エンド・オブ・ライフケア看護学への千葉大学の取組

生きるを考える/2011年度

普遍教育「生きるを考える」第10回の様子

地域で生きる人と家族を支える診療所医師の考えるエンド・オブ・ライフケア

[日程]平成23年12月6日 III時限/12:50〜14:20(場所 B)
[講師]川越 正平(あおぞら診療所院長)

  • 講義の様子
    講義の様子
  • 川越 正平先生
    川越 正平先生

受講生の感想

今回の講義では、まずいくつかの質問により人生の終盤についてどのような経過をたどるのか、大枠をイメージした。

講義の流れとして、川越先生が関わりを持った事例を紹介しながら進められ、在宅医療の現場から抽出された考え方についての説明があった。

在宅医療においては、地域を病棟ととらえることや、24時間365日の安心を提供することが必要である。また、生命と生活を支えるには6つの視点をもつこと、在宅を支えるには4つの要素を組み合わせる必要性がある。同時に、その為には専門外の領域と繋がることも重要である。更に、欧米での概念であるホスピストライアングルという考え方をこれから日本でも取り入れることが有効ではないか。

また、トピックスとして2010年8月に発表された論文(「早期からの緩和ケアモデル」)の結果(生存期間を見た場合に早期緩和ケア群が標準治療群よりも11.6ヶ月に対し8.9か月と長かった)を取り上げ患者にとって有効な治療が行われる可能性が示された。

更に、今後の取り組みの為の研究として地域連携トライアングル<まつど>の例や、家族まるごとの支援と街角ホスピスの具体例を挙げ、患者中心の医療のモデルが示された。

また、医師の立場から適切な医療・ケアを選び取る方法、『主治医』の見つけ方、受け持ち看護婦の見つけ方についての提言がされた。

最後に、「生」ある限り支えることによって、自宅で最期を迎えるというささやかなわがままが実現可能な社会になったらよいとまとめられた。

感想としては、川越先生の地盤が千葉県内ということもあり、身近な緩和医療を知る機会になり関心を持って聞くことができました。同時に、地域連携トライアングルを機能させる為の日々の取り組みや研究の実際を聞く機会にもなりとても有意義な講義になりました。川越先生が研究計画されている地域連携トライアングル<まつど>の今後に関心をもちました。それと同様のものが県内、国内各拠点病院でも標準的に受けられるようになるとよいと思いました。