国公私立大学病院副看護部長研修

昭和大学

昭和大学病院

報告者氏名:福地本 晴美

平成27年度
国公私立大学病院副看護部長研修
外来におけるがん看護体制の構築 ~がん看護外来開設に向けた取り組み~

[概要]
がん治療を受ける患者を取り巻く状況は変化し、がん告知、治療選択、療養場所の選択などの多くが外来で行われるようになった。平成22年度の診療報酬改定では、がん患者カウンセリング料(現;がん患者指導管理料)が算定できるようになった。当院では、平成23年度より、がん看護カウンセリングの仕組みを構築した。しかし、現状では、がん患者に支援できているのは限られた診療科の患者のみであり、がん登録患者の約10%に過ぎない。特定機能病院、がん診療連携拠点病院として当院の役割を果たすためには、がん看護専門看護師(以下CNS)・がん関連の認定看護師(以下CN)の人的資源を有効活用して、がん患者の意思決定支援、不安に対する援助を行う必要がある。今回、がん患者や家族が安心して治療選択、治療継続が出来るように支援する仕組みとして「がん看護外来」の構築を検討した。その結果、「がん看護外来」を開設し、がん看護体制の構築ができた。また、がん患者指導管理料Ⅰの算定が約3倍に増加し、これまで未算定だったがん患者指導管理料Ⅱも算定できるようになり、経営に対する組織貢献にも繋がった。今回の「がん看護外来」開設に向けた取り組みについて報告する。