教員紹介

本学において訪問看護学に携わる教員をご紹介いたします。

准教授 辻村真由子

【准教授 辻村真由子】

学部生時代、市の保健センターでの地域看護実習や脊髄損傷の患者会へ参加した体験等を通して、在宅看護、家族看護への関心を持つようになり、総合実習(千葉大学における看護統合実習)では訪問看護を選択して訪問看護師の活動を学び、卒業研究では認知症をもつ夫の介護を行う妻28名への訪問調査を行いました。これらの経験を通じて訪問看護の意義と可能性を強く感じるようになりました。また、大学ではバドミントン部に所属し、体力づくりを行うとともに、人間関係づくり、仲間づくりについても学びました。

卒業後は、訪問看護師として活動するために必要な確かな技術を身につけようと、地元の自治体立の病院に就職し、整形外科・リウマチ科・不妊センター病棟で臨床経験を積みました。ここでは基本的な看護に加え、訪問看護の実践にも共通する、限られた時間にしか接触できない医師に看護師の観察したことを的確に伝え、適切な指示を得るためのコミュニケーション方法についても失敗しながらも学ぶことができました。

その後、千葉大学大学院看護学研究科看護学専攻博士前期課程(訪問看護学教育研究分野)へ入学。博士前期課程・後期課程を通じ、大学院生としての学習・研究と並行して、千葉県内数か所の訪問看護ステーションで訪問看護を実践しました。この経験から、訪問看護師による排便ケアをはじめとする生活援助や家族支援が在宅療養者とその家族の安心や質の高い生活を支えていることを実感し、学位論文では排便ケアにおける熟練訪問看護師の実践知(実践を通じて体得されている知識)を明確化する研究に取り組みました。

大学院在籍期間中は、千葉大学21世紀COEプログラムをはじめとする多くの研究プロジェクトにも参加。タイや韓国の研究者と共同研究を行うためのネットワークの開拓、質的研究の知見を統合するための新たな分析方法への挑戦など、分野の先輩や後輩、先生方と努力した経験は、私にとって大きな財産となっています。

博士後期課程修了後、千葉大学看護学部社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム「訪問看護師として再就職したい看護職者を支援する学び直しプログラム」の特任教員・特任研究員、訪問看護学教育研究分野の助教などの経験を経て、当分野に講師として着任しました。

最近の主な研究テーマは、訪問看護実践の経験を通じて看護師が体得する行動と信念の明確化、在宅で療養する高齢者の家族を支援するためのビリーフアセスメント方法の開発、訪問看護師(新卒訪問看護師を含む)を対象とした学習支援プログラムの開発などです。

学部生や大学院生の実習や研究の指導を通じて、学生の方々の自由な発想と課題への取り組みを通じた成長に驚くとともに、刺激を受ける日々です。学生と教員が建設的な意見交換、切磋琢磨をすることができるような環境づくりを心がける一方で、自らも限界への挑戦をし続けたいと思っています。