論文・著書・発表

1999年

【原 著】

1. Kimizuka, G., Okuzawa, K., Yarita, T.: Primary giant cell marignant fibrous histiocytoma of the lung: A case report. Pathology International, 49, 342-346, 1999

2. 北橋智子,田中俊光,山本多喜子,長谷川修司,黒崎知道,村澤利延,吉沢花子:千葉市における抗クラミジア・ニューモニア,トラコマーティス抗体保有状況―抗LPS抗体によるスクリーニング法を用いて―.千葉市環境保健研究所年報,5,6-164,1998

【学会発表抄録】

3. 岩谷まり子,鎗田努,西尾淳子,君塚五郎,岩坂宏一,石川昌文,阿部武,岩瀬裕郷,平田哲士,荒木章伸:悪性中皮腫の細胞像の特徴.日臨細胞誌,38(suppl. 2),322,1999

4. Kimizuka, G., Suzuki, A., Nishio, J.: Experimental study of dose-respose relationship between chrysotile asbestos with benzo (a) pyrene exposure and carcinogenic effect in the hamster. The 1st China-Japan Asbestos Symposium, 45, 1999

【その他】

5. 吉沢花子,小川幸子,高野知美,西尾淳子,御子神明子,君塚五郎:指標菌によって実験的に汚染させた手袋脱後の手からの指標菌の検出状況.千大看紀要,21,69-73,1999

【研究状況】

本教育研究分野では,院内感染や感染看護に関するテーマと,腫瘍の病態や発癌に関する研究(1,3)を主体的に行っている.

医療の進歩にともなうcomprmised hostの増加は,日和見感染の機会の増加を引き起こしている.また,医療従事者の感染伝播防御に対する関心の高まりとともに,病棟内におけるディスポーザブル手袋の使用頻度が増している.吉沢らは手袋使用に対する過信は危険であり,手洗いの重要性を改めて認識する成績を得た(5).

一方comprmised hostの増加は,病院内にとどまらず,HOT,自己導尿,高齢者等の在宅療養者の増加を背景とした,家庭内での様々な医療器具の使用に伴う感染もある.これらの予防のためには,導尿カテーテル等の器具の滅菌や局所の消毒は重要な手技である.高度の機械や器具を必要としない,時には家庭でも応用できる安全,容易でしかも滅菌・消毒効果の高い方法の確立を目指して,基礎的・応用的検討を行っている.

君塚らはアスベストおよびその代替品に関連する肺病変や肺癌との関連を引き続いてテーマとしており,動物実験による発癌実験を行っている(4).

吉沢らは,千葉市内のクラミジア感染の侵淫状況を把握する目的で,年齢階層別の抗体保有状況を調査した(2).抗クラミジア・ニューモニア抗体保有率は,集団生活開始時期に急上昇することを認めた.また,高齢者に多い抗体価を有する例が散見され,クラミジア・ニューモニアと心臓疾患との相関が指摘されていることから,今後さらに追跡調査する必要性が示唆された.

1998年

【原 著】

1. 吉澤花子,西尾淳子,御子神明子,君塚五郎:看護学部学生のインフルエンザ抗体の保有状況.千大看紀要,20,41-47,1998

【学会発表抄録】

2. 藤井真理,藤井秀一郎,若新洋子,大平達夫,山田公人,塚本総一郎,鎗田正,鎗田努,君塚五郎,桑原竹一郎:分化型Uc癌が急速にBorrmanT型に進展した一例.千葉消化器疾患研究会,1998

3. 渡辺哲,滝口裕一,大森繁成,須田明,宮沢裕,杉本尚昭,渡辺励子,岡田修,木村弘,君塚五郎,長尾啓一,栗山喬之:医学部学生への癌治療に関する意識調査.肺癌,38,468,1998

【その他】

4. 北橋智子,田中俊光,山本多喜子,長谷川修司,黒崎知道,村澤利延,吉澤花子:千葉市における抗chlamydia trachomatis, chlamydia pneumonia抗体保有状況―抗LPS抗体によるスクリーニング法を用いて―.臨床とウイルス,26(1),106,1998

5. A member of WHO Task group on environmental health criteria for chrysotile asbestos (Kimizuka, G.) International programme on chemical safety Environmental Health Criteria 203, Chrysotile Asbestos. 1998

【研究状況】

本教育研究分野では院内感染や感染看護に関するテーマと腫瘍の病態や発癌に関する研究を主体的に行っている(2,3).

医療の進歩にともなうcompromised hostの増加は緑膿菌を始めとする常在菌等による日和見感染の機会の増加を引き起こしている.さらに病院内やHOT,自己導尿,高齢者の自宅療養等の増加があり,家庭内での様々な医療器具の使用に伴う感染がある.これらの予防のためには,器具や局所の滅菌・消毒は重要な手技である.高度の機械や器具を必要としない,時には家庭でも応用できる安全,容易でしかも滅菌・消毒効果の高い方法の確立を目指して,基礎的,応用的検討を行っている.緑膿菌によるBiofilm形成の器具材質による相違や,その滅菌消毒法の検討はそのひとつである.それらの基礎となるものとして,吉澤らは,ウイルス,クラミジアに対する抗体保有状況を調査し,これら感染症の防御対策について疫学的検討を行っている(1,4).

君塚らはアスベスト及びその代替品に関連する肺病変や肺癌との関連を引き続いてテーマとしており,動物実験による発癌実験を行っている(5).

1997年

【学会発表抄録】

1. 君塚五郎:アスベストとベンツピレンによる肺癌の発生に関する研究―暴露量と発癌率について―.肺癌,37(5),692,1997

2. 黒須洋子,吉沢花子,西尾淳子,小出紀子,新田静子,中村泰子,三輪清子,君塚五郎:手洗い石けん(ザボングリーン)の使用状況と管理方法の検討.第15回千葉県看護研究学会集録,34-36,1997

3. 吉沢花子,西尾淳子,山崎勉:合成ペプチドを用いた抗C. trachomatis抗体測定用ELISAキットの評価.臨床とウイルス,25(1),116,1997

4. 山崎勉,佐々木望,吉沢花子:合成ペプチド抗原を用いたクラミジア抗体測定試薬の検討.感染症誌,71(8),838,1997

【その他】

5. 御子神明子,堀井理司:千葉看護学会第3回学術集会分科会報告分科会2「感染看護」報告.千葉看会誌,3(2),111-113,1997

【研究状況】

本教育研究分野では院内感染や感染看護に関するテーマを主体とした研究方向を強化する方針で進んでいる.

近年の医療の進歩に伴うcompromised hostの増加は緑膿菌を始めとする常在菌等による日和見感染の機会の増加がある.さらに病院内やHOT,自己導尿,高齢者の自宅療養等の増加があり,家庭内での様々の医療器具の使用に伴う感染がある.これらの予防のためには,器具や局所の滅菌・消毒は重要な手技である.高度の機械や器具を必要としない,時には家庭でも応用できる安全,容易でしかも滅菌・消毒効果の高い方法の確立を目指して,基礎的,応用的検討を行っている.緑膿菌によるBiofilm形成の器具材質による相違や,その滅菌消毒法の検討はそのひとつで,本年度は手洗い環境について検討を行い,看護研究会に発表した(2).

また,君塚らは母性看護学教育研究分野との共同で細菌感染の関与する自然流産の派生と妊婦の生活指導について研究を行っている.

さらに君塚らはアスベストに関連する肺病変や肺癌との関連を引き続いてテーマとしており,動物実験による発癌病像を発表した(1).

吉沢らはChlamydia感染症の診断方法の検討を行うとともに,Chlamydia感染の疫学的,免疫学的研究を引き続き行っている(3,4).

1996年

【原 著】

1. 君塚五郎,石橋正彦,大和田英美,林  豊,木村秀樹,山口 豊,大岩孝司,鎗田 努:高年者と若年者肺癌の病理組織学的比較研究,肺癌,36(1):1〜6,1996

2. 御子神明子,西尾淳子,吉沢花子,小柳慈衛,吉田典子,君塚五郎,中村和昭,斎藤正樹,多田彊平:自然流産と細菌感染に関する研究―特に掻爬組織の多核白血球浸潤と細菌感染との関係―,千大看紀要,18:31-36,1996

3. 吉沢花子,西尾淳子,村上信乃,山崎 努:Chlamydia trachomatis尿路性器感染症の診断における抗LPS抗体測定の意義,日性感染症誌,7:55-63,1996

【学会発表抄録】

4. 君塚五郎,奥沢 健,鎗田 努:肺原発の悪性巨細胞腫と考えられる稀な一例,日病理学会誌,85(1):199,1996

5. 山崎 努,佐々木望,吉沢花子,中田博一,本多昭仁:小児の抗クラミジア抗体測定における血清前処理の意義,小児感染免疫,18:146,1996

6. 吉沢花子,西尾淳子,鈴木明子,村上信乃:尿路性器感染症における抗LPS抗体の意義,臨床とウイルス,24:138,1996

7. 塚原優己,大木和子,遠藤誠一,寺内公一,吉野範秀,宇田川秀雄,押尾好浩,岩井利恵,松本貴子,高橋秀則,山崎 努,吉沢花子:尿検体を用いたPCR法による妊婦クラミジアスクリーニング,日性感染症誌,7:48,1996

【その他】

8. Task group for chrysotile asbestos [Mercier M. Kimizuka G.他]: International Programme on Chemical Safety, Environmental health criteria document for chrysotile. WHO, Gneneva, Switzerland, 1996

【研究状況】

本教育研究分野では感染看護に貢献するテーマを主体とした研究方向を強化する方針で進んでいる.本年度は吉沢らは手洗い環境について検討を行い,看護研究会への発表に向けて準備中である.

また,君塚らは母性看護学教育研究分野との共同で細菌感染の関与する自然流産の派生と妊婦の生活指導について研究を行っている(2).

さらに君塚らはアスベストに関連する肺病変や肺癌との関連を引き続いてテーマとしており(8),また臨床病理材料より肺癌諸症例について検討を行っている(1,4).

吉沢らはChlamydia感染症の診断方法の検討を行うとともに,Chlamydia感染の疫学的,免疫学的研究を引き続き行っている(3,5,6,7).

1995年

【原 著】

1. 鈴木明子,西尾淳子,吉沢花子,君塚五郎,黒須洋子,小嶋昌子,三輪清子:Pseudomonas aerginosaに対する常用消毒薬の殺菌効果,千大看紀要,17:55−60,1995

2. 吉沢花子,西尾淳子,村上信乃,萩原敏且,志賀定祠,鈴木明子:C. trachomatis尿路性器感染症の疫学調査―STD外来診者の抗体保有状況と分離株の血清型別,日性感染症誌,6(1):17−24,1995

3. 熊本悦明,広瀬崇興,西村昌宏,小六幹夫,村上信乃,斎藤功,岡崎二郎,小島弘敬,河田幸道,熊沢浄一,松田静治,高田通夫,菅原元康,野口昌良,岡田弘二,青木功喜,大野重昭,小川浩司,吉沢花子,橋爪壮,松本明:PCR法によるC. trachomatis診断キット(アンプリコア−クラミジアトラコマチス)の基礎的,臨床的検討,日性感染症誌,6(1):51−61,1995

【学会発表抄録】

4. 吉沢花子,西尾淳子,黒須洋子,新田静子,君塚五郎,三輪清子:喀痰および院内感境から分離された緑膿菌の血清型別,環境感染,10(1):68,1995

5. 奥沢健,鎗田努,山川久美,君塚五郎:肺動脈本幹に浸潤した悪性繊維性組織球腫(MFH: malignant fibrous histiocytoma)と思われる1例,肺癌,35(5):704,1995

6. 吉沢花子,西尾淳子,鈴木明子,村上信乃,山崎勉:Chlamydia尿路性器感染症における抗LPS抗体の意義,日性感染症誌,6(2):72,1995

7. 山崎勉,佐々木望,胡暁虹,吉沢花子,鈴木明子:千葉市の学生における年次別抗 Chlamydia pneumoniae抗体保有率について,感染症誌,69:64,1995

8. 山崎勉,佐々木望,小倉一仁,畑俊夫,島田正孝,吉沢花子,萩原敏且:Chlamydia trachomatis母児感染予防を目的とした妊娠治療の効果について,日性感染症誌,6(2):54,1995

【その他】

9. 君塚五郎,廣島健三,大和田英美他:グラスファイバーとアスベストのハムスター肺に与える早期の変化,第2回石綿研究会,1,1995

10. 吉沢花子,西尾淳子,鈴木明子,村上信乃,萩原敏且,志賀定祠:泌尿器科患者血清の抗クラミジア抗体の保有状況とクラミジア分離株の血清型別,(第12回クラミジア研究会)臨床とウイルス,23(1):90.1995

11. 山崎勉,佐々木望,山中隆也,小川知子,吉沢花子:小中学生における抗Chlamydia pneumoniae抗体価推移について,(第12回クラミジア研究会)臨床とウイルス,23(1):85,1995

【研究状況】

本教育研究分野では感染看護に貢献するテーマを主体とした研究方向を強化する方針で進んでいる.本年度は院内環境菌としての緑膿菌を主テーマとしてとりあげ,分離菌の消毒薬に対する感受性を検討し(1),また分離菌の血清型別を行って,長期入院病棟内では重複感染が存在することを報告した(4).

さらに,君塚らはアスベストに関連する肺病変や肺癌との関連を引き続いてテーマとしており,第2回石綿研究会を主催するとともに,動物実験の成績を報告した(9).また共同研究として特殊な肺病変の症例報告を行った(5).

吉沢らはChlamydia感染の疫学的,免疫学的研究を引き続き行っており,C. trachomatis感染症の診断方法を検討する(3,6,8)とともに,患者分離株の血清型別を行って,伝播経路の推移を検討した(2).また,C. pneumoniae感染の疫学的調査を目的として,小・中学生および大学生の抗体測定を行うとともに,咽頭からの抗原検出を試み,飛沫感染による集団感染があることが示唆された(6,7,11).

1994年

【原 著】

1. Urabe N., Fujisawa T., Saitoh Y., Takeda T., Sekine Y., Yamaguchi Y., Kimizuka G., Terano T.: The capacity of dog lung to release prostaglandinl2 as a biochemical parameter for evaluating lung damage during preservation, Transplantation, 57: 194-198, 1994

2. 吉沢花子,山川真理子,鈴木明子,西尾淳子,黒須洋子,三輪清子,助川淑子,小嶋昌子:長時間使用加湿加湿器セットの細菌学的検索,環境汚染,9(2):28−34,1994

【学会発表抄録】

3. 岩谷まり子,鎗田努,奥沢 健,塚本総一郎,山川久美,西尾淳子,君塚五郎,岡本達也:擦過細胞診では低分化扁平上皮癌としたが,多彩で特異な組織像を示した肺癌の一例,日臨細胞誌,33:966,1994

4. 君塚五郎,石橋正彦,篠崎克巳,広島健三,林 豊:クリソタイル,アモサイトアスベストの気管内注入による肺病変の相異について―特に長期の変化―,日病会誌,83:162,1994

5. Yamasaki T., Sasaki N., Yamanaka H., Horiuchi K., Yoshizawa H., Shinozaki T., Araki K.: Seroepidemiology of Chlamydia pneumoniae infections among pediatric patients in Japan, Scientific Program, 8th International symposium on human chlamydial infection: 36, 1994

6. 吉沢花子,西尾淳子,鈴木明子,村上信乃,萩原敏且,志賀定祠:泌尿器科患者のクラミジア抗体保有状況とクラミジア分離株の血清型別,日性感染症誌,5(2):32,1994

【報告書】

7. 林 豊,石橋正彦,宮原英樹,河野俊彦,笠松紀雄,廣島健三,篠崎克巳,君塚五郎,大和田英美,源河圭一郎,岩政輝男,福間誠吾:沖縄県における肺癌発生と関連要因に関する研究(6年間のまとめ),「沖縄県における肺がん発生と関連要因に関する研究」報告書:77−83,1993

8. 吉沢花子,西尾淳子,鈴木明子,村上信乃,萩原敏且,志賀定祠:泌尿器科患者血清の抗クラミジア・抗HIV抗体の保有状況とクラミジア分離株の血清型別,平成5年度厚生科学研究費エイズ対策研究推進事業,HIVの疫学と対策に関する研究,研究報告書(HIV疫学研究班報告書):393−398,1994

【その他】

9. 君塚五郎:シンポジウム「化学物質による呼吸器病変の発生とその抑制」,アスベストによる実験肺癌,第10回日本毒性病理学会講演要旨集,1994

10. 吉沢花子:加湿加湿器の使用・管理状況についての細菌学的評価と検査の経済効果,日看科会誌,14(4):6−13,1994

【研究状況】

吉沢らは,病棟内の湿潤環境の細菌学的検索を行い,特に緑膿菌その他グラム陰性非発酵性桿菌を指標として,病棟内の清潔管理方法の検討を行っている(2,10).また,高度免疫化社会では,小児に感染症を惹起するウイルスの伝播形態の変化が予測されるので,ウイルスの院内感染拡大を防止するには,医療従事者の抗体保有状況を把握しておくことが必要であり,看護職員の予備群としての看護学部学生の抗ウイルス抗体の保有状況を調査している(厚生省予防接種部会報告).鈴木らは,病棟内の汚染処理方法を評価することを目的として,病棟からの分離菌に対する常用消毒剤の効果判定を行った(本紀要).

吉沢らは,厚生省HIV研究班の班員として,千葉県内のSTDとしてのHIV感染の現況を調査するとともに(8),STDの伝播ルートの変化を把握することを目的として,クラミジア・トラコマーティスの分離培養を行い,分離菌の性状調査を行ってきた(6).また近年,小児呼吸器感染症の一つとして注目されるようになってきたクラミジア・ニューモニア感染の動向を調査するため,分離培養を行うとともに,小児の抗体保有状況を調査している(5).

君塚らは,アスベストに関連する肺病変や肺癌との関連を,引き続いてのテーマとしている(3,4,7,9).また,共同研究として移植肺の病理を担当した(1).

今後,当教育研究分野では,感染看護に貢献するテーマを主体とした方向を強化していきたいと考えている.

1993年

【原 著】

1. Goro kimizuka, Minako Azuma, Masahiko Ishibashi, Katsumi Shinozaki, and Yutaka Hayashi: Co-carcinogenic effect of chrysotile and Amosite Asbestos with benzo(a)pyrene in the lung of hamster, Acta Pathol Jpn, 43: 149-153, 1993

2. 山崎 勉,桜井信清,本多昭仁,中田博一,吉沢花子,橋爪 壮:本邦より分離されたChlamydia pneumonias株の性状および患者血清反応について,感染症誌,67:535-539,1993

3. 山崎 勉,桜井信清,本多昭仁,中田博一,吉沢花子,橋爪 壮:Chlamydia pneumoniaeが気道より分離された小児4例について,感染症誌,67:589-593,1993

【学会発表】

4. 君塚五郎,石橋正彦,篠崎克美,広島健三,林 豊:ベンツピレンとクリソタイル,アモサイトアスベストの気管支肺癌発生共同作用の相違に関する実験的研究,日本病理学会誌,82(1):260,1993

5. 染谷俊行,西尾淳子,岩谷まり子,君塚五郎,岡本達也:標本作製法が明記されなかったため診断に苦慮した乳癌の一例,日本臨細胞会誌,32(5):730,1993

6. 吉沢花子,山川真理子,伊藤直美,鈴木明子,黒須洋子,三輪清子:長時間使用加湿器の細菌学的検索,第8回日本環境感染学会抄録,65,1993

7. 山崎勉,松本恭子,斉加志津子,堀内 清,中田博一,本多昭仁,吉沢花子,橋爪 壮:Chlamydia trachomatis母児感染における妊婦の抗体測定の意義,感染症誌,67:224,1993

8. 吉沢花子,斎藤正好,西尾淳子,鈴木明子,君塚五郎,橋爪 壮:免疫抑制マウスのクラミジア感染実検,第42回日本感染症東日本地方会抄録,77,1993

9. 中田博一,前本達男,北沢克彦,本多昭仁,吉沢花子,鈴木明子,大力一雄,山崎 勉,橋爪 壮:Hep-2細胞を用いて分離されたChlamydia pneumoniae感染症例について,第42回日本感染症東日本地方会抄録 93,1993

10. 中田博一,本多昭仁,押尾好浩,村上信乃,吉沢花子:小児における無症候性Chlamydia trachomatis感染について,日本性感染症誌,4:44,1993

11. 吉沢花子:加湿加湿器の使用・管理状況についての細菌学的評価と検査の経済効率,第13回日本看護科学会議演集,32−33,1993

【その他】

12. 君塚五郎,河野俊彦,林 豊:気管支粘膜の肥満細胞からみた大気汚染の影響―千葉県旭市(田園症例)と千葉市(都市症例)の小児解剖例の検討―平成4年度公害調査等委託費による報告書,28−42,1993

13. 土屋永寿,下里幸雄,蟹沢成好,横田 淳,高橋 隆,居石克夫,井内康輝,君塚五郎,秋田弘俊,山川和弘,杉尾賢二,保澤総一郎,広畑富雄:肺癌の発生機序と肺癌細胞の特性―病理組織学的,分子生物学的解析―,平成4年度文部省研究報告集録(癌),291−295,1993

14. 吉沢花子,村上信乃:泌尿器科患者血清の抗クラミジア・抗HIV抗体の保有状況,HIVの疫学と対策に関する研究―厚生科学研究費エイズ対策研究会報告書―,平成4年度研究報告書,284−288,1993

【研究状況】

当研究分野では,院内感染症の基礎的データの収集とその解析を行っている.

吉沢,鈴木らは院内環境の微生物学的調査方法の検討を行い,自動車事故対策センター附属千葉療護センターと共同研究によって長期入院患者に使用されている呼吸療法器具の微生物汚染対策を検討している(6,11).

吉沢,鈴木,君塚らは実験動物を用いて,免疫機能低下個体におけるクラミジア肺炎発症のメカニズムの解明を行っている(8).

吉沢,鈴木らは小児のクラミジア肺炎の疫学的調査を行い,クラミジア感染経路の解明を行っている(2,3,7,9,10).また吉沢らは厚生省HIV疫学研究班の班員として千葉県内のSTDとしてのHIV感染の疫学調査をおこなってきている(14).

この他に君塚らは文部省癌特別研究土屋班[肺癌の発生機序と肺癌細胞の特性―病理組織学的,分子生物学的解析―]の班員として肺癌実検モデルをもちいて解析をおこない,その成果の一部を報告し公表した(1,4,13).また,環境汚染による肺病変の早期発見,早期治療をめざした環境庁研究班では,都市および田園生活者症例をもちいて病理学的に早期病変を捕らえる解析をおこなっている(12).生検組織や細胞診分野における診断法もいまひとつの研究領域として行っているが,その成果の日本臨床細胞学会に報告した(5).

1992年

【原 著】

1. Goro Kimizuka, Katsumi Shinozaki, and Yutaka Hayashi: Comparison of the Pulmonary Responses to Chrysotile and Amosite Asbestos Administered Intratracheally. 1) Early Phase of Cellular Reactions, Acta Pathol Jpn, 42(10): 707-711, 1992

2. 吉沢花子,中田博一:小児鼻咽腔擦過標本の培養成績とIDEIAクラミジア測定値の比較,Prog Med, 6(12): 963-967, 1992

3. 中田博一,吉沢花子,橋爪壮,山崎勉:旭中央病院におけるIDEIAクラミジアの陽性率とC. pneumoniae症例について,Prog Med, 6(12): 969-971, 1992

4. 山崎勉,橋爪壮,吉沢花子,中田博一,本田昭仁:C. pneumoniae感染症の診断におけるIDEIAクラミジアの応用―Cut off値の検討―,Prog Med, 6(12): 973-975, 1992

5. 吉沢花子,大力一雄,山崎勉:Chlamydia pneumoniaeに対するHep−2細胞とHL細胞の感受性の比較,感染症誌,66(8): 1037-1041, 1992

【学会発表抄録】

6. 岩谷まり子,大岩孝司,鎗田努,君塚五郎:明細胞化を示した甲状腺濾胞癌のまれな一例,日本臨細胞会誌,31(5): 834, 1992

7. 山崎勉,吉沢花子,橋爪壮,中田博一,本田昭仁,桜井信清:本邦より分離されたChlamydia pneumoniae株の性状および患者血清反応について,日本感染症誌,臨時増刊:63,1992

8. 中田博一,本田昭仁,押尾好浩,村上信乃,沼崎啓,萩原敏且,吉沢花子,橋爪壮,Chlamydia trachomatis感染症診断における抗体測定用キットSero IPALISA Chlamydiaの有用性について,日本感染誌,臨時増刊:70,1992

9. 川名尚,中田博一,野口昌良,淵 勲,松田静治,萩原敏且,橋爪壮,吉沢花子,吉川裕之,柳田昌彦,前田真:イパザイムを用いたC. trachomatis抗体検出による妊婦スクリーニング検査の意義,第10回日本産婦人科感染症研究会抄録,11,1992

10. 中田博一,本田昭仁,塚原優巳,宇田川秀雄,鈴木鈍行,押尾好浩,村上信乃,橋爪壮,吉沢花子,山崎勉:Chiamydia trachomatis妊婦スクリーニング検査,妊婦治療の現況,第10回日本産婦人科感染症研究会抄録,12,1992

11. 山崎勉,篠崎立彦,荒木和子,斉加志津子,堀内清,中田博一,本田昭仁,吉沢花子,橋爪壮:小児科領域における血清抗Chlamydia pneumoniae抗体保有率について,第24回日本小児感染症学会抄録37,1992

12. 熊本悦朗,村上信乃,斉藤功,岡崎武二郎,児島弘敬,河田幸道,熊澤淨一,松田静治,高田通夫,菅生元康,野口昌良,岡田弘二,青木功喜,小川浩司,松本明,橋爪壮,吉沢花子,大野重昭:PCR法を用いた診断試薬(AMPLICOR C. trachomatis kit)の臨床検体による評価,日本感染症誌3(2): 38, 1992

13. 中田博一,北澤克彦,本田昭仁,村上信乃,小林康祐,鈴木鈍行,宇田川秀雄,押尾好浩,平賀真喜子,野口倫子,吉沢花子,橋爪壮:クラミジア母子感染防止を目的としたErythromycin投与の影響について,日本感染症誌3(2):44,1992

【その他】

14. 君塚五郎:東京都内居住者と郊外居住者の剖検肺の病理組織学的比較検討――大気汚染の組織学的判定の可能性を探る,平成3年度公害調査等委託費による報告書,25-30 1992

15. 土屋永寿,横田淳,高橋隆,和田弘俊,中村祐輔,下里幸雄,居石克夫,蟹沢成好,井内康輝,君塚五郎:肺癌の発生機序と肺癌細胞の特性―病理組織学的,分子生物学的解析―平成3年度文部省研究報告集録(癌),340-344,1992

16. 吉沢花子:男子初尿によるクラミジア抗原測定について,MEDICAMENT NEWS,第1355号,9,1992

17. 吉沢花子:STDとしてのHIV感染の疫学に関する研究,厚生科学研究費エイズ対策研究推進事業HIV疫学研究班(平成3年度研究報告書),265-266,1992

【講座研究状況】

君塚らは文部省癌特別研究土屋班[肺癌の発生機序と肺癌細胞の特性―病理組織学的,分子生物学的解析―]の班員として肺癌実検モデルをもちいて解析をおこない,その成果の一部を報告し公表した(1.15).また,環境汚染による肺病変の早期発見,早期治療をめざした環境庁の研究班では,都市および田園生活者症例をもちいて病理学的に早期病変を捕らえる解析をおこなっている(14).生検組織や細胞診分野における診断法もいまひとつの研究領域として行っているが,その成果を日本臨床細胞学会に報告した(6).

吉沢らはクラミジアニューモニアの分離培養法を確立し,本邦小児からの分離株の性状の解明を行うとともに,保菌状況の疫学的調査を行っている(2,3,4,5,7).また,クラミジア トラコマーチス感染症の確定診断法の確立を計るとともに(8,12,16),妊婦治療による母児感染の防御を計った(9,10,13).またHIV疫学研究班の班員として千葉県内のSTDとしてのHIV感染の疫学調査を行ってきている.(17).吉沢,鈴木らは院内環境の微生物学的評価の方法について自動車事故対策センター附属千葉療護センターと共同で検討を行ってきた.今年度も引き続き共同研究を行う予定である.

1991年

【原 著】

1. 山川久美,柴光年,馬場雅行,光永伸一郎,深沢敏男,藤沢武彦,君塚五郎,山口豊:形態計測による胸腺腫の悪性度の評価,日胸疾会誌,29:1393-1398,1991

2. 吉沢花子:C. trachomatis感染症の検査法と問題点,日本性感染症誌,2:8-14,1991

3. 吉沢花子,白井文恵,橋爪壮,藤田秀雄:尿路性器擦過材料および尿からのIDEAIキットによるC. trachomatis抗原検出成績と分離培養成績との相関性,日本性感染症誌,2:82-88,1991

4. 斎藤ゆみ,佐藤武幸,沖本由理,吉沢花子,橋爪壮:A Prospective Study of Cytomegalovirus Infection in Childhood Acute Lymphoblastic Leukemia,自治医大看護短大紀要,63-74,1990

【学会発表】

5. 斎藤博子,花輪孝雄,君塚五郎,岩谷まり子,大岩孝司,鎗田努,岡本達也:胃形質細胞腫の一例,日本臨床細胞学会雑誌,30:289,1991

6. 岩谷まり子,大岩孝司,鎗田努,斎藤博子,君塚五郎,岡本達也:びまん性悪性中皮腫の一例,日本細胞学会雑誌,30:323,1991

7. 山崎努,橋爪壮,吉沢花子,中田博一,桜井信清:IDEIAクラミジアのChlamydia pneumoiae感染症の診断における有用性,Prog. Med., 11: 1980-1985, 1991

8. Goro Kimizuka, Yutaka Hayasi: Satellite Symposium. Combined effect of asbestos and smoking on hamster lung, in International Symopsium on the Health Effects of Low Exposure to Fibrous Materials (Kitakyushu), 97, 1991

9. 馬場雅行,柴光年,山川久美,山口豊,藤沢武彦,卜部憲和,光永伸一郎,渋谷潔,大和田英美,堀内文雄,大木昌二,君塚五郎,斎藤博子:抹梢型肺腺癌における早期癌の診断,日本臨床細胞学会雑誌,30:207,1991

10. 吉沢花子,鈴木真理子,白井文恵,山崎ともみ,橋爪壮,黒須洋子,三輪清子:長期入院(植物状態様)患者病棟の環境管理方式と患者および浴槽からの緑膿菌検出状況,第8回東八幡平院内感染シンポジウム,177-124,1991

【その他】

11. 君塚五郎:肺気腫とその病理形態学的診断の可能性,局地的汚染による健康影響を把握する上での病理学的知見の有用性に関する研究(平成2年度公害調査等委託費による報告書),43-56,1991

12. 北川正信,森永謙二,君塚五郎,矢野栄二,成田亘啓,板谷光則,片山正一,平岡武典:アスベストによる発がんに関する研究,厚生省がん助成金による研究報告集(平成2年度),362-365,1991

13. 後藤澄雄,百武衆一,袖山知典,守屋秀繁,梅津美香,君塚五郎:学童並びに中高年齢者の骨強化のために効果的なスポーツの選択と実施基準の作製(第12回研究助成報告),デサントスポーツ科学,12:220-226,1991

14. 黒須洋子,助川淑子,吉沢花子:長期入院(植物様状態)患者の管理状況,Nurse eye, 4: 18-23, 1991

【講座研究状況】

君塚らは[アスベストの生体影響に関する研究]班の班員としてハムスターをもちいた実験モデルでアスベストと喫煙や喫煙中に含まれる発癌物質であるBenzo (a) pyreneをもちいて相互作用についての実験を行っている(8,12).同時に肺腫瘍の手術例を用いた研究も,病理分野を担当し,その成果のいくつかが公表された(1,9).また細胞診による診断の可能性や知見の検討を行っている(5,6).梅津らは医学部整形外科にて骨粗相鬆症予防に関しての運動の効果について共同研究に従事しその結果,運動に加えてカルシウム摂取が重要であることを明らかにした(13).今年度より大気汚染物質による健康影響を病理学的に評価する研究を環境庁の委託研究として始めた(11).

吉沢らは小児のクラミジア性肺炎の診断法の確立をめざすとともに,IDEIAクラミジアその他の抗原検出用キットの評価,検討を行った(2,2,7).また病院内環境の細菌学的汚染状況を追跡することによって,病棟管理状況の評価を行った(10,14).

1990年

【原 著】

1. 山崎ともみ,吉沢花子,橋爪壮,木村博昭,布山隆史,高見沢裕吉:不妊症外来受診者のChlamidia trachomatis抗体保有状況.Jap. Arc. Sex. Trans. Dis. 1: 15-23, 1990

2. 津山久弥,大里和久,吉沢花子:Chlamidia trachomatis性器感染症に対するアセチルスピラマイシンの治療効果.Jap. Arc. Sex. Trans. Dis. 1: 75-79, 1990

3. 吉沢花子,橋爪壮:尿道および子宮頸管擦過材料からのC. trachomatisの分離培養成績とIDEIAによる抗原検出成績ならびに尿道擦過材料の分離培養成績と尿沈渣からの抗原検出感度の比較検討.Prog. Med. 10: 2959-2963, 1990

4. Yukio Saitou, Takehiko Fujisawa, Toshitaka Ogawa, Norikazu Urabe, Yutaka Yamaguti, and Goro Kimizuka, Morphological rejection phases and cytotoxic activity in peripheral blood lymphocyte, in canine lung allo-transplantation. Jap. J. Surgery. 20: 205-211, 1990

【学会発表】

5. 吉沢花子:C. trachomatis感染症の検査法と問題点.STD 1: 50-51, 1990

6. 中田博一,大曾根義輝,中村和美,塚原優巳,加部一彦,桜井信清,宮坂尚幸,宇田川秀雄,鈴木純行,押尾好浩,村上信乃,鈴木玲子,石橋すい,吉沢花子,橋爪壮:Chlamidia trachomatis感染症における抗クラミジアlaA,lgG抗体の有用性について.STD 1: 77, 1990

7. 中田博一,加部一彦,桜井信清,押尾好浩,村上信乃,鈴木玲子,石橋すい,橋爪壮,山崎勉:Chlamidia trachomatisの母子感染と夫婦間感染について.日本感染症学会抄録集172,1990

8. 西巻富久美,船橋真一,杉本正信,橋爪壮:プラークサイズおよびホストレージを調節するワクチニアウイルス遺伝子の解析:補体結合性タンパク質遺伝子の関与.日本ウイルス学会抄録94,1990

9. 岩谷まり子,古川敦子,鎗田勉,神木弘子,斎藤博子,花輪孝雄,君塚五郎:鉗子生検捺印細胞像により診断し得た胃悪性リンパ腫の4例.日本臨床細胞学会誌29:200,1990

10. 岩谷まり子,古川敦子,鎗田勉,神木弘子,斎藤博子,君塚五郎:肺の腺扁平上皮癌の2例.日本臨床細胞学会誌29:247,1990

11. 君塚五郎,石橋正彦,大和田英美,林豊,山口豊,木村秀樹,大岩孝司,鎗田勉:若年者および高齢者肺癌の病理組織学的比較検討.肺癌30:676,1990

12. 光永伸一郎,柴光年,小高恵美子,山川久美,馬場雅行,山口豊,君塚五郎:硬化性血管腫に関する免疫組織化学的検討.肺癌30:779,1990

【報告書】

13. 橋爪壮:千葉県における1989年度STDサーベイランスの解析.HIV疫学研究班,ハイリスクグループにおけるSTDの実態調査ならびに疫学情報の解析評価に関する研究,1-6,1990

14. 橋爪壮:不妊症女性のクラミジア感染,HIV疫学研究班,ハイリスクグループにおけるSTDの実態調査ならびに疫学情報の解析評価に関する研究,7-12,1990

【総 説】

15. 橋爪壮:クラミジアのDNAプローブ診断:臨床と微生物17:35-39,1990

  (シンポジウム)

16. 橋爪壮,山崎ともみ,菅野治重,久保勢津子:ICU室におけるMRSA汚染調査と対策,第7回東八幡平シンポジウム“院内感染とその対策を考える”(1989)101-109,1990

【研究状況】

橋爪,吉沢らは〔HIV疫学研究班〕のモニタリング部会の一構成研究グループとして〔ハイリスクグループにおける〔STD〕の実態調査ならびに疫学情報の解析評価に関する研究〕グループをお世話すると共に構成員として研究を行っている(8,14,15).吉沢,山崎らは不妊症とクラミジア感染とのかんれんについて調査し,続発性不妊症で特にPID既往の疑われる症例については極めて高い相関を認めた(1,2,7).吉沢らはC. trachomatisのLPS抗原検出キットIDEIAの検討を行い,尿からの抗原検出が尿道擦過材料からの培養成績に匹敵する感度であることを明らかにし,その結果の一部をSTD学会で発表し,雑誌に公表した(3,5,6).白井は昨年に引きつづき不活化インフルエンザワクチンの予防効果についての検討を進めている.

君塚らは〔アスベストの生体影響に関する研究〕班の班員としてハムスターをもちいた実験モデルでアスベストと喫煙の相互作用についての実験を行っている.同時に肺腫瘍の手術例を用いた研究も,病理分野を担当,その成果のいくつかが公表された(4,11,12).また細胞診による診断の可能性や知見の検討を行っている(9,10).院生の梅津は医学部整形外科にて骨粗鬆症予防に関しての運動の効果について共同研究に従事し,その結果運動に加えてカルシウム摂取が重要であることを明らかにした(13).

1989年

【総 説】

1. 君塚五郎,村井嘉寛,北川正信,林豊:石綿と発癌,臨床と病理,7(6):720-728,1989

【原 著】

2. 横山由華,君塚五郎,林豊:タバコ煙の幼若ハムスター気管支上皮に与える影響の実験的研究,千葉医学,65(6):361-366,1989

3. 山崎勉,橋爪壮,吉沢花子,山崎ともみ:chlamydia trachomatis気道感染の診断における抗原検査法について 第1編 気道常在細菌との交叉反応,感染症学雑誌,63(10):1195-1200,1989

4. 鈴木一義,木所稔,吉沢重克,森田迪夫,橋爪壮,岡部信彦,篠崎立彦,堀内清:弱毒生ワクチンTD97株T.ウイルス学的性質と小規模臨床試験,臨床とウイルス,17(2),209-215,1989

【学会発表抄録】

5. 君塚五郎,篠崎克己,林豊:アモサイト―,クリソタイル―アスベスト経気管注入による病変の相違に関する実験的研究,日本病理学会誌,78(総会号):130,1989

6. 斎藤博子,大岩孝司,馬場雅行,柴光年,山川久美,君塚五郎,岡本達也,山口豊:Pneumocystis carinii(PC)虫体の染色法と形態,日本臨床細胞学会雑誌,28(2):192,1989

7. 君塚五郎,篠崎克己,林豊:ハムスターを用いたクリソタイル,アモサイト―アスベストの経気管注入法による繊維の局在と反応の相違に関する実験的研究,肺癌,29(5):518,1989

8. 吉沢花子,橋爪壮:マクロライド系薬剤のMICについて,臨床とウイルス,17(32),1989

9. 山崎勉,黒木春郎,橋爪壮,吉沢花子,山崎ともみ:Chamydia trachomatis気道感染の診断における抗原検査法について,臨床とウイルス,17(32),1989

10. 山崎ともみ,久保勢津子,菅野治重,橋爪壮:ICU室におけるMRSA汚染の調査と対策,第7回東八幡平シンポジウム院内感染とその対策を考える,1989

11. 白井文恵,吉沢花子,山崎ともみ,橋爪壮:吉沢重克,竹内安恵,大出晴康,窪谷弘子:1988年インフルエンザワクチンの予防効果,第37回日本ウイルス学会総会,345,1989

12. 渡辺信夫,堀内清,篠崎立彦,岡部信彦,小林清,那須武,石川広己,東郷知子,鳥羽剛,野本泰正,桜井信清,高山直秀,宮津光伸,窪田義弘,磯村思元,等々力達也,南谷幹夫,橋爪壮,平山宗宏,鈴木一義,加藤昌子,伊藤茂子,斉加志津子,本所稔,伊藤宏,森田迪夫:麻疹,ムンプス,風疹混合生ワクチン臨床接種試験成績,第37回ウイルス学会総会発表,353,1989

【報告書】

13. 君塚五郎ら:アスベストによる発癌に関する研究(主任研究者 北川正信)厚生省がん研究助成金による研究報告集 昭和63年度,国立がんセンター,406-409,1989,8月

14. 「ハイリスクグループにおける性(行為)感染症の研究」主任研究者橋爪壮,昭和63年度厚生省科学研究費補助金(特別事業),1989,3月

【その他】

15. 橋爪壮:わが国におけるSTDの疫学,小児内科,21:1425-1430,1989

16. 橋爪壮:クラミジア感染症,看護MOOK,33:15-30,1989

17. 橋爪壮:新しい臨床検査―進歩する情報への対応―3,Chlamydia感染症―Chlamydia trachomatis―,臨床医15:363-366,1989

18. 橋爪壮:クラミジア感染症の歴史と現況,小児内科21:91-96,1989

19. 橋爪壮:感染症の免疫血清検査,10クラミジア,MEDICAMENT NEWS,1272号14-15,1989

【単行書】

20. 橋爪壮:診断法の基礎(クラミジア感染症),細胞内増殖性菌による最近話題の感染症,副島林造,松本明編:123-134,医薬ジャーナル社,1989

21. 橋爪壮:微生物学第2版,新興交易医書出版部,1989

【講座研究状況】

橋爪,吉沢らは化学療法学会の要請によりクラミジアのMIC測定法の基準化のための分担研究(8)と,昨年度までの厚生省科学研究費によるSTD研究班は,今年度より「HIV疫学研究班」のモニタリング部会の一構成研究グループとして「ハイリスクグループにおけるSTDの実態調査ならびに疫学情報の解析評価に関する研究グループ」として発足し,橋爪が引続きグループのお世話をすることとなった.またWHOのEPI計画に対応し,耐熱性ポリオ生ワクチンの開発研究が要請されており,この研究班の分担研究を引受けることとなった.

山崎は卒業研究で行ったICUにおけるMRSAの調査成績を東八幡平で開かれた「院内感染とその対策を考える」シンポジウムに発表(10),白井はインフルエンザワクチンの予防効果についてウイルス学会で発表(11)した.また山崎は不妊症外来患者のクラミジア感染について,その抗体保有率,抗原検出を行い,これらの成績を修士論文としてまとめる予定にしている.

君塚らはハムスターを実験モデルとしてアスベストと喫煙との相互作用を調べ,発癌との関連が深いことを明らかにし,その一部について報告した(2).また種類の異なるアスベストの生体への影響の違いについても検討中である.厚生省の「アスベストの生体影響に関する研究班」(班長,北川正信)の班員としてその分担研究を行っている(1)(5)(7).また,呼吸器系および消化器系癌の早期診断を目的として細胞診の研究を進めている(6).

1988年

【原 著】

1. Kimizuka, G., Shinozuka, K., Hayashi, Y.: Analysis of the core of ferruginous bodies and the relationship between body type and core characteristics, Acta Pathol. Jpn., 38: 989-1000, 1988

2. 斎藤幸雄,山口豊,藤沢武彦,馬場雅行,山川久美,君塚五郎:肺アスペルギローム切除例の臨床的及び病理学的検討,日本胸部外科学会誌,36:1142-1148,1988

3. 原尻真理,吉沢花子,橋爪壮,板橋光司郎,尾崎陽子,若山曜子:Chlamydia trachomatis感染が妊娠・分娩ならびに出生児に及ぼす影響,感染症学雑誌,62:147-155,1988

4. 吉沢花子,橋爪壮:組織培養法および動物系を用いたTE-031の抗クラミジア活性と他薬剤との比較,Chemotherapy,36(S-3):117-122,1988

【学会発表抄録】

5. 山川久美,馬場雅行,光永伸一郎,柴光年,卜部憲和,藤沢武彦,山口豊,君塚五郎,岡田敏之,大木昌二,堀内文雄:胸腺腫瘍の悪性度評価に関する臨床細胞学的検討,日本臨床細胞学会誌,27:244,1988

6. 君塚五郎:アスベスト汚染と肺癌,日本臨床細胞学会雑誌,27:164,1988

7. 君塚五郎,篠崎克己,林豊:アスベストおよび喫煙の気管支上皮におよぼす影響に関する実験的研究,日本病理学会会誌,77:281,1988

8. 古川敦子,岩谷まり子,鎗田正,鎗田努,君塚五郎:早期胃悪性リンパ腫の3例,日本臨床細胞学会千葉地方会,1988

9. 林豊,笠松紀雄,河野俊彦,大和田英美,長尾啓一,喜屋武邦彦,君塚五郎,源河圭一郎,大野良之,福間誠吾:肺癌例の肺組織の病理学的変化―沖縄の症例における所見―,(日本肺癌学会総会),肺癌,28:671,1988

10. Hashizume, S., Haraziri, M., Yoshizawa, H., Itabashi, K.: Influence of Chlamydia trachomatis infection on pregnancy, outcome, and infants, Proceedings of the European Society for Chlamydia Research, 195, 1988,5月(Bologna, Italy)

11. 橋爪壮:クラミジアの母子感染,臨床ウイルス学会,1988,7月(箱根)

12. 斎藤正好,三好武美,吉沢花子,橋爪壮:放射線全身照射におけるPoly ICLCのInterferon誘発能について,日本ウイルス学会総会,1988,11月(東京)

【その他】

13. Hashizume, S.:Diagnosis of Chlamydial infections, Asian Med. J., 31: 83-86, 1988

14. 橋爪壮:クラミジアの検出法,検査と技術,16:959-964,1988

15. 橋爪壮:クラミジア感染症への対応 序 クラミジア感染症の現況―主として疫学的立場から,Medicament News,1230:16-17,1988

16. 橋爪壮,吉沢花子,原尻真理:62年度厚生省STD研究班報告書

17. 橋爪壮:クラミジア感染症の実態と問題点―健康保険管理者セミナー,1988,6月(東京)

18. 橋爪壮:クラミジア感染症,小児保健セミナー,1988,9月(東京)

19. 橋爪壮:STDとしてのクラミジア感染について,微生物協議会,1988,7月(富山)

【講座研究状況】

橋爪,吉沢らは化学療法学会の要請によりクラミジアのMIC測定法の基準化のための分担研究(班長,札幌医大熊本教授)と,地方衛生研究所を主体として地研協議会の要請に基づきクラミジア抗体価測定の精度管理に関する分担研究(班長,橋爪)および厚生省のSTD研究班(班長,橋爪)の研究を継続している.また第1回ヨーロッパ・クラミジア研究学会に招待を受けたので日本におけるクラミジア研究の現状と,一昨年度来の原尻らの研究について報告をした.本年度より大学院生に山崎が入り,山崎は主として不妊症とクラミジア感染の関係について研究を進めている.

前川らのサイトメガロウイルスの研究を発展させるため,マウスサイトメガロウイルス(MCMV)を感染の実験モデル系としてインターフェロン誘導物質であるPoly ICLCを用いて全身放射線照射処理をしたマウスにおけるMCMVの増殖抑制効果を調べ,興味ある知見をえた.

君塚らはヒトにおける肺癌患者の肺に含まれるアスベストの種類について調べ,さらにハムスターを実験モデルとしてアスベストと喫煙との相互作用を調べ,発癌との関連が深いことを明らかにし,その一部について報告した.本年より厚生省のアスベストの生体影響に関する研究班(班長,北川正信)員としてその分担研究を行っている.また呼吸器系および消火器系癌の早期診断を目的として細胞診の研究を進めている.

1987年

【原 著】

1. Takahashi-Nishimaki, F., Suzuki, K., Morita, M., Maruyama, T., Miki, K., Hashizume, S., Sugimoto, M.: Genetic analysis of vaccinia virus Lister strain and its attenuated mutant LC16m8: Production of intermediate variants by homologous recombination. J. gen. Virol. 68: 2705-2710, 1987

2. 吉沢花子,原尻真理,橋爪 壮:C. trachomatis感染症の血清診断におけるIgAの意義,感染症学雑誌,61:893-899,1987

3. 計良恵治,堀内文男,武田 敏,椎名義雄,橋爪 壮,吉沢花子:Chlamydia感染症の形態学的研究―1.Chlamydia感染培養細胞の超微形態―,日本臨床細胞学会雑誌,26:49-56,1987

4. Kimizuka, G., Ohwada, H., Hayashi, Y.: Co-caricinogenic effect of asbestos and benzo-α-pyrene in the lung of hamster. Acta Pathol. Jpn., 37: 465-474, 1987

5. Kimizuka, G., Wang, N-S., Hayashi, Y.: Physical and microchemical alterations of chrysotile and amosite asbestos in the hamster lung., J. Toxicol. Environ. Health, 21: 251-264, 1987

6. 鎗田 正,八巻悟郎,鎗田 努,鈴木英典,板倉光敬:胃潰瘍性病変のX線学的鑑別について,市原市医師会雑誌,3:71-87,1987

7. 吉沢花子,橋爪 壮:動物系を用いた抗生物質の抗Chlamydia活性の比較,感染症学雑誌,61:995,1987

8. 原尻真理,吉沢花子,橋爪 壮:C. trachomatisの母子感染の診断におけるIgA抗体の意義,臨床とウイルス,15:441-442,1987

9. 君塚五郎,篠崎克巳,笠松紀雄,林  豊:含鉄小体の中心繊維の電子分析,日本病理学会会誌,76:186,1987

10. 君塚五郎,篠崎克巳,林  豊,海老原勇:肺の鉱物粒子―アスベストをあつかう労働者について―,肺癌,27:605,1987

11. 長竹直美,吉田康秀,君塚五郎:気管支擦過細胞診により含鉄小体をけんしゅつしたAsbestosisの1例,千葉医学会誌,63:366,1987

12. 中田 暁,加藤邦彦,山口哲正,君塚五郎:化学療法後のNadirに呼吸不全を併発して死亡した肺小細胞癌症例からの検討,千葉医学会誌,63:369,1987

【その他】

13. 橋本 壮,森田迪夫,高橋富久美:ワクチニアベクターワクチン,日本臨床,45:2333-2341,1987

14. 橋本 壮:クラミジア感染症,臨床と病理,5:1029-1033,1987

15. 橋本 壮:確定診断に必要な臨床検査(侮れないクラミジア感染症),Modern Medicine,16:35-40,1987

16. 橋本 壮:本邦におけるクラミジア感染症研究の現状,感染症,6:201-207,1987

17. 橋本 壮:Chlamydia trachomatis感染症の臨床検査,感染症,6:209-212,1987

18. 橋本 壮:エイズとSTDのはなし,日本家族計画協会,東京,1987

19. 橋本 壮:クラミジア,ヘルペス,メディコピア16(風族病―その背景,STDを考える),P57-73,富士レビオ,東京,1987

【講座研究状況】

昨年に引き続き,吉沢らはマクロライド系,テトラサイクリン系薬剤のC. trachomatisに対する(MIC)の測定をMcCoy,HeLa229,Vero細胞を用いて行なった結果,マクロライド系の薬剤では測定系に用いる使用細胞により,かなり差が見られる興味ある知見をえている.なおMICの測定法については標準化を計る必要があり,63年度より化学療法学会の依託を受け,他の5機関と協同して検討を行なうことになっている.原尻らはクラミジア感染の妊婦に対する影響を明らかにするため,昨年来の研究を続けるとともに,不妊症症例について抗体検査を行なっている.本年度よりクラミジア抗体測定法の基準化を目的として,厚生省の科学研究費により,「クラミジア抗体測定の精神管理」に関する研究班が発足した.

62年4月に着任した君塚はアスベストの発癌に対する影響を検討する目的で,ハムスターを実験モデル系とした,これまでの研究を継続発展させている.

本年度は3名の学生の卒業研究希望があり,岩崎淳子は神経内科病棟における尿道留置カテーテルの細菌汚染状況の調査を,山崎ともみはICUのMRSA(メチシリン耐性ブドウ球菌)の環境汚染調査と感染源調査を行なっている.また横山由華はタバコの煙の影響をマウス系を用いて実験的研究を行なっている.

1986年

【原 著】

1. 加藤直樹,坂 義人,西浦常雄,熊本悦明,橋爪 壮,小島弘敬,斎藤 功,長田尚夫,野口昌良,中野 博:Chlamydia trachomatis感染症診断試薬としてのChlamydiazymeTMの有用性―尿路性器感染症における検討―,感染症学雑誌,60:378-386,1986

2. 吉沢花子,前川朱美,橋爪 壮,大谷かおる,村上真乃:エンザイムイムノアッセイ法による淋菌感染症の診断,臨床検査,30:191-193,1986

3. 吉沢花子,原尻真理,橋爪 壮,大谷かおる,村上信乃:Chlamydiazymeを用いたChlamydia trachomatis尿路性器感染症からの抗原検出,臨床とウイルス,14:313-317,1986

【学会発表】

4. 吉沢花子,原尻真理,橋爪 壮:クラミジア感染症におけるIgA抗体の意義,第4回クラミジア研究会

5. 吉沢花子,原尻真理,前川朱美,橋本裕恵,橋爪 壮:動物系を用いた抗生物質効力の検討,第4回クラミジア研究会

6. 吉沢花子,原尻真理,橋爪 壮:動物系を用いた抗生物質の抗クラミジア活性の比較,第35回日本感染症学会東日本地方会総会

7. 吉沢花子,原尻真理,前川朱美,橋爪 壮:クラミジア感染症におけるIgA抗体の意義,第17回日本小児ウイルス病研究会

8. 前川朱美,吉沢花子,橋爪 壮,斎藤正好,三好武美:骨髄移植後のマウスサイトメガロウイルス感染モデル,第34回日本ウイルス学会総会

9. 中村宣生,菅野 勇:乳腺に発生した“adenomyoepithelioma”の一例,日病会誌,75補冊:93,1986

【報告書】

10. 橋爪 壮,大田原美作雄,市村 博,北山秋雄,加藤恒生,徳永 勁:千葉県における予防接種の接種状況(1984),予防接種副反応の軽減化と後遺症患者の社会復帰に関する研究報告書,82-83,厚生省予防接種研究班

11. 橋爪 壮,大田原美作雄,市村 博:千葉市における予防接種の実際,予防接種副反応の軽減化と後遺症患者の社会復帰に関する研究報告書,84,厚生省予防接種研究班

【その他】

13. 橋爪 壮:クラミジア(C. trachomatis)感染症とその臨床検査,千臨技会誌,37:41-46,1986

14. 橋爪 壮:クラミジア感染診断,日本医師会雑誌,96:1888-1890,1986

15. 橋爪 壮:クラミジアに関する最近の進歩,皮膚科MOOK(4),金原出版,pp144-150,1986

【講座研究状況】

クラミジア研究グループ(橋爪,吉沢,原尻)は1)各種抗生物質のクラミジアの標準株ならびに分離株に対するMICの測定を行い,あわせてマクロライド系薬剤のように,生体内で不活性の物質に変換しやすい薬剤では,細胞系を用いたin vitroにおけるMICの測定だけでなく,マウス,ラットを用いて,投与後,経時的に血液および,肺をどの組織中に含まれる抗菌活性を測定する必要のあることを明らかにした(5,6).2)前年に引続き抗原検出キットとして酵素抗体法をもちいたChlamydiazymeが特異性,感度の点で,モノクローナル蛍光抗体を用いた方法と同様に信頼できる方法であることを確認した(1,3).3)イスラエルのSarovらはクラミジア,ヘルペス,サイトメガロウイルス感染の診断に従来全く注目されていなかった血中IgA抗体の重要性を示唆する成績を発表しており,我々もこの追試をサルの感染実験,乳児肺炎例,非淋菌性尿道炎患者で試み,間接酵素抗体法を応用したIpazymeで抗体を測定する場合,クラミジア感染症では彼等の成績を書付ける成績を得ることができ,クラミジアのactive infectionの良い指標になり,血液診断法として極めて優れていることを確認した(4,7).5)川鉄病院産婦人科,小児科,眼科の協力を得て,クラミジアの母児感染の調査を行い,クラミジア感染が流産,のほか切迫仮死,前置胎盤をどの異常分娩にも関係する可能性を示唆する成績を得て,これらの成績は原尻の修士論文としてまとめられた.

サイトメガロウイルス研究は前川らにより引続き進められ,サイトメガロウイルスの骨髄移植の際,サイトメガロウイルス感染がどのように影響するかをしるモデル実験系として役立つことを明らかにした(8).

中村は乳腺腫瘍について酵素抗体法を用いた免疫組織学的検索を行い,adenomyoepitheliomaの特徴を明らかにした(9).また,研究生の武田と共に褥瘡宇発生の基礎研究としてウサギ皮下に,チタン,セラミックなどを埋め,組織反応を検索している.

1985年

【原 著】

1. 吉沢花子,橋爪 壮,藤田秀雄:Chlamydia trachomatisの分離培養法の検討と分離成績,臨床とウイルス,13(2):247-252,1985

2. 村上信乃,五十嵐辰男,高原正伸,山西友典,大谷かおる,吉沢花子,橋爪 壮:非淋菌性尿道炎の臨床的検討,泌尿紀要,31(11):1965-1969,1985

3. 西浦常雄,加藤直樹,熊本悦明,橋爪 壮,村上信乃,斉藤 功,小島弘敬,長田尚夫,中村正夫,中野 博:Chemotherapy: 33(8), 712-725, 1985

4. Masanobu Sugimoto, Atsushi Yasuda, Keizaburo Miki, Michio Morita, Kazuyoshi Suzuki, Nobuyuki Uchiba, So Hashizume: Gene structures of low-neuro-virulent vaccinia virus LC 16m 0, LC 16m 8, and their Lister Original (LO) strains. Microbiol. lmmunol. 29 (5): 421-428, 1985

5. So Hashizume, Hanako Yoshizawa, Michio Morita, Kazuyoshi Suzuki: Properties of attenuated mutant of vaccinia virus, LC 16m 8, derived from Lister strain. In Vaccinia Viruses as Vectors for Vaccine Antigens. p87-99, Ed. Quinnan, Jr. G. V. Elsvier, New York, Amsterdam, Oxford. 1985

6. 鈴木一義,丸山典彦,木所 稔,斉加志津子,吉沢重克,森田迪夫,大井 清,橋爪 壮,堀内 清,岡部信彦,篠崎立彦:弱毒生麻疹ワクチン開発に関する研究 1. 田辺およびEdmonston株からのワクチン株の作出との生物学的性状,臨床とウイルス,13(1):102-112,1985

【学会報告】

7. 吉沢花子,橋爪 壮,佐藤好範:1才6カ月の間質性肺炎児からのC. trachomatisの分離例:臨床とウイルス,13(1):122,1985(第2回クラミジア研究会,84.6)y

8. 吉沢花子,橋爪 壮,森田迪夫,斉加志津子:臍帯血及び小児科領域血清のクラミジアトラコマーチス抗体の測定,第3回クラミジア研究会

9. 橋爪 壮,吉沢花子,板橋光司郎:我が国の妊婦,臍帯血および小児のC. trachomatisに対する抗体保有状況,第34回日本感染症学会東日本地方会総会シンポジウム垂直感染の立場からみたSTDの問題

10. 安田幹司,森田迪夫,鈴木一義,小林広茂,渡辺邦子,中山和子,後藤浩之,橋爪 壮,杉本正信:弱毒ワクチニアウイルスLC 16m 8,LC 16m 0をベクターとするB型肝炎組換えワクチン 1. 組換えワクチニアウイルスの作製,第33回日本ウイルス学会総会

11. 森田迪夫,鈴木一義,安田幹司,小島朝人,杉本正信,橋爪 壮:弱毒ワクチニアウイルスLC 16m 0,LC 16m 8株をベクターとするB型肝炎組換え生ワクチン 2. 組換えワクチニアウイルスの神経病原性と免疫原性,第33回日本ウイルス学会総会

12. 杉本正信,安田幹司,森田迪夫,鈴木一義,橋爪 壮:弱毒ワクチニアウイルスLC 16m 0LC 16m 8および親株リスター(LO)の遺伝子構造の解析,第33回日本ウイルス学会総会

13. 中村宣生,広岡 昇,岩崎 勇:脾過誤腫の2剖検例,日病会誌,74,227,1985

【報告書】

14. 赤尾頼幸,芦原義守,福士秀人,萩原敏且,橋爪 壮,平井克哉,加藤直樹,三宅恭司,沼崎 啓,高島郁夫:クラミジア検査法,厚生省:クラミジア感染症研究班,1985

15. 橋爪 壮,吉沢花子:モノクローナル抗体を用いたC. trachomatis抗原検出法の検討,および臍帯血中の抗体保有率について,研究報告書:クラミジア感染症の実験室内診断法の確立およびその疫学的研究,p17-21,厚生省【クラミジア感染症研究班】1985

【その他】

16. 杉本正信,安田幹司,森田迪夫,橋爪 壮:ワクチニアウイルスをベクターとしたワクチン―組換えウイルス(recombinant virus, RV)ワクチン―の開発,臨床とウイルス,13(3):279-285,1985

17. 橋爪 壮:ワクチニアウイルスをベクターとした組替え弱毒生ワクチンの試み:千葉医学,61(1):10,1985

18. 橋爪 壮:クラミジア感染症,SRL宝函,9(3):1-5,1985

19. 橋爪 壮:クラミジア(C. trachomatis)による婦人科疾患,日母医報,10-11,Dec. 1985

【講座研究状況】

斉藤らのサイトメガロウイルス感染症の研究を引き継ぎ,前川(研究科学生)は小児科,放射線科と共同して骨髄移植時のサイトメガロウイルス感染の影響を調べる目的で,マウスサイトメガロウイルスを用いてマウス系でこの研究を行い。修士論文をまとめている(橋爪指導).

橋本(研究科学生)は妊娠初期における飲酒の影響を調べる目的で,マウス系を用いて実験を行い,アルコール投与による奇形発生,胎仔の吸収,胎仔の発育に対する影響などを調べ,修士論文をまとめている(中村指導).

橋爪,吉沢,原尻(研究科学生)らはEIA法を用いたクラミジア抗原検出法(CHLAMYDIAZYME)の検討を行い,この方法が分離培養法に匹敵する方法であることを報告した.また川鉄病院の産婦人科,小児科,眼科の協力をえて,クラミジア・トラコマーチスの母児感染の実体を明らかにするため,妊婦からのクラミジア分離,あるいは抗原検出ならびに抗体検査,臍帯血の抗体調査を行い,これらの検査陽性者から出生した新生児についてクラミジア感染の有無のフォローアップを行っている.またクラミジア感染時のIgA抗体の診断的意義を明らかにする研究を続けている.

吉沢はこれまで分離されたクラミジア株に対するテトラサイクリン系薬剤,マクロライド系薬剤のMICを測定するとともに,マウスを用いて経時的に血中の有効濃度を測定し,テトラサイクリン系とマクロライド系の作用の差について検討を行っている.

中村は腫瘍形態学の研究なんらびに本年度設置された褥瘡発生装置による予備実験を行なっている.

1984年

【学会発表抄録】

1. 吉沢花子,橋爪 壮,佐藤好範:1歳6カ月の間質性肺炎児からC. trachomatisの分離例,第2回クラミジア研究会

2 橋爪 壮,吉沢花子:性病科を受診する成人女子のクラミジア抗体(EIA)保有率と頸管からのC. trachomatisの分離率,第32回日本化学療法学会総会

3. 橋爪 壮:クラミジアの細菌学,第51回日本細菌学会関東支部総会

4. 佐藤武幸,斎藤ゆみ,沖本由理,中島博徳,橋爪 壮:Fever and respiratory symptoms induced by cytomegalovirus in childhood acute lymphoblastic leukemia at remission induction and CNS prophylaxis phase,第6回国際ウイルス学会

5. 斎藤ゆみ,吉沢花子,橋爪 壮:小児病棟における院内感染源としてのサイトメガロウイルスに対する一考察,日看科会誌,4:73-74,1984

6. 小池みどり,中村宣生,武田利明:褥瘡発生の実験的研究(第3報)―緑濃菌感染の影響について,日病会誌,73:172,1984

7. 小池みどり,中村宣夫:脊髄切断ウサギにおける褥瘡発生の研究―緑濃菌感染の影響について,日看科会誌,4:67-68,1984

【その他】

8. 橋爪 壮:クラミジアの細菌学,STD―病因・診断・治療―,臨床と細菌,近代出版,(臨時増刊):55-61,1984

9. 橋爪 壮:眼科領域におけるクラミジア感染症,ウイルス眼炎会誌,83:1-3,1984

10. 橋爪 壮:クラミジア感染症,Clinical Laboratory, 36: 21-24, 1984

11. 橋爪 壮:クラミジアとクラミジア感染症,医学のあゆみ,131:143-144,1984

【講座研究状況】

1983年度にひき続き橋爪,吉沢らは日本におけるC. trachomatis感染の実体を把握する目的で,性病科を訪れる非淋菌性尿道炎患者,頸管炎患者,および一般産婦人科の頸管炎患者ならびに妊娠末期女性の頸管からの分離培養を行なうとともに,これらの人達および対照として健康な女性大学生のクラミジアに対する抗体価をELISA法と間接蛍光抗体法を用いて測定し,分離率でも,抗体保有率から見ても欧米の状況と良く一致する成績を得た.これらの成績は本年6月に聞かれた第32回日本化学療法学会のシンポジウムで報告し,多大の反響を受けた.(2) また培養法より簡便な検査法として,米国で開発された単クローン抗体を用いて,直接粘膜細胞の塗抹標本中の抗原検出法の検討を行ない培養法に匹敵する感度と特異性をもつことを明らかにした.

斎藤は千葉大小児科の佐藤武幸らの協力を得て,急性白血病患児の治療期に見られる不明熱と呼吸器症状の原因として,サイトメガロウイルスが関与していることを明らかにし,修士論文として提出し,第6回国際ウイルス学会にも報告した.(4) 更に一般入院患児病棟の患児の約30%がこのウイルスを排せつしていることを照明し,このウイルスがこれまで言われているよりも自然環境で予想外に感染性を保つことを明らかにし,院内感染の危険性を示唆する成績をえた.(5) 現在これらの分離ウイルスのDNA解析を行ない院内感染の有無について研究をすすめている.

小池は中村の指導によりウサギの実験モデルにより,褥瘡形成が緑濃菌感染によりどのように修飾されるかを調べ,その病理組織像の経時的変化を追及し,また蛍光抗体法を用い,菌の増殖侵襲の状況を明らかにし,修士論文とし,第4回日本看護科学学会に報告した.(7)

1983年

【原 著】

1. 高橋富久美,吉沢花子,橋爪 壯:Chlamydia trachomatisの分離培養に際しての遠心吸着条件の検討,ウイルス,33(2):123−129,1983

2. 吉沢花子,橋爪 壯:不活化インフルエンザHAワクチンの接種間隔の検討第2報,免疫効果と持続について,千大看紀要,(5):13−20,1983

【報告書】

3. 橋爪 壯:千葉市小児科医会:ムンプスワクチンの副作用調整,予防接種による副反応の発生要因及び診断・治療に関する研究報告書(予防接種研究班):180−181,1983

【学会発表抄録,その他】

4. 中村宣生,小池みどり,武田利明:褥瘡発生の実験的研究(第2報)−褥瘡発生過程の組織学的研究−,日病会誌,72:170,1983

5. 中村哲雄,井上駿一,松井宜夫,遠藤富士乗,丹野隆明,中村宣生,長尾孝一,松嵜 理:診断困難であったjuvenile malignant Schwanomaの1例,第16回骨軟部腫瘍研究会抄録誌:117,1983

6. 橋爪 壯,吉沢花子:C.trachomatis分離の基礎的条件の検討,第1回クラミジア研究会:1983

7. 斉藤ゆみ,橋爪 壯,佐藤武幸,沖本由理,中島博徳:ALL寛解導入治療期にみられる不明熱および呼吸器症状とサイトメガロウイルス感染の関係について,第14回日本小児ウイルス病研究会抄録誌:41,1983

8. 橋爪 壯:風邪とけが−予防接種の重要性とその効果−,健康保険,37(2):48〜52,1983

9. 橋爪 壯:トラコーマクラミジアとその感染症,江東微研ジャーナル友,6(3):54−57,1983

【単行書】

橋爪 壯:微生物学(現代看護学基礎講座7),真興交易医書出版部,初版,1983

【講座研究状況】

吉沢,橋爪はC.trachomatisの患者材料からの分離および患者(非淋菌性尿道炎および頸管炎)ならびに健康成人の抗体測定を行い,日本におけるクラミジア感染が欧米における頻度とほぼ同程度であることを明らかにした.

また,斉藤は急性リンパ性白血病患者の電解導入治療期に見られる不明熱および呼吸器症状の原因がサイトメガロウイルスの感染あるいは再活性化に起因していることを明らかにした.

中村,小池らはウサギを用いて実験的に褥瘡をつくらせ,武田らが行った感染のない褥瘡発生と比較し,細菌感染,特に線膿菌感染のある場合,褥瘡形成にどのような影響が見られるかを病理組織学的に検討を行っている.

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1982年

【その他】

1. 橋爪 壯:ワクチンの改良について,臨床とウイルス,10:50〜51,1982

2. 吉沢花子,橋爪 壯:インフルエンザワクチンの接種間隔による抗体上昇の比較および副作用に関する研究,予防接種による副反応の発生要因及び診断,治療に関する研究(予防接種研究班)報告書:231〜232,1982

3. 伊予 亨,忍足美代子,勝俣剛志,木屋和見,益子和夫,森 朋子,山本昌夫,湯本 譲,橋爪 壯:新DPTワクチンの副作用発現頻度の調査,予防接種研究班昭和57年度報告書:189〜192,1982

4. 鈴木一義,森田迪夫,吉沢重克,橋爪 壯:麻疹ウイルス田辺株からのヒト神経癌細肥非増殖性ウイルスの作出,第30回日本ウイルス学会抄録誌:1040,1982

5. 武田利明,中村宣生:褥瘡発生の実験的研究(第1報)−ウサギ皮膚の血管構築について−,日病会誌,71:393−394,1982

6. 武田利明,中村宣生:褥瘡発生の実験的研究−脊髄切断ウサギの褥瘡発生に及ぼす栄養低下ならびに副腎皮質ホルモンの影響について−,日看科会誌,2:46〜47,1982

【単行書】

中村宣生:血液,造血器系の疾患,消化器系の疾患,神経系の疾患(現代看護学基礎講座6病理学:林 豊編),真興交易医書出版部,初版:191−209,256〜271,319〜327,1982

1980年

【原 著】

1. 吉沢花子,高橋富久美,橋爪 壯:不活化インフルエンザHAワクチンの接種間隔の検討,千葉大学看護学部紀要,3:1−7,1981

【その他】

2. 二木むつ,中村泰久,中村宣生,千葉胤道:Rentinal Dysplasiaの1例,日本眼科紀要,31:1007−1015,1980

3. 山路正文,堀江 弘,岩崎 勇,井出源四郎,中村宣生:閉塞性黄疸に於ける肝線維化と肝静脈系の走行の変化について,日本病理学会会誌,69:373,1981

4. 川名昌子,橋爪 壯,久保勢津子,大島裕子,小林章男:ネブライザーの細菌汚染状況,感染症学雑誌,55:193,1981

【単行書】

橋爪 壯他:看護のための臨床医学大系13,感染・免疫系,初版:165−195,情報開発研究所,1980

橋爪 壯:近年における日本のウイルスワクチンの歩み,(微生物学のめざすもの):80−86,福見秀雄先生退官記念会,1980

橋爪 壯他:標準微生物学,初版:238−244,医学書院,1981

【原著抄録及び講座研究状況】

インフルエンザワクチンはわが国では広く用いられており,行政指導により4週間間隔の接種が望ましいとされている.しかし接種間隔についての基礎的データーが未だにない.吉沢らは,(a)2週間間隔と4週間間隔接種による抗体上昇の状況を調査し,抗体上昇の面からは2週間と4週間の間隔に差が見られない.(b)HAワクチンでは,エーテル処理に対するウイルス株の感受性の差によると考えられるが,株により抗体上昇速度に著しい差があることを報告した.(1)

川名,橋爪らは「ネブライザーの細菌汚染状況」(1980)(4)「病院内水道蛇口の把手,孔の汚染状況について」(1981)を日本感染症学会に報告した.前者は近年院内感染原因菌として重視されているブドウ糖非発酵性グラム陰性菌(NFR)によるネブライザーの汚染が予想外に高い現状とその対策につき報告し,後者では(a)NFRおよび腸内細菌の水道蛇口の把手,孔の汚染状況,(b)患者から多剤耐性菌の検出率の高い病棟の水道栓,特に汚物処理室の水道栓把手から,4剤以上の多剤耐性菌の検出頻度が高いこと,(c)同病棟の付添人などの手指からも同一菌種の分離が見られ,手指を介する伝播経路のありうること,(d)環境から分離される菌は,室内環境でかなり長時間生残し,蒸溜水中でも長時間生存もしくは増殖が見られることを報告した.

吉沢らはすでにSSPE北研1株から細胞外ウイルス産生変異株を樹立した(1979年ウイルス学会報告)が,この株を利用し,(a)SSPEが温度感受性株であること,(b)細胞外ウイルス産生の悪いあるいはないSSPEウイルス株も,インターフェロンに感受性があること,(c)これらの株は,これまで多くの報告に見られる増殖が良く細胞外ウイルス産生の良いウイルス株と異なり,IFNの抑制効果が比較的長時間見られることを,1981年度ウイルス学会に報告した.

1978年

1. 奥野良臣,橋爪 壯,近藤 昭,福見秀雄,大谷 明,多々谷勇,高橋理明,加地正郎:ウイルス病の予防・治療に関する研究の歩み,ウイルス,28:73−83,1978.

2. 橋爪 壯:組織培養におけるマイコプラスマの検出と除去,組織培養,4:294−297,1978.

3. 中村宣生,井出源四郎,笠井妥悛:腎糸球体Bowman嚢上皮の“adenomatoid transformation”を伴なった悪性褐色細胞腫の一部検例,日本臨牀,36:3038−3041,1978.

4. 中村宣生,野口武英,秋草文四郎,井出源四郎:後腹膜に発生したMalignant Fibrous Histiocytomaの2例,日本病理学会会誌,67:382,1978.

5. WAKISAKA,M.,NAKAMURA,N.,AKIYA,T.and SHIMAZAKI,J.:Retroperitoneal myxoid variant of malignant fibrous histiocytoma:Report of a case,J.Urology,120:760−761,1978.

6. 鳥羽 剛,中村宣生,岡本達也,林 竜哉:小児の感染症(小児科Mook No.1)「Pneumocystis carinii肺炎」88−105,金原出版,1978.