ウェビナーの心得(第1回)

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2020/05/09

Web会議との出会い  ~ web会議って何だ?



現在、インターネットを介したリモートワークや遠隔授業が、急速に注目され、普及が進んでいます。
私たち研究班やメンバーも、さまざまなオンライン・セミナーやリモートワークを経験してきました。
そこで、今まで私たちが経験してきた中で、気づいたことをお伝えしたいと思います。

1. web会議システムとは

 今、普及が進むリモートワークや遠隔授業では、Web会議システムを利用します。
 Web会議システムとは、インターネット回線を介して動画と音声を共有する、同期型のコミュニケーション・ツールです。
 テレビ会議と混同されますが、テレビ会議は、電話回線や社内回線を使用します。

2. web会議とテレビ会議の違い

 両者の違いを簡単にまとめてみました。
  Web会議 テレビ会議
使用回線 インターネット 電話など専用回線
使用する機器 PCやスマホなど
インターネットにさえつながれば、どこでも可
専用機器を使用
その機器が設置してある場所へ出向く必要がある
接続の安定性 インターネット環境に依存するため、不安定になりやすい 専用回線を使用するため、比較的安定しており、規模の大きな会議などに使われる
イニシャルコスト インターネットにつながるものさえあれば、ほぼかからない
(インターネット回線接続料、webカメラ、マイク、接続機器)
専用機器を使用するため、その導入費用が必要となる
安価なものから高額なものまで幅広い
ランニングコスト インターネットのデータ通信料
動画配信すると、データ通信量が膨大となる
サブスクリプションになっていることが多く、また、機器類のメンテナンス費用が必要となる
使用者からみた手軽さ 個人でもすぐに入れられる 準備するものがいろいろあり、企業などでないと入れられない

3.  web会議システムのいろいろ

 web会議は、とにかくインターネット回線と、PCさえあれば、地球の向こう側までも、同時に接続できますので、簡単に実現でき、大変便利です。

 今、注目を集めているサービスを集めてみました。
1)Zoom Meetings
2)Microsoft Teams
3)Google Meets
4)Skype for Business
5)Cisco Webex Meetings
6)Whereby
7) V-CUBE ミーティング

それぞれ、無料のものから有料のものまで、使える機能もさまざまですので、ご自分の使用目的、使用環境、何人で使うのかなどによって、使い分けられるといいと思います。

4. セキュリティの脆弱性の問題と最近の動き

 現在、一番注目を集めているのは、3-1)に上げたZoom Meetingsです。
 Zoomは、2019年12月ではユーザー数が1000万人だったのに対し、4月2日には2億人、4月22日では3億人を超えた、と発表しており、そのユーザー数の急増が注目されています。それに伴い、さまざまなセキュリティの脆弱性も指摘されています。
 台湾、ドイツ、シンガポール、アメリカなどが、次々とzoomの使用制限や使用禁止を発表しました。

Zoom、台湾政府がセキュリティ上の懸念から全面禁止。ドイツ外務省やGoogleも使用に制限(2020年4月6日)
https://japanese.engadget.com/jp-2020-04-09-zoom-google.html

シンガポール、教員に「ズーム使用停止」命じる オンライン授業中に重大事案が発生(2020年4月10日)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2020/04/post-93093.php

「Zoom」のセキュリティを懸念--米上院や独政府も使用制限との報道(2020年4月13日)
https://japan.zdnet.com/article/35152254/

これを受け、Zoom Video Communicationsは、素早くセキュリティ対策を強化する動きをとりました。
特に、「zoom荒らし」という不審者が侵入することが問題視されており、それらに対する対策が改善されつつあります。

ジョンソン首相が感染したイギリスは閣僚会議もZoom「これが私たちのメッセージだ」(2020年4月1日)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5e83e2a0c5b6a1bb764f7ee3

英議会がZoom導入 「密接した議場、議論に不適切」(2020年4月17日)
https://www.asahi.com/articles/ASN4K35H4N4KUHBI00G.html

Zoom、エンドツーエンド暗号化技術のKeybaseを買収(2020年5月8日)
https://japan.cnet.com/article/35153429/

5. zoomの何が「危ない」のか

セキュリティの脆弱性を指摘され、今も、日々、更新されつつあるZoom Meetingsですが、そもそもこのアプリのユーザーが爆発的に急増したのは、その使いやすさと軽快さにあると思います。
ですが、使いやすさというのは、操作が簡単ということを意味しており、使いやすさとセキュリティは、そのバランスが難しい、と言われる点です。セキュリティを高めれば高めるほど、ユーザー側には操作回数が増えるため、使いにくくなってしまいます。
 また、4.に挙げたようなセキュリティについては、そもそも備わっていたセキュリティの設定を、ユーザー側が切っていた、ということも多いようです。
 今は、遠隔授業も行われるようになっていますが、開催者側にとっては、まさにセキュリティ設定は必須のポイントです。
・ニックネームは禁止にし、必ず名前で参加とする
・入る時にはパスワードを要求する
・参加者が入る時には、主催者側が名前を確認して許可制にする
・画面共有は、参加者には許可制として、初期設定は「主催者側のみ」とする
ということさえ、設定すれば、まず大きな問題は起きないと思われます。
 限定のアプリが危ないのではなく、まずは、使う側の設定を確認する必要がありそうです。
 そして、最近は、Zoom Meetingsに誘導する偽サイトも出てき始めています。個人情報を登録させられたり、料金を払わされたりしますので、真偽をしっかり見極める必要があります。

6. フェイクニュースに騙されないために

 現在、新型コロナウィルス感染症の蔓延に伴い、多くのフェイクニュース(虚偽情報)が、SNSを始め、インターネット上に出回っています。
 医療者自身がだまされてしまったり、これらの情報の拡散に手を貸すことのないよう、情報の見極めが重要であり、一般の方々にも伝えていくのが医療者の役割かと思います。
 フェイクニュースを見極めるポイントを、外科医が発信されています。フェイクニュースだけではなく、文献検索にも使える識別の視点です。

ネット情報を見極めるポイント 「だしいりたまご」(2020年5月4日)
https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0010/topic039.html


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