TOPページ > 教育の概要 > 大学院教育 

エンド・オブ・ライフケア看護学

対象学生:看護学研究科博士前期課程 大学院1年生

対象学生・科目の内容・ねらい

 大学院生自身の看護実践経験をふまえ、エンドオブライフケアに関する講義、文献検索/検討、プレゼンテーション、グループディスカッションを通して学びを深めます。
 講義には、看護学、政治学、法哲学・倫理学の学際的研究者による講義、および、海外大学のエンドオブライフケア教育研究者によるライブ講義が含まれます。これにより、エンドオブライフケアの基盤概念や理論を学際的な視点から理解します。また、エンドオブライフケアを支える考え方として、アドバンス・ケア・プランニングについて学び、我が国における事前指示や延命措置に関する意思決定に関わる課題を考えていきます。
 そして、大学院各自が有する臨床経験のなかから、エンドオブライフケアに関連する事例を提示し、臨床倫理的観点から考察します。最終的には、国内外のエンドオブライフケア看護実践・教育・研究の現状を主体的かつ網羅的に検討し、今後、必要とされる研究や課題を明確に提示できることを目標とします。

シラバス

エンド・オブ・ライフケア看護学

受講者の学び

1.看護学研究科博士前期課程1年

 私はエンドオブライフケアの授業を受けて、終末期の患者さんへの看護を考える時も、終末期ではないときも、患者さんの価値観を尊重し、QOLの向上を目指すということは、共通しているのだということを学びました。実習では、終末期の患者さんを受け持つ機会はあまりありませんでしたが、臨床に出れば、出会う機会も多くなるため、この授業で、終末期の患者さんの特徴・看護のポイントなどを学び、実際に患者さんのケア計画を考えることで、患者さんと家族が満足した人生を送るためにどのような支援が出来るか考えることが出来て良かったと思います。
  また、ケア計画のみならず、看護師の役割や、子供への病気の宣告の方法などについてもグループで討議することができ、終末期看護だけではなく、家族看護やがん看護など他の分野についても学びを深めることが出来ました。

2.看護学研究科博士前期課程1年

 学際的研究者の講義では、医療的知識にとどまらず、法哲学や倫理学、政治学から捉える死・人生の終末について会得することの意義に気づくことができました。死と対峙することについて、学際的なアプローチによって学ぶことは、改めて臨床現場における看護を考えるきっかけとなりました。授業では実際に経験した事例をもとに関連する文献を集めて資料を作成し、更にその事例に関するテーマについて深く掘り下げるグループワークを行いました。多領域の院生同士で意見を出すことで、自分の領域内だけでは見えてこない、異なる立場(例えば、在宅医療を支える側と病院での医療を行う側など)のエンドオブライフケアに対する考えを学ぶことができました。

2017年度受講者の学び

1.看護学研究科博士前期課程1年生

 授業では、看護分野に限らず法哲学や政治学といった様々な分野の先生方からの講義があり、学際的な視点でエンド・オブ・ライフケアへの理解を深めることができました。アメリカの大学の先生とのライブ授業もあり、エンド・オブ・ライフケアを進める上で重要なアドバンス・ケア・プランニングについて、アメリカや世界の現状を非常に分かりやすく教えていただきました。さらにそれを踏まえて日本に合ったエンド・オブ・ライフケアを進めていくにはどうすればよいかを学生間でディスカッションすることで、より学びを深めることができました。働いていたときには知らなかった新たな知識や、気づくことができなかった新たな視点を身につけることができ、本当にこの授業を履修してよかったと思っています。

2.看護学研究科博士前期課程1年生

 この講義を受けて、エンド・オブ・ライフケアに関して、看護学の視点だけではなく、学際的な視点で考え、その上でさらに看護職の専門性を持って考えていくことが、これからより一層求められることを感じました。法学や哲学の先生方にもご講義いただき、哲学者の考える死の捉え方についても深く考える機会となり、とても刺激的でした。また、授業の後半では、さまざまな領域での臨床事例を持ち寄り、グループごとに関連する文献を複数読んでプレゼンをしました。もやっとした感覚で臨床の時はすっきりできなかった事例を様々な視点で深く考え、そのときの看護を改めて評価し、今後の看護に生かす方法を導き出すことができました。毎回の講義やディスカッションの内容が濃く、とても学びも大きい講義でした。