[日程]平成24年10月9日 III時限/12:50〜14:20(総合校舎B号館)
[講師]長江 弘子(千葉大学大学院看護学研究科 特任教授)
エンド・オブ・ライフケアとは、緩和ケアやホスピスケアと同じではなく、「差し迫ったあるいはいつかは来る死について考える人が、生が終わる時点まで最善の生を生きることができるように支援する」ものであるという意味をもつ。このことから、エンド・オブ・ライフケアが、死にゆくことだけでなくそれまでにその人が日々の人生を精一杯生き抜くことを支えるためにあるものなのだということを感じた。
家族の誰かが二度と意思表示できない状況になったときに、その他の家族が延命処置を受けるかどうかについて決断するのはたいへんな重圧であり辛く苦しいことであり、どちらを選んだとしても「これで本当に良かったのだろうか?」という迷いが残る。そのようなときに、本人にとって「精一杯生き抜く」とはどういうことなのか、本人にとっての最善の人生とはどのようなものなのか、本人の立場にたって思い起こしその意思を尊重することができるよう、家族が健康なうちから何度も話し合いを重ねていくことが重要であると考えさせられた。