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エンド・オブ・ライフ・ケア看護実践論

対象学生:看護学部4年生、看護学部編入生3・4年生

対象学生・科目の内容・ねらい

 本科目は看護学基礎教育課程の既習学習における知識をもとに、模擬事例を用いたグループ討議を通して現代医療の中で多様な療養の場におけるエンド・オブ・ライフ・ケアが必要な患者・家族へのケアにおいて、看護職が果たすべき役割を考える内容としています。
 現在、エンド・オブ・ライフ・ケアは、がん、呼吸器疾患、循環器疾患、難病、認知症等慢性疾患の晩年期、高齢者の終生期等、疾患によらず、その状態や状況に応じ、柔軟かつ統合的なケアが必要となっています。そのような中、看護職者が果たすべき役割を追求することを狙いとします。
 学習方法は、講義とグループワークによる事例検討を基本構成とし、発表と全体討議など、受講した学生と教員との相互交流をしながら学ぶ形式です。事例検討に先立って、事前学習課題とグループワークの討議課題を提示します。グループワークでは課題に向けて、各自がメンバーシップを発揮するようお互いが協力して進めることが前提となります。また、事例については熟読し、事前に図書館等で文献や資料を収集し、事例検討ならびに発表資料が時間内で作成できるよう準備をしておくことも必要です。

シラバス

エンド・オブ・ライフ・ケア看護実践論

■ 受講者の学び

1.看護学部4年生

 私はエンドオブライフケアの授業を受けて、終末期の患者さんへの看護を考える時も、終末期ではないときも、患者さんの価値観を尊重し、QOLの向上を目指すということは、共通しているのだということを学びました。実習では、終末期の患者さんを受け持つ機会はあまりありませんでしたが、臨床に出れば、出会う機会も多くなるため、この授業で、終末期の患者さんの特徴・看護のポイントなどを学び、実際に患者さんのケア計画を考えることで、患者さんと家族が満足した人生を送るためにどのような支援が出来るか考えることが出来て良かったと思います。また、ケア計画のみならず、看護師の役割や、子供への病気の宣告の方法などについてもグループで討議することができ、終末期看護だけではなく、家族看護やがん看護など他の分野についても学びを深めることが出来ました。

2.看護学部4年生

 エンド・オブ・ライフ・ケア看護実践論では、模擬事例を用いて、老化や疾病によって患者・家族が様々な選択や決定に迫られる場面で看護師が果たすべき役割を考えました。死を意識したばかりの患者は多くの苦痛を抱え、思いが揺れ動きやすいために、死を受け入れてこれからどのように生きていきたいのかを考えることが難しい状況にあります。看護師は現場で培った経験から死に向かう患者の軌跡を予測しやすいですが、患者・家族にとっての最善の生を外の視点から考えているために足りない部分があると思います。このような状況で患者・家族にとっての最善の生を正確に捉えてケアを計画し実行するためには、患者・家族・医療従事者が話し合ってお互いに補いつつ共に考えていくことが重要だと思いました。医療従事者の中でも、看護師は患者の一番近くで日々携わることができるので、最善の生の実現に向けて「今、必要なことは何か」を常に考えながら寄り添っていく必要があると思いました。

2017年度受講者の学び

1.看護学部4年生

 講義とグループワークを通して、人生のQOLの焦点化に関しては、その人自身が人生の質や幸福とは何かについて考え、意識化するように働きかけるということを学んだ。また、事前指示書については、どんな方法にもメリットだけでなく限界があること、そしてその限界に対して医療者はどのような倫理観を持って対応すべきか考えた。グループワークで立てた看護計画を発表し意見交換することで、自分だけでは思いうかばなかった計画に含まれる意図を知ることができ、エンドオブライフケアの実践に関する理解が深まった。

2.看護学部4年生

 講義においてエンドオブライフケアの講義な概念を学び、健康な人にとってもエンドオブライフケアは必要なことであるとわかった。最善の生は、その人にしかわかり得ないことであるからこそ、自身がどのように生きていきたいかを考えることはとても大切なことである。また、エンドオブライフケアでは看護師だけでなく多種多様な専門職が関わること学んだ。グループワークを通して、看護専門職者として自分から情報を発信することも重要であるが、他の専門職から得られた情報を看護の視点でもう一度見直すことも必要なことではないかと考えた。