論文・著書・発表

2015年

【原 著】

1.Okada S, Sudo A, Nishio J: Topical Application of Sesame Oil for the Prevention of Chemotherapy- Induced Oral Mucositis: Pilot Study in Seven Hematopoietic Cancer Patients. International Journal of Nursing & Clinical Practices, 123(2), 2015. Article ID 2:IJNCP-123, http://dx.doi.org/10.15344/2394-4978/2015/123

【学会発表抄録】

2.印田宏子, 岡田忍 , 西尾淳子, 小川俊子: 在宅における適切な尿道留置カテーテル管理のための教育について, 日本環境感染学会誌30Suppl. 287,2015

3.Aulawi Khudazi,Shinobu Okada: The Reason Why Elderly People in Indonesia Die at Home. 文化看護学会第7回学術集会抄録集, 20,2015

4.高宮奈津美, 岡田忍: 介護老人保健施設の職員における感染防止に対する認識と手指・環境の細菌学的検査の関係について, 第15回日本感染看護学会学術集会講演集, 26-27,2015

5.岡田しおみ,岡田忍:チューイングガム咀嚼が女性高齢者の唾液分泌量と口腔内細菌に及ぼす影響について.千葉看第21回学術集会集録, 49,2015

6.岡田忍、西尾淳子、小川俊子: 化学療法にともなう口腔粘膜炎のメカニズムとその予防, 千葉看第21回学術集会講演集, 55, 2015

7.Aulawi Khudazi,Junko Nishio,Shinobu Okada: Cross Resistance to Disinfectants and Antibiotics of Staphylococcus aureus and Pseudomonas aeruginosa Isolated from Nurses and Hospital Environments in Indonesia. 第35回日看科会学術集会講演集, 235, 2015

【研究状況】

本研究分野では, 感染源や感染経路,宿主といった多角的な観点からの感染防止を軸に,長期療養型施設や在宅での感染防止を中心に研究を進めている.高齢者に多い誤嚥性肺炎を防止するためには口腔ケアが重要であることから, 現在は高齢者に対する口腔ケアに特に力を入れている.また、国際プログラムに在学するインドネシアの留学生を介して, 今後は国際的なインフェクションコントロールについての研究を進めていきたいと考えている.

岡田は,造血臓器の悪性腫瘍患者の化学療法の副作用である口腔粘膜炎の予防にゴマ油を応用した結果を論文発表する(1)とともに, この結果を臨床現場でも活用してもらうことを目的に第21回千葉看護学会学術集会で交流集会を主催した(6).

岡田・西尾は平成24年度より助成を受けている基盤研究B「歯科専門職との連携による更年期女性と在宅高齢者の口腔ケアの質の向上に関する研究」(研究代表者 岡田忍)の中で,更年期女性と在宅高齢者における歯の健康状態,口腔ケアの現状等についての実態調査を実施し、その結果を学会で発表する予定である.

講師の小川はゴマ油を用いた高齢者の口腔ケアプロトコルの作成と有効性についてまとめ、学会発表、論文投稿の準備を行っている.

この他,在宅における適切な尿道留置カテーテル管理のための教育(2),インドネシアで在宅死が多い理由(3),介護老人保健施設の職員の感染防止に対する認識と手指・環境の細菌学的検査の関係(4),チューイングガム咀嚼が女性高齢者の唾液分泌に及ぼす影響(5),インドネシアの看護師・院内環境から分離されたStaphylococcus aureus, Pseudomonas aeruginosaにおける消毒薬と抗菌薬の交差耐性(7)について学会発表を行った.

2014年

【原 著】

1.Ogawa T, Nishio J, Okada S : Effect of Edible Sesame Oil on Growth of Clinical Isolates of Candida albicans. Biological Research for Nursing, 16(3):335-343, 2014.

【学会発表】

2. 小川俊子,西尾淳子,岡田忍:嚥下障害を有する要介護高齢者に対してゴマ油を用いた口腔清拭のケアプロトコル実現可能性及び有用性の検証.第25回日本老年歯科医学会・学術大会プログラム・抄録集, 157,2014.

3. 岡田忍:病態生理教育シンポジウム『病態生理を基盤とした多職種連携』教育シンポ2:病態生理に基づいた口腔ケアの提供.日本病態生理学会雑誌, 23(2), 53, 2014.

4. 岡田忍,深津侑紀,小宮山奈央,西尾淳子,小川俊子:訪問看護師における加湿器肺の認知状況および家庭用加湿器からのExophiala dermatitidisの検出例.第97回日本細菌学会関東支部総会 プログラム・抄録集, 55, 2014.

5. Shinobu Okada: Application of Sesame Oil to Oral Care. BIT’s 1st Annual International Congress of Oral & Dental Medicine, Haikou, China, 2014.

6. 岡田忍, 西尾淳子, 小川俊子:ゴマ油による口腔ケアのエビデンスと臨床応用.第13回日本看護技術学会学術集会講演抄録集, 66, 2014.

7. 淺井紀子, 岡田忍 : 乳腺炎の原因細菌の保菌状況と乳腺炎の起こりやすさの関連について.千葉看護学会第20回学術集会集録, 33, 2014.

【短報・その他】

8. 小川俊子,西尾淳子,鹿島貴子,岡田忍:在宅での吸引カテーテルの保管法に関する示唆 汚染模擬痰吸引後に乾燥法で保管したカテーテルの生残菌数に対する菌量・菌種・カテーテル内径の影響.日本感染看護学会誌, 9(1),1-8, 2013.

【研究状況】

本研究分野では,感染源や感染経路,宿主といった多角的な観点からの感染防止を軸に,長期療養型施設や在宅での感染防止を中心に研究を進めている.高齢者に多い誤嚥性肺炎を防止するためには口腔ケアが重要であることから,現在は高齢者に対する口腔ケアに特に力を入れている(1,2,3,5).今年度は,高齢者に対するゴマ油による口腔ケアの有用性を検討する一環として行ったCandida albicansの菌糸形および酵母形に対する増殖抑制効果についての原著論文がBiological Research for Nursing 誌に掲載された.また,この論文がきっかけとなり,中国の海口で開催されたBIT’s 1st Annual International Congress of Oral & Dental MedicineでのSpeakerの依頼があり,岡田が講演を行った(5).ゴマ油を用いた高齢者の口腔ケアについては,現在小川がケアプロトコルの作成と有効性についての研究を進めている(2).さらにより多くの看護職者にゴマ油による口腔ケアの有用性を知ってもらうことを目的に看護技術学会で交流セッションを主催した(6).
岡田・西尾は「歯科専門職との連携による更年期女性と在宅高齢者の口腔ケアの質の向上に関する研究」の中で,千葉県内の訪問看護ステーションとその利用者・女性介護者を対象に訪問看護ステーションにおける口腔ケアの実施状況,更年期女性と在宅高齢者における歯の健康状態,口腔ケアの現状等についての実態調査を実施した.現在結果をまとめており,これに基づいて在宅での看護職と歯科専門職との具体的な連携の方法について検討するとともに更年期女性については,対象者を拡大してデータを収集することを計画している.
この他,在宅での気管内吸引カテーテルの保管方法に関する実験的研究が日本感染看護学会誌に掲載された.また,昨年度の卒業研究を日本細菌学会関東支部総会,千葉看護学会学術集会で発表した(4,7).

2013年

【原 著】

1.Ono M and Okada S: Effect of acetylcholine on mitogen response of peripheral lymphocytes isolated from rats exposed to chronic stress. Biological Research for Nursing, 15(1), 71-77, 2013.

【単行書】

2.岡田忍: Prat 1 第1章 身体組織・機能の病変.第2章 悪性腫瘍.井上智子編.看護治療学の基本 医療による身体侵襲を「視る」「診る」「看る」 ライフサポート,2‐45,46−63,2013.

3.岡田忍,小池和子,白澤浩編著:微生物学・感染看護学‐微生物から感染防止を考える,医歯薬出版,2013

4.岡田忍:第3章 自己免疫疾患.矢野久子,矢野邦夫編.ナーシンググラフィカ 健康の回復と看護③ 造血機能障害/免疫機能障害.メディカ出版,95−110,2013.

【研究状況】

本研究分野では,感染源や感染経路,宿主といった多角的な観点からの感染防止を軸に,特に今後医療の場として一層重要となる長期療養型施設や在宅での感染防止を中心に研究を進めている.今年度,博士後期課程の大学院生であったの小野の副論文が原著としてBiological Research for Nursingに掲載された(1).小川、西尾、岡田が昨年国際学会で発表したゴマ油のCandida albicans菌糸形および酵母形に対する増殖抑制効果についても同誌に受理され、既にweb上で公開されている.
岡田は「歯科専門職との連携による更年期女性と在宅高齢者の口腔ケアの質の向上に関する研究」というテーマで文部科学研究費基盤Bを獲得し,現在更年期女性と在宅高齢者における歯の健康状態,口腔ケアの現状等についての実態調査を実施予定である.今後数年はこの研究を中心に研究を進めていく方針である.
また,小川、西尾、岡田は在宅での気管内吸引カテーテルの保管方法に関する実験的研究をまとめ,既に日本感染看護学会誌に受理されている.
この他,岡田は3つの著書の執筆に関わった(2,3,4).特に「微生物学・感染看護学」(3)は編集者として企画から関わり,微生物の性質と感染防止対策を結び付けて考えられるようになることを意図した構成になっている.

2012年

【原 著】

1.岡田忍:高齢者訪問看護における清潔・感染防止の質評価に関する指標開発(第2報)-感染防止質評価指標に対する全国の訪問看護師の調査結果からみた評価−.日本感染看護学会会誌, 8(1), 1-16, 2012.

【学会発表抄録】

2.Ogawa Toshiko, Nishio J, Okada S.:Effect of edible sesame oil on the growth of candida albicans. Journal of Nursing Interventions, 18:Supplement1: 72, 2012(15th East Asian Forum of Nursing Scholars Forum)

3.岡田忍:ワークショップ「感染看護のリンケージ−医療施設から在宅へ−」 在宅で使用される気管内吸引カテーテルおよび間歇的自己導尿カテーテルの細菌学的調査.第12回日本感染看護学会学術集会講演集,14-15,2012.

4.岡田忍,伊藤眞知子:交流集会3 よりよい口腔ケアを提供するために−しか専門職との連携−.千葉看護学会第18回学術集会集録,58-89,2012

【総説・短報・実践報告・資料・その他】

5.岡田忍:病気がわかる病態関連図Part1.クリニカルスタディ,33(5)特別付録,1−17,2012.

6.岡田忍:病気がわかる病態関連図Part2.クリニカルスタディ,33(6)特別付録,1−17,2012.

【研究状況】

本研究分野では,感染源や感染経路,宿主といった多角的な観点からの感染防止を軸に,対象を病院内から在宅へと拡大して研究を行っている.今年度,岡田は高齢者感染看護の質評価指標の感染防止の質評価指標の全国調査の結果を原著としてまとめた(1).西尾と岡田は大学院生の小川とともにゴマ油による口腔ケアのエビデンスとして、ゴマ油のCandida albicans菌糸形および酵母形に対する増殖抑制効果について国際学会で発表した(2).発表内容は原著論文としてBiological Research for Nursingに投稿し,受理されている.今年度は健常成人における基礎的データを追加するとともにおよび高齢者を対象とした介入研究に着手する予定である.岡田は、第12回日本感染看護学会学術集会において,ワークショップ「感染看護のリンケージ−医療施設から在宅へ−」の司会を務めるとともに,話題提供者としてこれまでに行なってきた在宅の気管内吸引カテーテルや間歇的自己導尿カテーテルの細菌学的検査の結果を発表した(3).また,第18回千葉看護学会学術集会において歯科専門職との連携に関する交流集会を開催した(4).
この他,岡田は看護学生を対象とした雑誌に臨床で出会うことの多い疾患についての病態関連図を掲載した(5,6).

2011年

【原著】

1.Nakamura Y, Watanabe M, Kubo E, Suzuki A, Igari H, Kitada,M and Sato T:Effects of water flow volume on the isolation of bacteria from motion sensor faucets.Health, 3(3), 146-150, 2011.

【学会発表抄録】

2.岡田忍,小川俊子,印田宏子:小中学校保護者における新型インフルエンザの情報伝達と感染予防・医療行動.第26回日本環境感染学会総会プログラム・抄録集,284,2011.

3.熊谷民,西尾淳子,岡田忍:在宅におけるCICカテーテルの使用・保存状態と細菌汚染について.第26回日本環境感染学会総会プログラム・抄録集,324,2011.

4.松林美子,岡田忍,田中彩子:重症心身障害者施設における集団感染したヒトパルボウイルスB19感染症発症事例の検討.第26回日本環境感染学会総会プログラム・抄録集,341,2011.

5.Ono M,Okada S ,Fujita M and Nishio J: Effect of stimulation of parasympathetic nerves by relaxation on caregivers’ lymphocyte function.14th East Asian Forum of Nursing Scholars Forum Proceedings, 340-341, 2011.

6.Suzuki A: Health and hygiene behavior and perioperative infection prevention measures in health care practice in France. The 2nd ASIORNA CONFERENCE, 4th Perioperative Nursing Leadership Forum & 2011 KAORN Annual Conference, 88-89, 2011.

7.鈴木明子:フランスにおける手術室の入室状況.日本手術医学会誌,32 Supplement 82, 2011

8.鈴木明子:フランスの手術室における感染対策.日本手術看護学会誌,7(2), 174, 2011.

9.印田宏子,岡田忍:病院感染サーベイランスシステムを構築・継続するための外部支援の課題−サーベイランス担当看護師に対する半構造化面接からの考察−.千葉看護学会第17回学術集会集録,36,2011.

【単行書】

10.岡田忍:第3章 基本的な病変(2)感染症と生体防御.松尾ミヨ子,大和谷厚(編集) 疾病の成り立ちと回復の促進.放送大学教育振興会,37‐66,2011.

【総説・短報・実践報告・資料・その他】

11.鈴木明子:フランスの血液内科病棟における無菌管理.医療関連感染,4(1),30-33,2011.

12.鈴木明子:ジュネーブのOMSとHUG.感染と消毒,18(2),57-60,2011.

13.岡田忍:実習でよく出合う症状のなぜ?どうして? クリニカルスタディ,32(4)−(14),62−67,2011.

【研究状況】

本研究分野では,感染源や感染経路,宿主といった多角的な観点からの感染防止を軸に、対象を病院内から在宅へと拡大して研究を行っている.今年度,鈴木は医学部付属病院感染対策チームの実施したセンサーつき水道の蛇口からの細菌の分離に及ぼす流水量の影響についての研究に関わった(1).岡田,西尾は卒業研究生や大学院生とともに新型インフルエンザインフルエンザの情報伝達(2),在宅における自己導尿カテーテルの管理と細菌汚染(3),重症心身障害者施設におけるヒトパルボウイルスの集団感染(4)、病院感染サーベイランスシステム構築における外部支援の課題(9)について学会発表を行なった.西尾と岡田は大学院生の小川とともにゴマ油のCandida albicans菌糸形に対する増殖抑制効果についての検討を継続し,国際学会での発表と論文作成を予定している.今年度は動物モデルにおける実験と高齢者を対象とした介入研究に着手する予定である.宿主へのアプローチによる感染防止の視点からは,副交感神経刺激がリンパ球の機能を亢進させることに注目し,大学院生の小野がセルフケアとして副交感神経刺激を行なった介護者の介入前後のIL-2の変化について国際学会で発表した(5).
鈴木は「組織的な若手研究者等海外派遣プログラム」によりフランス国立科学研究センターに派遣され、フランスの手術室における入出状況,感染対策、血液内科病棟における無菌管理について、国内外の学会発表(6,7,8)と雑誌報告を行なった(11,12).
岡田は放送大学の疾病の成り立ちと回復の促進の印刷教材の分担執筆(10)と、看護学生を対象とした雑誌に臨床で出会うことの多い症状についての解説を連載した(13).
次年度は自動細菌同定装置の設置が予定されており,これを用いて分離した細菌の同定速度および同定精度の向上が期待される.