エンド・オブ・ライフケア看護学への千葉大学の取組

生きるを考える/2011年度

普遍教育「生きるを考える」第13回の様子

福祉施設における医療現場から、エンド・オブ・ライフケアを考える

[日程]平成24年1月17日 III時限/12:50〜14:20(場所 B)
[講師]石飛 幸三(世田谷区特養芦花ホーム:医師)

  • 講義の様子
    講義の様子
  • 石飛 幸三先生
    石飛 幸三先生

受講生の感想

1月17日に行われた石飛幸三先生の講義に参加させていただきました。私が千葉大学に入学したきっかけは、特養ホームに看護師として勤務したころ、時期を同じくして看取り介護が導入され、終末期にある高齢者の方を看取らせていただき、その時の経験を基にさらに看護を深めていきたいと考えたことでした。今回の講義を聴き、私は、石飛先生の著書にある「平穏死」とは一体どのようなものなのか、考えました。講義の中で、お二方の高齢者とご家族が出ていらっしゃいます。お一方は三宅島から避難されて来た高齢者の方とその息子さん、もう一方は認知症を患われた姉さん女房の奥様を介護してきた旦那さん。お二方の方の共通する主張は、「胃ろうなどの無理な延命はしない。」というものでした。その、家族の思いを具現化していくために石飛先生は施設の職員と時に対立し、そして協働しながら、施設で看取ることができる環境を作られたのだと感じました。「平穏死」の言葉には高齢者の方が老衰という経過を緩やかに下降しつつ、自然な形で「死」が迎えられること、そして、高齢者を傍らで看取るご家族や施設の職員たちも高齢者の「死」を「これでよかったんだ。」と思える最期であることが「平穏死」であると考えました。今後も、研究を通して、施設に入所されている高齢者の方、及びご家族にとって、「平穏死」につながるエンド・オブ・ライフケアとは何かを考えていきたいと思います。