Step4「統合」は、Step 1から積み上げてきたIPEに関する学びと、それぞれの専門分野での学びを統合し、患者・サービス利用者を全人的に評価し、患者・サービス利用者中心の専門職連携によって診療・ケア計画の立案ができる能力を身につけるステップです。
Step4では、9月下旬の3日間にわたるグループワークによって、各症例(脳梗塞、HIV、小児、心筋梗塞、糖尿病、大腸がん等)の患者についての退院計画を立案します。その課程で、初日の模擬患者との面接と、2日目の各専門職へのコンサルテーション、3日目の模擬患者への退院計画の説明という3つの大きな演習に取り組みます。3日目の発表会で、他の学生、教員の前で発表・討議を行い、これからの学習課題を見つけます。
【日時】
9月下旬(前半・後半それぞれ3日間)
初日は1~5限。2、3日目は3~5限。学生数が多いため前半・後半に分け2行程実施。
【学生】
医学部4年次生:113名、看護学部3年次生:80名、薬学部4年次生49名、計242名
※学部混成7~8名のグループを36編成。
【学習到達目標】
Step4全体の目標
患者・サービス利用者を全人的に評価し、患者・サービス利用者中心の専門職連携によって診療・ケア計画の立案ができる能力。Step4の終了時、学生は以下のことができる。
患者・サービス利用者を全人的に評価し、患者・サービス利用者中心の専門職連携によって診療・ケア計画の立案ができる能力。Step4の終了時、学生は以下のことができる。
- 専門職及び教員の支援を受けて、最新の専門知識を退院計画に反映できる
- チームメンバーの専門性の特徴や限界をに基づいてチームメンバーと協力できる
- チームの目標達成のために、チーム状況を評価し、自己の実践を決定できる
- 患者・サービス利用者への全人的評価に基づいた退院計画を、チームとして立案できる
- チームメンバーおよびかかわる多様な専門職と、良好な人間関係のもと、話しやすい雰囲気を作ることができる
- 自職種の専門的知識や技術を用いてできることの範囲および課題を学生の立場から説明できる
演習1:模擬患者・サービス利用者との面接の学習目標
模擬患者・サービス利用者との面接を行い、得られた情報とカルテなどから得られた情報を元に全人的評価を行い、解決すべき課題を抽出できる。
模擬患者・サービス利用者との面接を行い、得られた情報とカルテなどから得られた情報を元に全人的評価を行い、解決すべき課題を抽出できる。
- 患者・サービル利用者に対し、共感的な態度でコミュニケーションをとることができる。
- 患者・サービス利用者に対し、それぞれの職種の観点から必要な情報を得ることができる。
- 患者・サービス利用者に対し、得られた情報を元に全人的評価を行い、解決すべき課題を抽出できる。
演習2:各専門職者へのコンサルテーションの学習目標
模擬患者・サービス利用者の課題に対し、各専門職へのコンサルテーションを実施し、退院計画を立案できる。
模擬患者・サービス利用者の課題に対し、各専門職へのコンサルテーションを実施し、退院計画を立案できる。
- 模擬患者・サービス利用者の課題に対し、適切な専門職種へのコンサルテーションができる。
- 模擬患者・サービス利用者の退院計画を立案することができる。
【学習内容】
回 | 学習内容と方法 | |
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1日目 | 1~2限 | ・プレテスト ・オリエンテーション ・講義(退院計画について、DVD「決めるとき決まるとき」視聴、カンファレンスとコンサルテーションについて、退院計画の説明について) ・グループワーク(事前学習共有、課題抽出、模擬患者への質問内容検討) |
3~5限 | 演習1:模擬患者初回面接1(患者の状況やニーズの理解) ・グループワーク(患者のニーズの整理、課題の明確化、必要な情報の収集) |
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演習1:模擬患者再面接2(目標の共有、患者理解の深化) ⇒面接後、模擬患者からのフィードバック有 ・グループワーク(目標の決定、専門職とのコンサルテーションの準備) |
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2日目 3~5限 |
演習2:専門職とのコンサルテーション ・ミニレクチャー(退院計画の説明について) ・グループワーク(退院計画立案、発表準備) |
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3日目 時間はグループによって異なる |
演習3:模擬患者面接3(退院計画の説明) ⇒面接後、模擬患者からのフィードバック有 ・グループワーク(以下2点を踏まえた発表内容の追加・修正) – フィードバックを踏まえた、患者理解・退院計画の反省 – グループのチームビルディングの過程のふりかえり |
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学習成果発表会 |
【授業の様子】
模擬患者との面接
模擬患者と面接し、現在の状態、入院前の生活、退院後の生活、今後の生き方など退院計画を立てる上での患者の意向を集めます。グループワーク
2度の面接をふまえ、学生たちは一人ひとりの知恵を出しあい、病気とのつきあいかた、家族とのやり取り、社会保障制度の活用などを含めた、患者・サービス利用者本人や家族にとって最も良いと思われる計画を立ててみます。専門職へのコンサルテーション
自分たちの立てた計画が、より専門職の目からみるとどうなのか、もっと良い方法があるのか、千葉大学医学部附属病院という第一線の現場で働いておられる専門職の方々に意見をもらいます。こちらは薬剤師。こちらは医師。各症例の専門医に依頼しています。
医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、医療ソーシャルワーカー、管理栄養士、カウンセラー、遺伝カウンセラーの29名(×2日程でのべ58名)の方々に、よりよい学生の教育になるよう協力をいただいています。各専門職の意見を参考に、最終的な退院計画を作成し、発表会で披露します。