国公私立大学病院副看護部長研修

関西医科大学

関西医科大学附属枚方病院

報告者氏名:安本マリ

平成22年度
国公私立大学病院副看護部長研修
有効な人材活用とフットケア外来開設に向けた取り組み

[概要]
入院患者の在院日数の短縮、疾病構造の複雑化、高齢者・独居者の増加などの社会事情もあり、外来における継続看護の重要性や期待はますます大きくなることが予測される。また、生活習慣病の増加もあり、日常生活指導を必要とする患者の増加が予測される。
本院の外来看護師は日々の業務を安全に遂行すること、また育児期間中のスタッフが多く、日々の業務をこなすことに精いっぱいのスタッフが多い。本院は、特定機能病院であり、平成22年度の平均在院日数は12.8日、平均外来患者数は1,760人であった。外来の看護方式は固定チーム体制をとっており、各科 17ゾーンを6チームに編成し、応援体制を強化した配置となっている。看護師は師長1名、副師長3名、常勤職員59名、非常勤職員34名の合計97名と、継続看護の観点から関連病棟の看護師1名を各科に配置している。
一方、フットケアなどの専門的ケアが提供できる人材を内科外来に増員配置したが、十分に能力を発揮できていない。その背景には、内分泌代謝内科医師のフットケアに対する理解不足、加算申請に対する協力がなく診療報酬には反映しない、看護師の療養指導に対する意識の低さなどの現状が浮上した。  
 内分泌代謝内科(以下内分泌科とする)の患者は、平成21年度は年間 10,031人(1日平均37人)、その中で在宅療養指導管理の対象として関わったのは平均10人/月であった。本院の看護外来は、ストーマ外来、母乳外来、助産師外来であり、その他は各科で在宅療養指導を実施している。しかし、結果や効果など可視化しておらず実施している看護師達もアウトカムを意識できていない現状がある。
そこで、外来看護師による専門性のあるケア提供ができる環境を調整し、看護師のモチベーション向上につなげ、その結果、看護の質向上と患者満足度が向上できる取り組みを考えた。看護師のケアが診療報酬に反映でき病院の収益に貢献できることを目標に取り組みを検討し実施した。