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Community Health Nursing Labo.

自治体全域を対象エリアとした事例

認知症ケアコミュニティマイスターの会(認知症当事者のための地域づくりの会)

  • 認知症ケアコミュニティマイスターの会(認知症当事者のための地域づくりの会)
  • 認知症ケアコミュニティマイスターの会(認知症当事者のための地域づくりの会)
  • 認知症ケアコミュニティマイスターの会(認知症当事者のための地域づくりの会)

活動の概要

ステークホルダー

活動の場・範囲

一自治体全域

活動のきっかけ

「地域における介護人材不足」という課題について市介護部門の保健師が、認知症に熱心に取り組む地域の医師やNPOの保健師と相談をしたことによる。

活動の目的

認知症当事者・家族にとってやさしい町づくりのために何が必要なのか一専門職として語り合い、住民も集まるようなアクションにつなげる。

専門職の関わり

県の高度医療人材育成事業(認知症)の予算を獲得し地域と協働した人材育成研修(コミュニティマイスター養成講座)を実施。本研修修了者がアクションを継続できるように「認知症ケアコミュニティマイスターの会」を発足する。

協働のポイント

  • 異なる立場の人と話しあう中で、自分とは違う新たな考え方や見方を得ることを楽しむ
  • 当事者の声を把握しながら事業をすすめる
  • 立場や所属の垣根を取り払って人として出会う
  • アクションにつなげられる仲間をつくる

活動の経過と内容

  • 市の地域包括支援センターが委託され、介護主管課所属の保健師も減り、認知症に熱心に取り組んでいた地域の医師やNPOの保健師と相談をしたことをきっかけに、これからは地域の課題に対してアクションを起こせる人材の育成が必要と考えた。その頃ちょうど県の交付金事業(県高度医療人材育成事業(認知症))の募集があり、主となる専門職者が中心となり、医師、行政保健師、ケアマネ、地域包括、NPO市民など有志のチームをつくり、事業へ応募し予算を獲得できた。
  • 本事業を通し、地域と協働した人材育成研修(コミュニティマイスター養成講座)を実施し、その研修の修了者が今後もアクションを継続できるように「認知症ケアコミュニティマイスターの会」を発足した。
  • コミュニティマイスターの最初の活動では、「地域における介護人材不足」という課題に対するアクションとして、市民を対象とした「ケアニン~あなたでよかった~」の映画上映及びトークショーを行った。研修を通しアクションプランができたことへのメンバーの達成感や、「みんなで地域を活性化させよう、聞くだけでなく、考えて行動できる人を育成し続けていく」というメンバー間の共通の思いが生まれた。
  • コミュニティマイスターの会では、地域の課題に対するアクションを話し合い、参加者それぞれが顔の見える水平な関係の中、楽しさを感じながら地域での協働活動が推進されている。

専門職と市民等との協働の方法

異なる立場の人と話しあう中で、自分とは違う新たな考え方や見方を得ることを楽しむ

  • 専門職が考えるのと、また一般企業の人が考えることの考え方というか見方が違うのに気づいて、その違いを楽しむ。(専門職)

当事者の声を把握しながら事業をすすめる

  • 当事者は何に困り、何を望んでいるのか「とことん当事者」の目線を大切にした事業を進めることは地域包括ケアの推進にとって重要であると考える。(専門職)

当事者が自然に楽しく集える場をつくる

  • 先に何か枠を作り当事者を呼び寄せるのではなく,当事者の人が集まっていてそこに肉付けしていくことが自然であり楽しくいつまでも続いていくと考える。(専門職)

近しい存在、仲間意識を持つ

  • 研修を通して、市の職員とも個人的に仕事以外でも話をするようになって、見方が代わり、楽しい、近しい存在と感じた。(専門職)

立場や所属の垣根を取り払って人として出会う

  • 何とかしたいと考えている専門職が、それぞれひとりの人として出会い、フラットな関係でざっくばらんに話し合える、そのような会議を意識した。(専門職)

アクションにつなげられる仲間をつくる

  • 勉強しただけの人や行政からお願いしたことをやってもらう人ではなく,自分で課題設定し実際に何かする人を増やしたいとなった。(専門職)

他の領域のことについても自分ごととして考える

  • お互いにざっくばらんに話し合ううちに、自分が関わっている領域から視野を広げ、他の領域のことについても「自分事として考える」ことができるようになった。

無理なく自分でできることを行うことを考え行動する

  • 一人だとなかなかできないが、グループでやってもいいと言われたことが大きく、グループで何かをつくっていく満足感があった。(専門職)

活動の成果

地域包括医療・ケア推進における土台の構築

  • 活動の一連のプロセスを通し切れ目のない領域のメンバーで経ることができたことで地域包括医療・ケア推進において貴重な財産となった。

立場を超えてオープンになれる関係・場の獲得

  • 民間事業所のケアマネの立場から市役所職員が楽しく近い存在になった。

専門に関する多様な視点の獲得、ケアのあり方の考えの深まり

  • 当事者が自然に集まる本来の認知症カフェのあり方がわかってきた。

仲間と会う楽しさの実感

  • 楽しくて、仲間に会って疲れを癒せる場となっている。