療養、そして訪問看護師というものを知り「こういう人がもっといたらいいのに」と考え、この仕事を目指したいと思ったのです。そこで訪問看護学を調べ、千葉大学を目指すことにしました。

佐藤 私の場合はいろいろな経験をして、ここに行き着いたという感じです。最初は保育士、そしてその後アメリカに語学留学に行って戻ってきてホテル勤務、さらにアメリカのコミュニティカレッジで4年間学びました。アメリカにいた頃、ボランティアで日系人のための高齢者施設へ行く機会があり、コミュニティカレッジ卒業後に1年間スタッフとしてはたらきました。その高齢者施設でであった日本人の看護師から看護師になることをすすめられ、日本に戻ったら目指してみようと思ったのです。試験は確か、帰国後2週間くらいだったと思います。

中沢 それはスゴい!私は会社員を辞めずに社会人選抜に挑戦していたので、「ダメだったらまた来年受けよう」と思っていました。

―看護とは全く違う場所からのスタ―ト。戸惑いはありませんでしたか?
中沢 31期生は同期が7人いる代だったので、不安な部分はありましたが心強かったですね。

佐藤 確かに、最初はひと回りも違う人たちが同級生でしたから世代ギャップはありました。でも、徐々に同じ目線で話せるようになりました。

中沢 新しいことを始めたい!と思って飛び込んだ世界だったから、戸惑いよりも楽しいと思うことの方が多かったように思います。

佐藤 そうですね。私も、いろんな仕事をしてきて、それが人に接する看護という学問を通して統合できることがとても嬉しくて。大学時代は楽しいという気持ちが強かったですね。

学部生の頃の写真学部生の頃

―サ―クルなどには入部されたのですか?
佐藤 正直、いっぱいいっぱいで学祭とかサ―クルとか楽しむ余裕もなくて、今考えるともったいなかったですね。でも空いている時間に学会のお手伝いをさせていただいて、それがとても楽しくて勉強になりました。

中沢 私は自宅から通っていて、通学時間が2時間かかることもあって、サークル活動などはできませんでした。でも、同期7人で集まってお茶を飲んだり、おしゃべりしたり、励まし合ったりというのが楽しかったですね。

学部卒業式の写真学部卒業式

―大学院に入ろうと思ったのはいつですか?
佐藤 入学時に、いつかは大学院で学び、修士をとりたいと思っていました。中沢さんから試験を受けたという報告を受けて、「1年でも早い方が良い」と考えて2次募集に応募したところ、運良く受かりました。

中沢 私の場合は、大学院なんて大それたことだ、という印象があって、全然考えていなかったです。でも、病院に勤務するようになって目の前のことに精一杯で余裕がなくなってしまって、悩んでいる時に、辻村先生とお話しする機会があって。「そうだ、私は訪問看護師になりたかったんだ」と思い出すことができました。大学院に入ることで、地域の中で療養する方に役立つことを考えるきっかけができる、そう思ってチャレンジしました。

学部生の頃の写真

―学部生と修士課程は違うものですか?
中沢 全然違いますね。学部の時は受け身の状態で授業を受けていたことが多かったように思いますが、今は主体的に学んでいかないと、学問が深まらないと感じています。一方で、自分のペースで自分のしたいことを深められることができ、充実感もありますね。

佐藤 確かに、以前は受け身の部分があったかなと思います。思い返せば仕事をしている時もそうだったかもしれません。でも、今は自分の考えを、根拠を持って話すことが求められます。この「根拠を持って」というのが大変なのですが、その大切さをひしひしと感じる毎日です。

学部生の頃の写真

―改めて千葉大学の魅力を感じることもあるのでは?
中沢 そうですね。とにかく、学ぶ環境が非常に整備されていると感じます。仕事をしている時は、「これってどうなんだろう」という疑問が生じても、書物や資料が足りず調べきれないこともありました。今は図書館や先生のところにある資料が非常に充実しているので、学びを深められるのが楽しいですね。

佐藤 少し行き詰まった時でも、ドアを叩けばその道のエキスパ―トがいていろいろと教えてくれる。すごいことだと思います。それにどの先生もやさしくて気をつかってくださって、本当にありがたいです。

中沢 ティ―チングアシスタントとして、学部生の授業を担当していますが、先生方の授業前の準備の綿密さにはびっくりします。「ここまでしてくださっていたんだ」と改めて感激します。

佐藤 先生たちの優しさも、「できないならやらなくてもいいよ」という上辺のものではなく、「できるまで追究する」サポ―トをしてくださるという深い優しさです。それに応えられる自分でありたいと思います。

訪問看護ステーションで働いていた頃の写真

―今はどのような生活サイクルなのですか?
佐藤 私は近くに住んでいますので、週に4回大学に来ています。だいたい9:00くらいから、授業と図書館での調べものをしています。修士過程というと遅くまでこもっているイメ―ジもあるかもしれませんが、私は遅くても21:30には帰るようにしています。

中沢 私はやはり通学に時間がかかるので、大学に来るのは週に3~4日くらいですね。その時に図書館で調べものや資料集めをして、自宅でも課題を進められるようにしています。自宅の日には、国会図書館などで調べものをしていることもあります。

―今後の目標は
佐藤 まずは前期を無事に卒業したいですね。そして学位を得て社会に貢献していきたいと思います。

中沢 今はまだ入学したばかりで、目の前のことに一生懸命ですが、せっかく千葉大学で、トップレベルの先生に接しているのですから、その先生の姿を見ながら自分もレベルアップし、新たな自分を発見できたらいいなと思います。そして、訪問看護の世界に貢献していきたいと願っています。

家族とともに 写真

取材日2013.7.4

その他のメッセージ