エンド・オブ・ライフケア看護学への千葉大学の取組

生きるを考える/2011年度

普遍教育「生きるを考える」第3回の様子

哲学・宗教学から捉えた「生きる」とは

[日程]平成23年10月18日 III時限/12:50〜14:20(場所 B)
[講師]アルフォンス・デーケン(上智大学名誉教授)

  • 講義の様子
    講義の様子
  • アルフォンス・デーケン先生
    アルフォンス・デーケン先生

受講生の感想

ユーモアと死の深い関わりを知ることができました。よく生き、よく死ぬためにも、よく笑うことが大切なんだと感じました。ユーモアの感覚があるということが人間のみに許された才能だというデーケン先生の斬新な考え方に関心しました。

デーケン先生のユーモアを授業で感じ、ユーモア感覚が世界を結ぶということを学び、自分もひとを笑顔にできるようなユーモア感覚を身に着けたいと思いました。

先生は、講義の冒頭で、死の4つの側面があるとおっしゃいました。その中に、心理的・社会的・文化的な死があるとありましたが、それらを質の高いものにするには、自己のスピリチュアリティを開発し、特にユーモア感覚を磨くことが有効であると感じました。これは、日本の課題であり、これから私たちが積極的に取り組むべき挑戦であると思います。

人間は必ず死ぬ運命にあり、また死別という苦しみを乗り越えなければなりませんが、死と向き合い、悩み、苦しむ中で、思いやり・謙虚さ・笑いの大切さを何度も確かめ、より豊かな、明るい人生が送れると確信しました。「人生山あり谷あり」という言葉がありますが、最期は「いい人生が送れたな」と山で終わりたいです。

考え、選択し、愛することができるからこそ、私たちは人であるのだという言葉が印象に残りました。だからこそ、人生を終えるとき、私たちは自分の最期の時について考え、選択をし、またその最期の瞬間まで思いやりと愛を忘れてはいけないんだなと感じました。

死を意識することで生の有限性・尊さを考えるようになる、ということが印象的でした。どうしても生はプラス、死はマイナス、と考えがちだが、実際は生と死は表裏一体のものであり、死を意識するからこそそこに向かって今をよりよく生きようとするのだと思いました。

授業で一番心に残っている言葉は「人間の死ぬ確率は100%です。」という言葉です。この言葉は本当に当たり前な話なのですが、私はとても深みを感じました。この言葉でわかったことは私達人間は生まれたときからずっと死ぬことに向かって生きているということです。だからこそ、死ぬまでにしたいことが尽きないのかなとおもいました。だから、私は死ぬまでに自分のやりたいことをやりつくしたいと思いました。でも、それでもなおやりたいことがまだあるのが人間なのかなとも思いました。