教員紹介

本学において訪問看護学に携わる教員をご紹介いたします。

教授諏訪さゆり

【教授 諏訪さゆり】

栃木県立足利女子高校卒業後、千葉大学看護学部に入学(10回生)しました。クラブ活動や実習を通じて特に認知症高齢者看護の奥深さに触れる機会が数多くあり、将来は認知症高齢者の看護に取り組みたいと考えるようになりました。

卒業後は、千葉大学大学院看護学研究科修士課程に進学。修士課程の同期、先輩、後輩のみなさんの存在は今でもかけがいのない宝物です。修士論文では、家族介護者が自宅で介護を継続するプロセスにおいて、認知症高齢者の理解とかかわりを発展的に変化させていることと発展を導く家族支援を明らかにしました。その頃在宅認知症高齢者の家族介護は負担が大きいという論文が数多く発表されていたのですが、研究を通してケアは人間や家族、地域の成長や発達、発展を促進するのだと確信することができました。

修了後は看護師として総合病院の内科病棟に勤務。お世話になったプリセプターナースとは、今でも大切におつきあいさせていただいています。

退職と同時に、東京大学大学院医学系研究科後期博士課程保健学専攻に進学。基礎看護学教室に在籍し、博士論文では認知症高齢者の家族介護者をケア専門職が適切に理解するためのアセスメントスケールの開発に挑戦しました。学位授与式で安田講堂の美しさを初めて知り、これからが本当のスタートなのだと背筋を正したのを覚えています。

修了後は東京医科歯科大学医学部保健衛生学科看護学専攻、東京女子医科大学看護学部で成人看護学や老年看護学の教育を担当。病棟実習では学生とともに多くの患者さんから生ききることの大切さを学ばせていただきました。

ちょうどこの頃、国の認知症対策が本格的に動き出し、認知症介護研究・研修東京センターが設立されることとなりました。研修部に所属するチャンスをいただき、認知症介護指導者養成研修を担当することになります。この研修を受講し修了した各都道府県の認知症介護指導者とともに、WHOの国際生活機能分類ICFの視点を踏まえて根拠のある認知症ケアの確立に邁進しながら、多職種によるチームケアで各組織・地域の認知症ケアの質向上を目指すために現任教育はどうあったらいいのだろうとチャレンジする毎日を送ります。認知症ケアに関する現任教育の授業開発、教材開発に研修部として専念した認知症介護研究・研修東京センターでの9年間は、まさにダイナミックなチームアプローチの連続でした。

そして千葉大学大学院看護学研究科へ。これからの日本において認知症高齢者だけでなくあらゆる人々が自分らしく最後まで暮らしていくためには、在宅ケアチームにおける看護職の役割がより一層重要になることから、母校の訪問看護学教育研究分野に教授として着任しました。教育では、学生や大学院生が自分で考え、チームでディスカッションすることを通して、次の行動を創造していけるようになることを目指しています。研究では、在宅認知症高齢者の適切な薬物療法を支援する看護や終末期にある認知症高齢者と家族の意思決定支援、在宅医療、在宅ケアを担う専門職の学習支援プログラムの開発、WHOの国際生活機能分類ICFの在宅ケアにおける活用が現在の主なテーマです。

家庭では夫と長女、長男の4人家族です。それから3代目となるハムスターが1匹。趣味は家族でプロ野球観戦をすることです。足が速くてバクテンができて、いつも選手とファンを勇気づけてくれる日本ハムファイターズのマスコット背番号212B☆Bに握手してもらうことを楽しみに、球場に出没しています。