修了生からひとこと

臨床で働いている人

垣内香里さん(平成18年度博士前期課程修了):
名古屋市総合リハビリテーションセンター附属病院看護師

私が博士前期課程に進学した当時、老人看護学教育研究分野では同じ研究室に同級生が6名。講座内の院生は先輩方を含め20名近く。ものすごく大所帯でびっくりしたことが印象に残っています。今振り返ると仲間がいて心強かったし、多くの院生、先生方と研究のこと、研究以外のこと等、様々な話をし、学ぶことができた二年間は私にとってとても楽しく、貴重な時間であり、大切な糧となっています。もっともっと色々なことを話したり、学ぶことができたのでは?と後悔することもあります。それくらい貴重な場であり、時間であり、勇気を出して進学してよかったと思っています。

博士前期課程修了後は臨床に戻り、毎日慌ただしく過ごしています。院生時代とは違う時間の過ぎ去り方です。残念ながら、日々の業務中に腰を据えてじっくり物事を考える時間はありません。しかし、ゆとりができた時、ふと立ち止まって目の前にあった現象や今起こっていること、起ころうとしていることなどを見つめたり、見つめ直したり、考えたり、きちんと向き合おうとしてみたり。このような姿勢(?)や思考は、大学院進学前後で自分が変化したことの一つだと感じています。臨床では本当に色々なことや多くの現象があり、それに追いついていくのに必死ですが、そこから細々とでも“何か”を発信していけたらいいな、と思っています。

教員をしている人

山本裕子さん(平成3年度修了生)

私が在籍していた頃は、老人看護学研究分野が、まだ成人看護学第一講座と呼ばれていた時代です。教授が山口覚太郎先生から野口美和子先生へと引き継がれ、現教授の正木治恵先生が助手から講師へと昇進された頃です。私は大学病院の糖尿病看護外来のお手伝いをしつつ、主に正木先生から糖尿病看護研究の指導を受けていました。

山口先生は、スライドや配布資料をどれだけ美しく作成し、その内容をいかにうまく伝えるかというプレゼンテーションについてとても厳しく、また、研究者たるもの最新の雑誌の表紙から研究のトレンドを知るだけでもよいから図書館に通うようにと教えられました。小淵沢の別荘に招待していただいたことも懐かしい思い出です。

野口先生の時代は、眠らぬ講座でした。助手の先生や先輩方と深夜遅くまで大学に居残って、仕事・課題をこなしていく合間の雑談のなかからもいろんなことを学ぶことができました。あんなにも、看護についてディスカッションを重ねた日々は、後にも先にもありません。すっかり看護バカの私が形成された時間でした。

成人看護学第一講座の歴史に残る劣等生の私にとって、正木先生はいつまでも頭の上がらない存在です。ほんとに論文が書けなくて、正木先生にはご苦労をおかけしましたが、いまだにお会いすると昔と変わらぬ笑顔で受け入れてくださる懐の深さに感謝しています。少しでも正木先生に近づきたいと思いながら、いつまでたっても近づけない(むしろ遠ざかっていく?)大きな存在です。

わずか2年の修士課程の間に学んだことや、築いた先生方、先輩、友人、後輩の皆様との関係は、修了後20年近く経った今も、仕事を続ける上でも精神的にも大きな支えとなっています。偉大な先生方から学ばせていただいた幸せを、次代に還元しなければと今改めて思っています。

元教員でもあり現在臨床で働いている人

田川由香さん(昭和62年度卒業、平成12年度修了生)

現在、私は、内科外来に勤務しています。また、特定保健指導を担当、他にも院内の看護研究のサポートもしています。職場にはもう一人同窓生がいて、一緒に糖尿病看護、特定保健指導を担当しており、とても心強く思っています。

在学中は、研究フィールドで糖尿病患者さんとじっくり関わることができました。現在実践をしていくうえで貴重な時間、経験だったと思っています。在学中に学んだ糖尿病看護に関する知識や身に付けた援助技術が糖尿病患者さんの援助に、また特定保健指導にも役に立っています。院内の糖尿病療養指導士として、外来→入院→外来と継続して援助していく取り組みをしていますが、勤務や業務の状況でまだまだ軌道に乗っていません。今後の課題となっています。

当院は、老人の患者さんが多く老人施設や訪問看護との連携があります。最近は、老人とその家族が置かれている状況、施設の状況などに関して様々な問題を感じ、色々考えさせられています。