国公私立大学病院副看護部長研修

久留米大学

久留米大学医学部付属病院

報告者氏名:原島 光代

平成25年度
国公私立大学病院副看護部長研修
適切な医療に貢献できるクリニカルパス管理運用体制の整備

[概要]
平成25年1月より電子カルテ導入に伴い紙パスから電子パスへ移行作業を開始した。パス評価の仕組みはDPCの考慮、看護師主体のパス作成に起因する病態アウトカムの欠落、チーム医療としての検証が不十分などの問題があり、脆弱なパス評価の仕組みを改善する必要があった。クリニカルパスは患者が標準化され保証された医療を自分自身で確認し治療が受けられる。また医療者は計画的に医療の説明を行い安全性の高い医療の提供が可能なツールである。私はパス作成・登録・運用上の問題解決を医師や医療スタッフメンバーと共に行い、安全で安心な医療の提供、在院日数の短縮・コスト削減に貢献する適正パスの管理システムを整備することを目的に管理実践計画を実践した。方法は、適切なパスを評価する体制の構築ためにバリアンスの大きなパスを洗い出す仕組みの改訂と、適用した電子パスを評価する評価小委員会を設立し、評価の仕組み作りを行なった。改訂内容は、パス申請の段階での評価項目に医事課職員のDPC確認と事務職員によるI.C計画の有無の確認を追加した。当初DPC期間の確認で適正とされた件数はパス申請181件中156件で徐々にDPC期間への関心は向上した。I.Cのタスクは一部のI.Cは外来で実施されるため、入院後にI.Cの理解の確認を入れることで患者の意思決定の確認・支援へつながることをねらった。使用した電子パスの評価は利用10件以上を目安として適用パスの評価を行うため評価小委員会を設立した。2014年1月までの電子パスの承認は156件。42種類のパスが使用され延べ320人に適用された。適用パスの評価は12月に呼吸器パス評価を行った。対象パスの設定期間12日に対して平均在院日数は15.6日で入院期間の調整が行われていた。出現DPCは4つで、12/15件に適用されたDPCは「肺の悪性腫瘍手術あり手術処置等2なし」で、入院日Ⅱは17日で、在院日数は13日をピークに正規分布し、オーダの分布は手術前1日~手術後10日までに集中していた。評価小委員会では手術前検査に関する外来での検査への移行の是非を問題とし、診療部長会へ入院前検査の実態・治療期間と看護必要度の推移の関係等を提示し、医師の関心を高める事をねらっていく方法を考えた。評価小委員会での評価内容は、何を変えたいのかを明確にしながら継続的な検討が必要である。