10周年記念特別インタビュー10周年記念特別インタビュー

10周年を迎えて

藤田 淳子先生

藤田淳子先生
所  属 日本赤十字看護大学 地域看護学
講師
本学での在学期間 2004年4月~2009年3月

私が千葉大学訪問看護研究室の門を叩いたのは7年前のことです。訪問看護ステーションを長くやっていて、自分の中に面白さとともに、煮詰まりを感じていたことがきっかけでした。訪問看護が予防的な役割を果たしていることをもっと周りの領域の人に知ってほしい、という思いもありました。最初は2年間勉強しよう、と思っていたのですが、修士の時に不完全燃焼を感じていたこともあり、博士後期課程にすすんでお世話になりました。

学生時代を振り返って、今でも思い出すのは、暖房が壊れて、寒さをしのぐために窓に段ボールを貼ったこと(笑)。ペットボトルで湯たんぽを作っていた人もいました。そんな状態なのに、研究室にはいつも誰かがいて、泊まり込んだりもしていました。指導の石垣先生はもちろんのこと、先輩も同期も後輩も、皆仲が良かったですね。もんもんと悩んだ時は先輩たちに悩みを聞いてもらったり、家族のように感じていました。院生と教員の距離が近かったので、わざわざ部屋を訪ねて相談する、というほどではない質問や悩みを、ランチをともにしながらざっくばらんに聞くことができたのも心強かったです。

千葉大学の訪問看護研究室は、他の領域の中に含まれるのではなく、きちんと独立しているところが大きな魅力です。さらに、国立大学という性格上、看護協会や国、県などの仕事をしている先生も多く、行政の流れを肌で感じることができました。図書館の電子媒体が充実していて、医学、社会学、心理学などの文献もたくさん読むことができることも、これから大学院で学ぶ学生さんたちには良い刺激になると思います。

訪問看護分野は、これからますます求められる学問です。もっと発展させたいなという思いはありますが、一人でできることは限られています。さまざまなところで活躍する千葉大学の卒業生を連携させて、大きな研究ができたらいいなと思っています。そして、院で学ぶ皆様へ。あちこちに話を聞きに行ったり、現場を見せてもらうなど、学びの真っ最中である院生だからこそできることがあります。ぜひその立場を活用して頑張ってください。