国公私立大学病院副看護部長研修

名古屋市立大学

名古屋市立大学病院

報告者氏名:中間 文子

平成27年度
国公私立大学病院副看護部長研修
高度急性期病院において、看護職の高齢者ケア能力の向上・リンクナースの育成 ―高齢者におけるADL低下・転倒・転落予防の組織的な改革―

[概要]
名古屋市立大学病院は、808床の病床を持つ高度急性期病院である。更に特定機能病院、災害拠点病院、がん診療連携拠点病院、肝疾患治療拠点病院、救急指定病院などの役割を担っている地域の中核病院である。病院が立地する名古屋市は、今後急速に高齢化が進む都市とされ、病院のある瑞穂区、昭和区は、特に高齢化が進んでいる地域でもある。近隣には高齢者施設もあり、誤嚥性肺炎などを発症した高齢患者が救急搬送されてくることも多く、高度急性期病院を目指す当院としては、急性期医療の対象に高齢化対策は必須となる。
当院の在院日数は13.8日、稼働率は92.1%、入院基本料は7対1の看護配置、精神は10対1看護配置、看護補助加算は50対1をとっている。看護部の看護管理者は4名、専門看護師は5名、認定看護師は21名、今後、ニーズが高くなる老人看護専門看護師、認知症看護認定看護師は、当院においては、現在1名もいない状態である。そのため高齢者、認知症を持つ患者の日常生活機能低下への対応が充分できていない。
離職率は、平成24年から徐々に増加傾向にあり平成26年度は、13.4%であった。その中で退職者の経験年数から見ると3~6年目の中堅看護師の退職が多くなっている。病棟スタッフは、年々若年化傾向にあり看護の質の低下にも影響を及ぼすことが危惧される。病棟では、65歳以上の転倒・転落件数(インシデント事例)が年々増加傾向にある。