論文・著書・発表

2005年

【原 著】

1.Machida H., Nakajima S., Shikano N., Nishio J., Okada S., Asayama M., Shirai M. & Kubota N.: Heat shock protein 90 inhibitor 17-allylamino-17-demethoxy- geldanamycin potentiates the radiation response of tumor cells grown as monolayer cultures and spheroids by inducing apoptosis. Can Sci , 96(2),911‐917, 2005.

【学会発表抄録】

2.小川俊子,加藤ひろ子,藤平富子,石持道雄,三浦君代,廣井あかね,中西登喜子,鈴木佳代子,佐藤友美,瀬田祐美子,政次富美子,岡田忍,鈴木明子,西尾淳子:望ましい手洗い方法の前後に視覚的評価を併用することによる手洗いの対する意識の変化について.環境感染,20(1),109,2005.

3.小長谷百絵,岡田忍,水野敏子,西尾淳子,山脇正永:在宅における気管内吸引チューブの管理方法について.環境感染,20(1),161,2005.

4.岡田忍,西尾淳子,金子記代,佐原理恵,藤井希理子,松尾知佳,山越明菜,鈴木明子,佐藤武幸:訪問入浴サービスにおける在宅における交差感染の可能性について.環境感染,20(1),192,2005.

5.岡本有子,岡田忍,石垣和子,山本則子:高齢者訪問看護における家族支援の質評価に関する指標開発.家族看護学研究,11(2),58,2005.

6.岡田忍,西尾淳子,富樫亮文:尿を酸性にすることの意義に関する実験的検討.日本看護技術学会第4回学術集会講演抄録集,85,2005.

【その他】

7.高橋美央,鈴木明子:速乾式手指消毒剤の効果的な1回使用量の検討.第19回千葉県院内感染研究会,2005.

【単行書】

8.岡田忍:第6章感染と人体防御機構:看護の視点.北村聖,仙波純一,松尾ミヨ子(編集) 疾病の成り立ちと回復の促進.放送大学教育振興会,90‐115,2005.

【研究状況】

本研究分野では,感染源や感染経路,宿主といった多角的な観点から感染防止に関する研究を行っている.今年度は,感染源の伝播防止に関しては,手洗い方法の教育に関する研究(2)および速乾式手指消毒剤の効果的な1回使用量について(7)報告を行った.感染を受ける宿主側に対するアプローチとしては,尿路感染の予防として尿を酸性に保つことの意義について実験的に検討した結果を学会発表した(6).宿主の感染防止に関しては,皮膚を健康に保つこと,すなわちスキンケアも重要であり,高齢者のスキンケアを行う際に必要となる基礎的なデータを得ることを目的に花王との共同研究を行った.現在報告書を作成中である.スキンケアについては,COEプロジェクトの一環として岡田が病院管理システムの永野らと日本の文化的背景を踏まえたスキンケア方法に関する研究を行っており,その成果は第3回国際シンポジウムで発表予定である.また,在宅での感染防止対策についても継続して取り組んでいる(2,3).在宅における気管内吸引カテーテルの管理方法については,今までのカテーテル等の細菌学的な検査に加え,汚染模擬痰を用いて実験的に吸引後の洗浄方法などについて検討を行っている.在宅においては,ペット飼育に関連する感染症やアレルギー性疾患を発症する可能性があり,このテーマに関して岡田は平成17年度の科学研究費を獲得した.今年度は主に採取した試料中の微生物を遺伝子学的な手法で同定するための実験環境の整備,質問紙の作成を行った.岡田は訪問看護の石垣,山本らの「高齢者訪問看護の質評価指標の作成」の研究分担者(5)として,清潔と感染防止についての質評価指標を作成した.

この他,西尾,岡田は茨城県立医療大学の町田らとheat shock protein 90のinhibitorである17AAGの放射線増感作用に関する研究を行った(1).

2004年

【学会発表抄録】

1.鈴木明子,秋葉菜生,西尾淳子,岡田忍,渡邊正治,久保勢津子,古山信明:効果的な手洗い方法−洗い残しに関する研究第1報.環境感染,19(1),242,2004.

2.秋葉菜生,鈴木明子,西尾淳子,岡田忍,渡邊正治,久保勢津子,古山信明:効果的な手洗い方法−洗い残しに関する研究第2報.環境感染,19(1),242,2004.

3.中村恵美,藤田美紀,岡田忍:乳酸菌飲料によるbacterial translocation の防止に関する実験的研究.日本看護技術学会第3回学術集会講演抄録集101,2004.

【その他】

4.岡田忍:看護過程レクチャー 栄養代謝機能障害のある患者の看護 肝機能および肝機能障害の理解;機能のメカニズムとその障害.クリニカルスタディ 25(3),164-170,2004.

5.星山早苗,鈴木明子:在宅難病患者の感染防止対策.難病と在宅ケア,9(12),49−52,2004.

6.高橋美央,鈴木明子:速乾式手指消毒剤の効果的な1回使用量の検討(中間報告)第18回千葉県院内感染研究会

【単行書】

7.岡田忍:第2章病態症候論 4.浮腫 5.倦怠感.ナーシング・グラフィカ3 疾病の成り立ち 臨床病理・病態学 山内豊明(編集),メディカ出版,pp124-133,2004

【研究状況】

本研究分野では,感染源や感染経路,宿主といった多角的な観点から感染防止に関する研究を行っている.今年度は,感染源の伝播防止に関しては,効果的な手洗い方法と洗い残しについて(1,2),および速乾式手指消毒剤の効果的な1回使用量について(6)報告を行った.今後手指衛生は,速乾性擦式手指消毒剤を用いた衛生的手洗いが主流になっていくことが予測され,さらに検討を続ける予定である.感染を受ける宿主側に対するアプローチとしては,看護との関わりが深いと考えられる栄養と免疫の関係に着目し,化学療法と低栄養によっておこる消化管粘膜バリアの傷害に対する乳酸菌飲料の防止効果について,実験的研究を行った(3).宿主の感染防止に関しては,皮膚を健康に保つことも重要であり,高齢者の皮膚ケアを行う際に必要となる基礎的なデータを得ることを目的に,花王との共同研究を開始した.また,医療依存度の高い在宅療養者の増加を視野に入れて,在宅での感染防止対策についても取り組んでいる(5).現在は人工呼吸器を使用している在宅療養者における吸引チューブの管理方法,および訪問入浴サービスにおける交差感染の可能性についても研究を進めている.

2003年

【原 著】

1.Okeda, R.,Chen, Q., Meng, JS., Okada, S., Tajima, T., Meng, YH., and Kuroiwa, T.: Influence of experimental chronic hypertension on the cerebral and renal arteries of wild cats. Neuropathol, 23, 188−194, 2003.

【学会発表抄録】

2.岡田忍,松永幸子,長谷川三恵,西尾淳子,鈴木明子,小池和子:訪問入浴サービスにおける感染防止−利用者褥瘡とスタッフ鼻腔からの分離菌について−.環境感染,18(1),168,2003.

3.平野明博,中野俊介,七々木潤,西尾淳子,鈴木明子,岡田忍:看護学生における麻疹,風疹の抗体保有状況と抗体測定実習の教育的効果について.環境感染,18(1), 195,2003.

4.鈴木明子:看護教育と看護師のsub-culture.第23回日看科会講演集,205,2003.

【その他】

5.窪田宜夫,町田光,岡田忍:DNA修復阻害による放射線増感.日本放射線腫瘍学会誌,15,1−7,2003.

【研究状況】

本研究分野では,感染防止対策の対象を院内から在宅に広げ,その中でも特に感染伝播の可能性が高いと推測される訪問入浴サービスにおける感染防止対策に取り組んでいる.今年度は,訪問入浴サービス利用者の褥瘡とスタッフの鼻腔内から分離された細菌の薬剤耐性パターンから,訪問入浴サービスにおける交差感染の可能性について発表した(2).現在も対象を広げ,引き続き研究を継続している.

院内感染の防止については,鈴木が千葉大学医学部附属病院Infection Control Teamの活動をもとに,看護師の手洗い行動についての学際的な研究を発表した(4).さらに,手洗いの具体的な方法についても,発表予定である.また,将来の医療従事者である看護学生の麻疹,風疹抗体の保有状況を調査するとともに,学内実習で自身の風疹抗体価を測定し,この実習が抗体の重要性に対する認識に及ぼす教育的効果について検討し,学会発表した(3).今年度はこれらの感染症と接する機会の多い産科・小児科職員についての調査を進めている.感染防止には,感染を受ける宿主側の要因も重要であるが,その中でも特に看護との関わりが深いと考えられる栄養状態と免疫の関係に着目し、化学療法による免疫系や消化管粘膜バリアの傷害に対する栄養状態の影響についても検討中である.

この他,岡田らは慢性高血圧のネコの脳および腎血管の変化についての論文(1)とDNA修復阻害による放射線増感についての総説(5)をまとめた.

2002年

【原 著】

1.岡田忍,西尾淳子,木幡暁子,福元恵,丹下真希,鈴木明子,吉澤花子:ネブライザーにおける使用液とその保存条件およびネブライザー本体の管理方法に関する実験的研究.千大看紀要 24, 31-36, 2002.

【学会発表抄録】

2.岡田忍,小川俊子,西尾淳子,鈴木明子,小池和子:訪問入浴サービスにおける感染防止対策.環境感染,17, 105, 2002.

3.鈴木明子,久保悦子,久保勢津子,古山信明,吉田千文,西尾淳子,岡田忍,菅野治重:院内感染対策における病院清掃業務の改善.環境感染,17, 110, 2002.

4.斉藤静子,西尾淳子,鈴木明子,岡田忍:低栄養状態がX線照射による免疫系臓器の傷害に及ぼす影響について.第6回北日本看護学会学術集会プログラム・抄録集, 123, 2002.

5.岡田忍:基礎教育と臨床現場の連携−専門基礎科目の教官自身が臨床現場での研修経験を持つことの意義.千葉看学会第8回学術集会抄録集 22-23,2002

【研究状況】

本研究分野では,感染看護に関連した微生物伝播の状況把握,伝播拡大の防止の立場で研究を進めている.

昨年度第5回北日本看護学会学術集会において発表したネブライザーの微生物学的汚染に関する実験的研究については,論文としてまとめた(1).院内感染の防止については、鈴木が千葉大学医学部付属病院ICTの一員として継続して活動を行っており,清掃業務の改善に取り組んだ成果を,日本環境感染学会第17回総会で発表した(3).

研究の対象を在宅医療における感染防止へと拡大し,特に利用者と密接に接触し,浴槽などの媒体が存在する訪問入浴サービスの感染防止対策について検討している.岡田らは入浴後の浴槽などの消毒や介助者の手洗いについて微生物学的な評価を行い,日本環境感染学会第17回総会で発表した(2).現在は、職員鼻腔からの分離株と利用者褥創からの分離株について交差感染の可能性を検討するとともに,千葉県内の訪問入浴サービスの感染防止対策の実態に関する調査を実施し,結果をまとめているところである.

また,感染防止には感染を受ける宿主側の要因も重要であり,この視点に立った研究にも着手しており,宿主の栄養状態がX線照射による免疫系臓器の傷害やその回復に及ぼす影響について検討し,第6回北日本看護学会において発表を行った(4).現在は,ステロイド療法に及ぼす栄養状態の影響について検討中である.

学部における教育活動としては,昨年度より病態学Uの実習の中に医療の現場で問題になっている薬剤耐性菌を視覚的に認識してもらうために薬剤耐性試験を,また医療従事者として自己の免疫状態についての意識を高める目的で,自己の風疹抗体の有無をELISA法により測定するという実習を始めているが,特に風疹抗体価測定実習については,実習後の質問紙調査により,その教育的な効果の数量化を試みている.

この他,岡田は臨床現場での研修を教育に活用し,これが学生に専門基礎科目への興味を持たせるために有効であったという経験についてまとめ,千葉看護学会で発表した(5).

2001年

【原 著】

1.Okada S, Ono K, Hamada N, Inada T and Kubota N: A low-pH culture condition enhances the radiosensitizing effect of wortmannin. Int J Radiation Oncology Biol Phys, 49, 1149-1156, 2001

【学会発表抄録】

2.鈴木明子,和住淑子,田村房子,中川亜希子,西尾淳子,吉澤花子,山本利江:看護学生における手洗いの意識付けの実態.環境感染,16, 65, 2001

3.窪田宜夫,岡田忍:Wortmannin によるNBS1のリン酸化阻害と放射線増感.日本医学放射線学会 第40回生物部会学術大会抄録集, , 2001

4.窪田宜夫,町田光,岡田忍:ヒト腫瘍細胞における Wortmannin によるNBS1 のリン酸化の阻害と放射線感受性の増強.日本放射線影響学会 第44回大会講演要旨集, , 2001

5.岡田忍,西尾淳子,木幡暁子,福元恵,丹下真希,鈴木明子,吉澤花子:ネブライザーにおける使用液とその保存条件およびネブライザーの管理方法に関する実験的検討.第5回北日本看護学会学術集会プログラム・抄録集, 68, 2001

【その他】

6. Okada S and Okeda R: Review article; Pathology of radiation myelopathy. Neuropathlogy 21, 247-265, 2001

【研究状況】

本研究分野では,感染看護に関して,微生物伝播の状況把握,伝播拡大の防止の立場で研究を進めている.今年度は新たに対象を在宅医療へと拡大し,岡田らは訪問入浴サービスにおける感染防止対策について微生物学的評価を行った.この結果は,日本環境感染学会第17回総会で発表予定である.在宅医療における感染防止対策については,今後も研究を継続し,訪問入浴サービスに加えて訪問看護における感染防止についても検討していきたいと考えている.

院内感染の防止に関しては,鈴木らが病院清掃業務の改善に関する院内感染対策チームの活動について日本環境感染学会第17回総会での発表を予定している.鈴木はまた,看護職者の手洗いについての学際的な研究を進めており,基礎看護学教育研究分野と共同で行った学生への手洗いの意識付けに関する研究については,日本環境感染学会第16回総会で発表した(2).ネブライザーの微生物学的汚染に関する実験的研究については,岡田らが第5回北日本看護学会学術集会において発表した(5).また,小児科の感染防止に関する研究指導に関わった経験から,院内感染の防止における予防接種の重要性を痛感し,予防接種の接種状況やこれに影響を及ぼす要因などについても研究にも着目したところである.

学部における教育活動としては,今年度より病態学Uの実習の中に医療の現場で問題になっている薬剤耐性菌を視覚的に認識するために薬剤耐性試験を,また医療従事者として自身の免疫状態についての意識を高める目的で,自分の風疹抗体の有無をELISA法により測定するという実習を新たに加えた.

この他岡田らは,ヒト腫瘍細胞を用いた放射線の増感効果に関する研究(1,3,4),放射線脊髄症の総説(6)をまとめた.