国公私立大学病院副看護部長研修

大阪大学

大阪大学医学部附属病院

報告者氏名:岩崎 朋之

平成27年度
国公私立大学病院副看護部長研修
看護師の離職防止に向けた職場環境の整備

[概要]
離職率10%以下を看護部の重点目標に掲げ取り組みを行ってきたが、2014年度の離職率は13.1%であった。経験5年未満の看護師が約40%を占め、5年目以上の中堅看護師にかかる教育や様々な役割を含む業務的負担が非常に大きく、心身共に疲弊感を高めている。
 看護の質を保証し向上させるためには人的資源の確保が重要であり、働き続けられる職場環境の整備が重要な課題である。今回、業務のスリム化を促進し負担軽減を図ること、パートナーシップマインドを醸成し互いに助け合う職場風土を形成することを目標に離職防止に向けた職場環境の整備に取り組んだ。
 恒常的に繁忙状態が継続し、毎年多くの離職者のみられる病棟から今回の取り組みを開始した。対象とした外科病棟は、術後急性期にある複数名の観察やケアを同時に実施しなければならない状況であった。パートナーシップ・ナーシング・システムを試行し超過勤務は23.4%削減したが、新採用者が多い現状では教育が優先される傾向があり、完全な導入には至っていない。
また、中途退職者の補充として、中途採用者の配置を積極的に行った。中途採用者は職場環境の変化や過度に役割を期待される傾向があり心身ともに疲弊しやすい傾向が強い。職場への適応状況や疲労状況の把握のため随時面談等を行うことにより離職者はなかった。
今後も看護の面白みを共有できる働きやすい職場環境を整備することが課題である。