技術項目の活用方法
活用のフロー(ワークシート含む)
OJTとしての活用事例
予防活動の持続・発展のための地域看護実践 ワークブックVer.3より
事業担当の保健師が自信を持って事業を運営できるように促した例
係長は、今年から糖尿病教室の主担当になった新任期保健師に自信を持って事業の企画運営をして欲しいと思った。そこで、糖尿病教室について考えていることを聞いたところ、「糖尿病教室は、保健師全員が、1年間に2~3回は従事することになっているけれども、自分以外の保健師が事業に対してどのように思っているのか、気になっている。これまでに3日間だったものを2日間にしたり、調理実習を参加者同士の交流会にしたりと、実施方法や内容を変更した時に、『以前はこうだったのに・・』と言われた。昨年通りの方法を踏襲するのがいいと思っているようだ」と、新任期保健師から返事があった。
新任期保健師が何から取り組んだらいいのか、主体的に考えられるように、係長は技術項目とワークシートを活用した。新任期保健師が心に引っかかり、興味をもった技術項目について話し合い、今後の行動計画を一緒に考えた。
担当する事業に関する気づきから、自身のこれまでの取り組みの振り返りを促した例
禁煙対策事業を5年間担当している中堅期保健師は、保健センター内で禁煙教室を開設したり、公民館などに出前講座に出かけたり、インターネットによる相談を受け付けたりするなど、上司と相談しながら様々な取り組みをしてきた。しかし、どの取り組みも、参加者は減少傾向になっていたため、これからどのように取り組んだらいいのか上司に相談した。
相談された上司は、中堅保健師が自ら「これからどうしたらいいのか」と相談に来た状況を成長する機会だと思った。そこで、技術項目とワークシートを活用し、中堅保健師自身にこれまでの取り組みについて振り返るように促した。そして、上司自身も技術項目とワークシートを活用し禁煙対策事業について振り返った。そして、係内の会議で、禁煙対策事業について話し合う時間を設けるようにした。
行き詰っている事業について、アイデアを得た例
自殺対策事業を担当している熟練保健師とその課長は、1年間に2回実施している「自殺対策連絡会」について課題を感じていた。連絡会は、地域役員、保健医療福祉機関の代表者、庁舎内の他課の代表者、担当課の職員が参加者となっているが、仕事の都合で欠席、退職や異動等で代表者の変更や代替者の出席といった状況が多かった。そのため、自殺対策の現状説明や単発的な研修会・グループワークを行ってきたが、毎年同じことを繰り返しており、自殺対策の推進につながる内容になっているかの疑問を感じていた。
そこで、担当保健師とその課長は事業を見直すために、ワークシートを活用し、お互いに気になった技術項目について話し合い、事業の目標や評価方法を共有し、今後の取り組みの方向性を見出した。