10周年記念特別インタビュー10周年記念特別インタビュー

10周年を迎えて

福井 小紀子先生

所  属 日本赤十字看護大学 地域看護学 教授
本学での在職期間と職位 2007年4月~2008年3月 准教授

私が千葉大学看護学部に在籍していたときは、石垣先生が教授で伊藤先生が助教のときでした。2人ともとても素晴らしい方で、国立大学らしく、研究室全体が家族のような感じで、アットホームな雰囲気だったことを憶えています。院生が寝泊まりしていたり、皆で鍋をしたこともありました。

千葉大学は、伝統もあり、国立では唯一看護学部を創設している大学です。大学院教育もしっかりしていて、卒業生の方を中心に、より学びを深めたい、訪問看護学を発展させたいという志の高い方が多く、そこに素晴らしい先生方が教育を提供するというよい循環ができている場所だなと感じていました。国立なので、授業料が安いというのも学生にとっては大きな魅力だと思います。また、訪問看護学を教室単独で教育を受けられるのがすごく良いですね。在宅看護や訪問看護はどうしても公衆衛生看護など、他の研究室と一緒になってしまうことがあります。けれども、訪問看護はそもそも他の看護学とは対象もアプローチも違うもの。それを同じ研究室、先生から学ぶことになると、混乱の原因になります。きちんと研究室が独立し、専門的に学べるのは大きなメリットです。さらに、公衆衛生看護や保健学など、他の研究室から関連分野を学べるのですから、学生さんにとってはたくさんのメリットがありますね。英語の苦手意識が低い学生さんも多く、日本にとどまらず世界の訪問看護・在宅看護の知識を吸収して行こうとする姿勢が見られるのも素晴らしい。

訪問看護学は、今後、学問として体系づけ、大いに深めていかなくてはならない学問です。千葉大学は、「国立大学」と「長い伝統」、そして「独立した訪問看護研究室」と日本の訪問看護学を牽引していくだけの要素があると思いますし、社会役割があると思います。可能であれば、私たちともタイアップをして、いけたらいいと考えております。これからも応援しています。