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生きるを考える

対象学生:普遍教育科目 全学部生

科目の内容・ねらい

  本授業は,人間の尊厳を考え、エンド・オブ・ライフ・ケアを必要とする人々を支えるために,看護学の教育,実践者,終末期医療に携わる医師,哲学・教育学、政治学の専門家により講義が提供されます.エンド・オブ・ライフ・ケアの研究で,どのようなことが明らかになっているのか,実践の最前線で何が起こっているのか,日本国内のみならず,国外のエンドオブライフケアの制度や実践方法にはどのようなものがあるのか,この授業ではこのような疑問に答えていきます。
 本授業の後半部分では,学生同士が,人生の終わりを見据えて,現在の生き方を考える時間を持ちます.様々な立場から、多様な人々の生きる力を学び、自らの今後の生き方や将来展望に新たな視座が得られることを期待します。

シラバス

生きるを考える

■ 受講者の学び

2017年度 学部受講生

 私は医学部に所属しており、この講義を受けて様々な方々からエンドオブライフケアについての話を聞いたり、他学生と話し合ったりしたことで、将来関わるであろう終末期を迎える患者さんの支援には何が必要で、私には何ができるのかについて考えました。この講義で学んだ最も大きなことは、患者さんの人生はそれぞれ全く違ったもので、終末期ケアを考える際にはそれぞれがより良い形で人生の最期を迎えられるように各々に適したケアを提案する必要があるということです。患者さん各々に適したケアを行うためには、ケアについての正しく豊富な知識、医師だけではなく看護師など他医療従事者とのチームとしての連携、そして患者さんやその家族の方々とのコミュニケーションがとても重要で、将来これらの点に十分注意して医師として患者さんと接し、終末期のケアを行いたいと思っています。

2017年度 学部受講生

 生や死といった問題は、日常生活を送る中で最も意識しないものであるといえます。本講義で取り上げたエンドオブライフケアも同様で、生きることは死ぬその瞬間まで絶え間なく続きますが、死に方や、終末期の事を考えるのは、生きる事を考えるのに等しいと思います。一人の人が亡くなるとなった時、その死をきっかけに(起点として)あらゆる人々が関わる事になる、という事実をこの講義を通してはっきりと認識することができるようになりました。今まで、自分は、大抵の人、特に若い人がそうであるように、死ぬことを身近には感じませんでしたし、その未知に対する漠然とした恐怖感をどこかに抱えていました。また、それが何からくる恐怖なのかについて具体的に考えてみたこともありませんでした。しかし、講義を経た今、ひとつの結論として得たのは、自分は死が近づくと、自分の意志で生きられなくなる、という思いから恐怖を感じていたということです。いざそうなった時に自分はどのように生きるか、どんな医療を望むか、を前もって決め、それを周囲の人々と共有することで、先に述べた恐怖の原因は一種の解決をみると考えます。これから医療に携わる者として、生や死について考える機会は一般の人より多いと思うので、意志を持つための努力を重ねていきたいと思いました。