ご挨拶

ご挨拶

当センターは、1982年(昭和57年)4月、調査研究、専門的研修等を行うとともに、看護系大学の教員等、看護学分野の調査研究に従事する者の利用に供することを目的として、国立大学唯一の看護学部を有する千葉大学に設置され、令和4年度で40周年を迎えました。

当センターが設置された昭和50年代は、看護学が独自の教育研究分野を確立しつつあった時代でした。当時の組織は、社会情勢に鑑み、継続看護研究部・老人看護研究部・看護管理研究部の3研究部構成でした。その後、急速に進展する少子高齢化社会とその看護ニーズに応える看護ケア開発を促進するため、老人看護研究部をケア開発研究部と改称しました。さらに、保健・医療・福祉制度の改革に伴う看護職者の役割拡大に関わる政策研究やキャリア開発を促進するため、看護管理研究部と継続教育研究部を発展的に統合し、政策・教育開発研究部が発足しました。

設置以来、研究部所属の教員が中心となって、全国の看護系大学の教員、臨地実習を担当する国公私立大学病院等の医療施設の看護職を対象とした研修事業(FD)、看護管理や医療専門職の実践に関する研修事業(SD)、各種大型の研究プロジェクトを実施してきましたが、2021年(令和3年)、母体となる看護学研究科が看護学研究院へと改組され、教育組織と教員組織を分離する組織改革が行われました。以降、当センター固有の教員組織はなくなり、コア・メンバーを中心とする看護学研究院全教員が、委員会を組織し、教育・研究・社会貢献およびFD活動の一環として、センター事業に参画するようになりました。これを機に、学内教員のみならず、学外の看護系大学教員・看護管理者も事業に参画する体制を整備しました。これにより、センター事業にかかわる人材のすそ野が一気に広がりました。

また、時代の変化に即してこれまでの知識提供型の研修事業の在り方を大きく転換し、「利用者相互のピア・コンサルテーション」を軸にしました。この方針に即して、当センターの名称も「看護実践・教育・研究共創センター」に変更しました。新名称は、当センターが提供する機会を活用する全国の看護職やその所属組織が協働して、実践・教育・研究を含む看護学を開発していく拠点という活動理念を表現したものです。

当センターの設置後40年間を振り返ってみますと、「社会が期待する看護の価値の創造に向けて、実践-教育-研究をつなぎ、利用者との共創のもと、全国の看護系大学および地域の関連施設の機能の充実・発展を目指す」という当センターの目的は一貫して変わらないことが確認できます。この時代の変革期に、すべての国民が自らの力を発揮して健康で幸せな生活を営むことができるよう、今後も活動を続けてまいります。この目的に向かって皆様と共創できることを心から楽しみにしております。

千葉大学大学院看護学研究院附属
看護実践・教育・研究共創センター長
和住 淑子
看護実践・教育・研究共創センター長