HOME取組レポート特色GPとは取組の内容看護システム管理学専攻
Home > 取組レポート
取組レポート
取組レポート
2007年12月9日(日)

ワークショップ III
日本のケアシステムの現状から見た看護基礎教育と継続教育の連携

高齢者や慢性疾患を有する対象に援助を提供する際に必要な知識と技術を学ぶ力やコミュニケーションの力、生活支援の知識と技術、その基盤となっている尊厳あるケア提供の理念を育み発展できるような継続教育が必要です。しかしこのようなことを現場の看護管理者が発信する機会は少なく、結果として長期ケアの現場における効果的な人材育成に困難を生じています。

高齢化と慢性疾患の増加に対応した看護実践能力を身につけるための、基礎教育から継続教育に至るキャリア支援を目指すとき、どのような課題があるのか、日本の看護人材確保とケアシステムの展望を概観し、看護学教育と看護管理の双方の側面から活発な討議が行われました。

時 間:10:30〜17:00
場 所:千葉駅6階 ペリエホール
参加者:千葉大学大学院看護システム管理学修了者・在学生、看護学部教育、実践現場の管理者など 96名


一人の看護師を育てるために.
地域看護システム管理学 櫻庭けい子

今回のワークショップVは私にとって、看護教育が卒業と同時に即戦力が求められていた時代に卒業し、その時のままの認識と知識だった私にとって、驚きであった。
また、それぞれの職場の立場、特に私にとっては訪問看護ステーションについて知ることが出来、よかった。さらに、大学の立場から「少なくとも卒業時には、その後学生が生涯学習を続けて行ける力をつけて送り出すと共に、卒業後も関わり続けたい」また、訪問看護ステーションの立場から必要な能力の発言の最後に「後輩は丁寧に育てよう」と結ばれていたことが印象的であった。

基礎教育とその後の現場での継続教育が1人の看護師を育てるために、本当に連携されていくことができたら、すばらしいと思う。例えば、いずれの現場でも重要なコミュニケーション能力は教育と現場で継続してお互いが教育出来る方法を考えていくことが必要な能力だと思う。今回のこのワークショップで具体的にそれぞれの現場より必要な能力も提示された。今後、教育と現場互いの状況を分かり合い、連携をとっていく一歩となると思った。
看護教育者と看護管理者の率直な対話が生み出すもの
病院看護システム管理学 小倉嘉子
ワークショップに参加して、看護教育者と慢性病棟に勤務する看護管理者の双方の立場からの現状や課題を聞くことができました。それぞれの立場から、少子化する日本の学生たちに対して、いかに看護職が魅力ある職業として、人材を確保するためにはどのような課題があるのか、また、実際に私たちは新人をどのように迎え入れ、その人材を継続教育していくのかなどを考える良い機会になったと思います。また、シンポジストだけでなく、会場からも教員や臨床現場の管理者の率直な意見交換ができ、多くの学びがありました。現場にいると、看護師のマンパワー不足は深刻なものです。新人や中堅が離職しないために病院がさまざまな対策を行っています。しかし、慢性的に人材が不足しているのが現状です。そのなかで、これからの医療を担う看護職に対して、それぞれの立場で協力し、先駆的な働きかけをしていくことが必要です。教育者と看護管理者がそれぞれ持っている看護への熱い思いをときに討議する場が必要であり、お互いを知ることにより、さらに連携することができると感じました。