10周年記念特別インタビュー10周年記念特別インタビュー

10周年を迎えて

上野 まり先生

上野まり先生
所  属 財団法人
日本訪問看護財団事業部長
本学での在職期間と職位 2000年4月~2003年3月 講師

私が訪問看護学教育研究分野の講師として在職したのは、2000年~2003年のことです。最初は、教員の部屋が一人につき一部屋ないような状態で、しかも2年目には耐震工事をするということで夏から冬にかけて、プレハブのようなところに入って。寒かったです。(笑)

訪問看護研究室ができた2000年は、介護保険が始まった年で医療が大きく変わった年でもありました。最初の1年は石垣先生が浜松と千葉で兼任して教授をされていたので、いろいろ電話で指示を仰いでいましたが……。カリキュラムの内容を考えたり、方法論を考えたりしていました。最初の1年間は、地域看護の一環としての位置づけだったと思います。実習も、学生は1日のみの訪問看護ステーションでの実習でした。千葉市内の多くの訪問看護ステーションに実習先としてお願いに行きました。学生は、1日に5件、6件をめぐるような実習もさせていただき、非常に深い学びを得ることができたように思います。これらを通して、いろいろなステーションの人とのつながりができ、楽しい時間を過ごすことができました。「訪問看護の楽しさを伝える」ということを教育の主軸にしていましたので、学生に伝わっていればいいなと思います。

今後の千葉大学訪問看護に期待することは、より多くの訪問看護師を排出していただきたいということです。訪問看護師は、独立して事業を起こすことができ、自分で事業を運営できる看護の専門職としての王道を味わえる仕事です。大きな組織の中で安定した仕事をするのも看護ですが、自ら考え、自ら切り拓くことができる喜びが訪問看護の世界にはあります。日本の訪問看護の発展に、多くの千葉大の卒業生が関わって下さることを期待しています。