助教湯本晶代

本学において訪問看護学に携わる教員をご紹介いたします。

助教湯本晶代

【助教 湯本晶代】

私が訪問看護に興味を持ったのは、学部学生時代のデイサービスや訪問看護ステーションでの実習において、疾患を持ち治療を続けながらも長年住み慣れた自宅で生活されている方々のいきいきとした表情に出会ったことがきっかけでした。他職種連携に興味があったため、統合実習や卒業研究では、訪問看護師だけでなくホームヘルパーや訪問診療医にも同行させていただきました。それぞれの職種による利用者さんの状態の捉え方の違いを目の当たりにしたことは、今でもはっきりと覚えています。

学部卒業後は、都内の大学病院に就職しました。難病やがん、認知症などさまざまな疾患の検査や治療のために入院される患者さんと関わる中で、看護の楽しさ、また退院支援の重要性と難しさを実感した5年間でした。
その後、都内の訪問看護ステーションに就職。疾患や障がいを持ちながら自宅で生活する利用者さんとご家族への訪問看護は、医療の視点だけでなく生活面からアプローチすることも多く、病院とは違う楽しさや学びを得る日々でした。

訪問看護師として働くうちに、看護についてもっと深く学びたいという思いが強くなり、千葉大学大学院看護学研究科博士前期課程に進学。修士論文では、訪問看護師として利用者さんへの関わりに困難を感じた経験から、レビー小体型認知症療養者と家族のニーズに関する研究に取り組みました。決して楽な毎日ではありませんでしたが、臨床で感じた疑問を研究によって明らかにする楽しさを実感できたことが一番の学びでした。
その後、修士論文で行った研究を深めたいと思い、博士後期課程に進学。博士論文では、レビー小体型認知症療養者への訪問看護ケア指針の開発に取り組みました。また、進学と同時に、財団法人の非常勤職員として、訪問看護に関する教育や政策提言を目指した調査研究に携わる機会を頂きました。研究を行う際の姿勢や意義、そして地域包括ケアシステムの中での訪問看護の役割やこれからの方向性など、幅広い学びを得る貴重な経験でした。

そして、このたび訪問看護学領域の助教に着任いたしました。フレッシュな学部生の皆さん、経験豊かな大学院生の皆さんとともに、訪問看護についてさらに学びを深めたいと思っています。また、日本の訪問看護の優れた実践やすばらしさを広め、臨床現場に還元できる研究を行うことに、より一層チャレンジしたいと思います。