国公私立大学病院副看護部長研修

関西医科大学

関西医科大学附属枚方病院

報告者氏名:村山 里香

平成27年度
国公私立大学病院副看護部長研修
がん患者と家族を支える看護体制の構築 ―症状スクリーニングシートの導入とリンクナースの育成―

[概要]
診療報酬の要件である症状スクリーニングシートの導入を企てる立場で、がん専門・認定看護師を支援し症状スクリーニングシートの導入とがん患者の痛みに寄り添えるリンクナースの育成に取り組んだ。また、がん領域の看護外来を組織の中で概念化し、がん拠点連携病院における看護師の役割を明確にした。
がんサポート外来は10月から開始し、参加患者は1回平均8~10名であった。終了後にとったアンケート結果では、「わかりやすかった」「少人数で聞きやすかった」「待ち時間にちょうど良かった」などの評価を得た。症状スクリーニングシートは、リンクナース会を通して導入の工夫点を共有した結果、現在がん患者の9割に導入することができた。がん看護専門・認定看護師の病棟ラウンドなどがん領域の活内容を可視化したことで、緩和ケアチームの介入件数は昨年の4倍に増加し、診療報酬は半年で100万円の増収となった。この結果を組織に公開した。
専門・認定看護師を使って症状スクリーニングシートの導入と、リンクナースの育成を組織で取り組めるようにバックアップし、その活動の評価・結果を公表したことは、組織からの承認を受けた専門・認定看護師のモチベーションアップにつながった。能力の高い専門・認定看護師を活用することは看護の質を向上させることにもつながる。看護管理者として、人材活用を組織の中でいかにシステマティックに動かせるかが重要である。