センター長挨拶

2015年(平成27年)1月1日、当センターは、初代、酒井郁子センター長のもと、日本では他に類を見ない新しいスタイルの教育・研究・実践拠点として開設されました。これまでの第1フェーズでは、「亥鼻IPE(Interprofessional Education)」という千葉大学亥鼻キャンパスを中心とした教育・学習プログラムの充実を目指し、その取り組みから得た知見を広く発信することを通して、日本の保健医療福祉及び高等教育の発展に尽力してまいりました。

私たちの取り組みは保健医療福祉の領域や日本国内に限るものではありません。令和4年(2022年)度に文部科学省の「大学の世界展開力強化事業」の一つとして「グローバル地域ケアIPE+創生人材の育成(Global & Regional Interprofessional Education Plus Program:GRIP Program)」に採択されました。GRIPでは、持続可能な開発目標(SDGs)の「目標3 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」ことを目指して、あらゆる国・地域において、自国でも他の国でも健康関連の社会課題に保健医療福祉も含めた専門職者がともに取り組み、そこでの最適解を導き出すことができる自律した組織人の育成にも取り組んでいます。

今、多くの組織において、すべての構成員の人権が差別されることなく尊重され、一人一人の個性と能力を十分に発揮することができ、安心して所属できることが目指されるようになり、DEIB、すなわち多様性(Diversity)・公正性(Equity)・包摂性(Inclusion)・帰属(Belonging)の視点に立った様々な取り組みが行われています。千葉大学でも、令和6年(2024年)度に千葉大学DEIB(C-DEIBシーディーブ)推進宣言及び基本方針を策定しました。

これからの第2フェーズでは、保健医療福祉や組織を超えた専門職連携教育IPE・専門職連携実践IPCP(Interprofessional collaborative practice)を、日本国内はもとより、世界のあらゆる国・地域・組織を超えてDEIBを実現する方法論と位置づけます。これらの方法論が広く社会で実装されるよう、第1フェーズでの原点「亥鼻IPE」を大切にしながら、当センターの歩みを進めてまいります。

 

専門職連携教育研究センター長
諏訪さゆり