国公私立大学病院副看護部長研修

順天堂大学

順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院

報告者氏名:河尻朱美

平成21年度
国公私立大学病院副看護部長研修
師長の役割意識の変革をめざして -師長会運営の見直し-

[概要]
 当院では各師長が自部署の看護管理業務と兼任して「教育」「業務」「医療安全」などの看護管理業務を行っており、各部署の管理以外の占める仕事量の割合は大きく責任も重大である。実質的には毎月2回開催される師長会が看護課内の問題を明確化し、解決策を出しあって実践・評価するという機能を果たす。看護部長と師長7名で構成される師長会の目的は、「看護管理上の情報を共有し、諸問題解決のために看護課を組織的に機能させる」というものである。また目標は、以下の4点である。
1)学内・病院・看護課の組織運用上の情報を共有し討議・提案する
2)看護管理上の諸事項・諸問題に関する情報を共有し討議・提案する
3)看護管理者としての問題解決能力を高める
4)全看護職員に対して、必要な情報を提供し目標達成のための看護実践を周知徹底する
当院は精神科病院であり、病床数226床の中規模病院である。精神医療の現場では、社会的入院患者の退院促進・地域連携や訪問看護の充実・身体合併症への対応・精神科救急医療への対応など多くの課題を抱えている。これまで、師長会の目標としてあげられている内容のうち「情報の共有」に関しては行われているが、「討議・提案」については不十分であると感じている。例えば、大学附属病院としてより専門的で質の高い看護を提供するために必要な課題は何か、そのための教育のあり方・人材(認定看護師など)を育成するためにはどのように工夫できるか、病院の収益をアップさせるために看護課としてどのような戦略をとっていくのか、医療安全上の問題を解決するための業務改善策、スタッフが活き活きと働ける職場作りなど、検討する課題は多く存在する。しかし、現在の師長会では十分な討議・検討は行われていないと感じている。今回私は師長という立場から、一人一人が与えられた役割の中で問題意識を持ち、積極的にこれらを討議・提案できるよう改善するために、今後の師長会のあり方について全員で検討することが必要と考え取り組んだ。