がん医療の進歩やがん医療に対する人々の関心が高まっており、政策の面でも、がん医療に変革が起こりつつあり、専門看護師の役割はますます重要なものとして認められてきています。
千葉大学大学院看護学研究科では、以前より大学院入学後に看護実践の場における実習を行い、希望する分野で看護実践力を高め、高度な看護実践を可能とした上で、その看護実践を研究対象として修士論文として作成するという指導が行われてきた経緯があります。現在もこの考え方を踏襲し、専門看護師教育の中に活かしています。従来と異なる点は、看護実践方法論Ⅰ、Ⅱの中で、看護倫理、看護政策、看護理論、コンサルテーションなど、専門看護師としての役割に関する理論的基盤を学習することと、専門看護師に特化した演習・実習が加わったことです。
がん看護専門看護師を希望する学生は、成人看護学Ⅰ、Ⅱ、看護学演習、特別研究等の従来の科目の履修に加え、専門看護師の役割を学習する演習・実習を行う必要があります。
現在の実習内容は、大学病院における外来での患者支援、研究分野に連動した領域における実習、専門看護師の役割に関する実習などです。
がん看護専門看護師を目指す人は、専門領域の学習への強い動機が必要です。大学院では、自己学習や経験を積むだけでは修得できない種類の学習が可能となりますが、自己の能力の限界に直面する時もあります。この山を乗り越える原動量は、学習動機だと思います。専門看護師現在多くの病院で期待されており、専門看護師を目指すことはは、自らのキャリア開発という意味を持つことでしょう。しかし、このイメージを強く持ちすぎると、実際に専門看護師として仕事をする上での妨げとなります。専門看護師の教育課程が導入された理由は、看護実践を目指す看護師のキャリアアップと同時に、医療機関における質の向上があるからです。入学を希望する方には、専門看護師の資格取得を目指すと同時にがん医療に関する医療の質の向上、すなわち医療を受ける人々やその家族、医療機関で働く人々、地域の人々への貢献を目指していただきたいと思います。
本課程は看護系大学院の中でも歴史があり、平成19年度大学院修了生までで、がん看護専門看護師の認定を取得した人数は13名、がん看護専門看護師教育課程を修了した人数は36名です。大学院終了者の中でも専門看護師資格取得希望者が多くいますので、大学院在学中、修了後のネットワークを作ることができます。また、現在大学院修了者の支援プログラムを展開中ですので、修了してから専門看護師資格取得までの支援をうけることができます。
詳しくはhttp://www.ad-nursing-pg.jp/outline.htmlをご覧下さい。
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