HOME取組レポート特色GPとは取組の内容看護システム管理学専攻
Home > 看護システム管理学専攻 > 病院看護システム管理学
看護システム管理学専攻とは病院看護システム管理学ケア施設看護システム管理学地域看護システム管理学eラーニングシステムインターンシップ
病院看護システム管理学
専攻の概要修士研究インターンシップ
インターンシップ 2007.8.12〜2007.8.18 Providence Hospital インターンシップ研修会

2007.8.12〜2007.8.18
プロビデンス病院(米国・ワシントンD.C.)
ワシントンDCにあるプロビデンス病院で、8月12日から18日までの5泊6日のインターンシップ研修が行われました。参加者は7名の院生。日頃は、院生と管理職の二束のわらじをはいた忙しい毎日を送っていますが、丁度、日本のお盆の帰省シーズンとインターンシップ期間が一致したため、仕事場の夏季休暇を使って参加することができました。

ワシントンDCの博物館や美術館めぐりをする暇もほとんどなく、毎日、病院での研修に励みました。そのかいあって、参加者にとっての成果は予想を上回るもので、それぞれに知識だけでなく看護管理への情熱を大いに刺激されました。プロビデンスで学ばせていただいた経験が、どのようなプロジェクトへの取り組みに発展するか、皆様ご期待ください。このインターンシップは、プロビデンス病院で看護管理者としてお仕事をされてこられた住吉蝶子先生の多大なご協力のもとに実現いたしました。住吉先生、プロビデンス病院の皆様に心より感謝いたしております。

CARE、RESPECT、JOYの3つのスピリッツに大変共鳴しました。
病院看護システム看護学専攻 高野 洋子
毎日わくわくするような学びや驚き、楽しさのうちに夢のように瞬く間に研修は終了しました。それは、大変充実したプログラムであり、今後、看護管理を実践する上での貴重な財産となる体験でした。
プロビデンス病院では、病院の使命や精神、態度がいたるところに示され、そこで働く全ての人々に共有され実践されていることは素晴らしいことだと感じました。

プロビデンス病院の使命は“喜び、思いやり、尊厳を持ち、ケアサービスを提供することは人々への尊厳と価値観の反映である”とされ、全人的治癒(体、精神、心の治癒)を目指しています。CARE、RESPECT、JOYの3つのスピリッツがプロビデンス病院のミッションを動かす大きな原動力となるという考えに大変共鳴しました。また、フロアに“10 CARING BEHAVIORS”として10のケアリングの態度が示されていました。例えば、1.Greet everyone with warmth and sincerity, establish eye contact and do not allow anyone to feel ignored. 「おとずれる全ての人をあたたかく、誠実で、落ち着いたまなざしで迎え、決してひととして大切に扱われなかったと感じることがないように」 7.Treat one another as professional deserving courtesy, honesty and respect. 「他者に対して、専門職に値する礼儀正しい、親切な、尊重した態度で接する」等の10の態度が明示されていました。

また、離職防止のプログラムが印象に残りました。生き生きと働くために、自らの強みや、なぜ看護師になりたかったのかといったことを思い起こさせ、ポジティブ・コアに光をあてるような取り組みによりICUでの離職率が減少したという報告でした。自らの強みに光をあて、肯定的なサポートを行なうことで、善い実践ができるようになり、moral(道徳)とmorale(勤労意欲)が向上し、さらに善い実践へとつながるといった肯定的な循環が生まれる。このような取り組みは、日本でもさっそく生かしていきたいと思います。

相違点もありましたが、共通点も多く、国は違っても基本となるのはCARE、RESPECT、JOYなのだと改めて感じ、看護職として患者や他者(スタッフも含み)への思いやり、尊重がよい実践を生み、職務満足や質の高いケアを生み出し、さらに善い看護実践を可能にするのだとあらためて実感しました。
アメリカ医療の現状を実地学習。日本医療を考えるきっかけに。
病院看護システム看護学専攻 黒田 美喜子
アメリカ医療について「コードグリーン」「アメリカ医療の光と影」等を読んで実際の現状を知りたく参加しました。ワシントンDCにあるプロビデンス病院はカトリック系の非営利病院です。私たちは住吉蝶子先生の通訳による講義と、それぞれの学習したい職場への見学に入りました。病院の中の職員は皆笑顔で明るく、清掃が行き届き、病院の理念や周知したいことが全職員に浸透できるような工夫、楽しいクイズ形式や景品付の掲示などが印象的でした。そして看護管理は“Moving Out of the Ruts”と轍から外れることを怖れず、行動することの意義と実際を教えていただきました。

また、救急室の看護管理者にシャドウイングしたときに、医療保険に入っていない低所得者の患者さんはほとんど救急でしか受診せず、外来通院を続けることはまれと聞き、日本に帰ってきてマイケル・ムーア監督の「sicko」の映画を見てさらに実感しました。そしてプロビデンス病院の近くの2つの病院が経営不振により廃院になったと聞き、今後の日本の医療について考えさせられる機会にもなりました。