国公私立大学病院副看護部長研修
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- 平成27年度 実践報告書
- 看護の立場からの健全な病院経営への参画 -4床差額病床の導入を通して-
東京医科歯科大学
東京医科歯科大学医学部附属病院
報告者氏名:平野 博美
平成27年度
国公私立大学病院副看護部長研修看護の立場からの健全な病院経営への参画 -4床差額病床の導入を通して-
[概要]
平成26年消費税率が8%へ引き上げられ、消費税の負担が医療機関を直撃した。当院でも多大な影響を受け、平成27年度予算は赤字となった。病院の企画戦略会議では増収への対策が話し合われた。その結果4床室にユニットを設置し準個室化、差額料金を徴収する案が採択された。しかし、これまで当院では多床室で差額料金を徴収する病室は存在しなかった。その為、「患者説明への負担感」、「ベッドコントロールへの不安感」、「病床を稼働しながらの準個室化への環境整備の困難さ」等いくつかの問題が上がった。そこで、業務担当副看護部長として4床差額病床をスムースに導入し、軌道に乗せることを目標に看護の立場から健全な病院経営に参画することとした。
結果、看護管理者の協力も得られ当初50床の予定であった4床差額病床が最終的には148床稼働した。また療養環境に関する患者の満足度は高く、患者との目立った大きなトラブルがないこと、稼働率80%、差額料徴収率97%であることは評価できる。これは入院前の外来での説明と病棟での看護管理者の説明や対応が丁寧に行われている成果ではないかと考える。
現在差額室料の患者への説明に際して、看護管理者はじめ外来看護師が多くの時間を割いている。今後は入院センター設置などを視野に入れシンプルで効率的なシステムを作る必要がある。