Step1

Step1「共有」は、専門職としての態度の基礎を形成し、患者・サービス利用者および他学部の学生とコミュニケーションできる能力を身につけるステップです。


Step1は、1年次前期(4月下旬から6月中旬、全8回)におこなわれます。

医療専門職としての学習を始めた段階の学生が、患者・サービス利用者中心の医療の実現でもっとも大前提となる、患者・サービス利用者の理解を促進するた めに「当事者の体験を聞く」や「ふれあい体験実習」など、実際の患者・サービス利用者と直接に接するプログラムを中核に構成しています。

IPEの必要性や、各専門職の役割についての講義によって専門職連携実践の基礎的知識を獲得し、「コミュニケーション・ワークショップ」によって基本的なコミュニケーション・スキルを習得したうえで、実習での体験に基づきグループワークを重ね、患者・サービス利用者中心の医療のための連携のありかたを考 察し、ポスターを作成して学習成果発表会で報告します。

他学部の学生と協力し考え合う過程でも、コミュニケーション技術や他者理解、相互尊重、連携への姿勢などといった専門職連携実践の基盤を身につけていくことをねらいにしています。

※以下は2017年度の実施状況です。

【学生】

医学部1年次生:118名、看護学部1年次生:84名、薬学部1年次生:86名 、工学部3年次生:54名、計342名
※学部混成の4〜5名のグループを84グループ、42ユニット編成。

【学習到達目標】

専門職としての態度の基礎を形成し、患者・サービス利用者および他学部の学生とコミュニケーションできる能力。Step1の終了時、学生は以下のことができる。

  1. 専門職として成長するために何が必要かを考えることができる
  2. チームメンバーそれぞれの専門領域の役割機能を理解し尊重できる
  3. チームの取り組みと成果を説明できる
  4. 患者・サービス利用者とのコミュニケーションから、患者・サービス利用者の体験と希望を理解できる
  5. チームメンバー、他の専門職及び教員と肯定的なコミュニケーションをとることができる
  6. チームの目標達成のために自己の責任を果たすことができる

【学習内容】

内容 場所
1 5/10 講義:IPE の歴史と意義
講義:医師、看護師、薬剤師の役割機能と教育
講義:工学の医療に果たす役割について
学習方法オリエンテーション
いのはな記念講堂
演習:コミュニケーション・ワークショップ
当事者体験講演および「医療の歴史」自己学習指示
看護学部・医学部講義室(4室)
2 5/24 講義:当事者の体験を聞く
質疑応答
いのはな記念講堂
3 5/31 講義:個人情報保護
講義:感染症対策
オリエンテーション:「ふれあい体験実習」について
いのはな記念講堂
グループワーク:ふれあい体験実習にむけて 看護学部・医学部講義室(4室)
4 6/7、
6/14
実習:ふれあい体験実習
※グループで各病院にいき、患者さんに30分程度お話を伺う。
※前半のグループが7日、後半が14日に実施。実施しない日は自己学習。
千葉市立青葉病院・千葉県千葉リハビリテーションセ ンター・千葉市立海浜病院・千葉県がんセンター・千葉医療センター・千葉メディカルセンター・千葉大学医学部附属病院
5 6/21 実習:①「ふれあい体験実習」、あるいは②自己学習実習※グループで各病院に訪問し、患者に30分程度お話を伺う。※前半グループ22日、後半29日に実施。実施しない日は自己学習。 ・千葉市立青葉病院・千葉市立海浜病院・千葉県がんセンター・千葉県千葉リハビリテーションセンター・千葉社会保険病院透析センター・千葉大学医学部附属病院
6 6/28 グループワーク:学習発表会に向けた準備 看護学部・薬学部 講義室(5室)
7 7/5 発表会:学習成果発表会 看護学部・薬学部 講義室(5室)

※すべて3,4時限に実施。

【授業の様子】

  • 11_1_003コミュニケーション・ワークショップの様子
    グループワークや「ふれあい体験実習」に向けた、基本的なコミュニケーション技術の習得を目指します。
  • 11_1_004「ふれあい体験実習」を終えたあと
    グループごとに患者さんがどのようなことを言っていたか、自分たちの態度はどうだったかなどをふり返り、感じたこと、考えたこと話し合って共有しています。学生たちは忘れないうちに「グループ学習ワークシート」に記録します。
  • 11_1_005「ふれあい体験実習ふりかえり」
    「ふれあい体験実習」の翌週、90分の時間を使って、ユニットごとにふれあい体験実習のふり返りが行われます。1ユニット(学生10名程度)につき、医学部、看護学部、薬学部から2名の教員がふり返りのサポートのためユニット活動に参加し、学生たちのふりかえりを支援します(手前2名が教員です)。