10周年記念特別インタビュー10周年記念特別インタビュー

10周年を迎えて

山本 則子先生

山本則子先生
所  属 東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻 成人看護学分野 教授
本学での在職期間と職位 2004年7月~2007年3月 助教授

私が千葉大学に赴任したのは、2004年の7月のことです。ちょうど春に子どもが生まれて、産休をいただいた後のことでした。2歳の子どもと生まれたばかりの赤ちゃんと、亥鼻宿舎で暮らしていました。宿舎が近かったので、職住接近で非常に助かったな、という記憶があります。10cmのムカデが出て、布団の周りにガムテープを張り巡らせたこともありましたし、夜、子どもが寝たころに研究室の学生さんたちが宿舎に来て、研究の相談をしていたこともありました。ポットラックパーティーで花見をしたり、けっこう院生さんとの距離も近く楽しかったな、という記憶があります。当時埼玉に住んでいた夫もずいぶん協力してくれました。
2005年に、千葉大学で家族看護学会を開催したのも大きな思い出です。石垣先生を長として、片倉先生が実行委員長、私が事務局長でした。予算も限られた中でしたが、プログラムを構成したり綴じ紐を買ったり、夜中の3時くらいまでスライド作ったり、本当に手作りの学会でしたが、非常に充実していました。
他分野との連携も非常に興味深かったです。看護基本技術では、自分が模擬患者になって、学生にお茶を飲ませてもらって窒息しそうになったこともあります(笑)。複数の分野の人たちが一緒になってひとつの授業を作るというのは、まさに千葉大学ならではだな、と思いました。
千葉大学での研究、教育を通して感じたことは、「日本の看護の基盤を作っているのは千葉大学だ」ということです。修士論文、博士論文にも千葉大学のスタイルがあります。千葉大学の卒業生は、日本全国の看護学部に散らばり、その看護観を伝えているのだと思います。その看護観を元に、今後千葉大らしい研究がもっともっと外に発表されてゆかれることを期待しています。これだけの歴史と背景を持っていらっしゃる千葉大学だからこそ、ぜひその活動をアピールしていっていただければと思うのです。千葉大学以外の看護研究者との多くのディスカションのなかで、千葉大学の看護研究がますます大きく花開くのではと期待をこめて感じています。