国公私立大学病院副看護部長研修

藤田保健衛生大学

藤田保健衛生大学病院

報告者氏名:桑原浩

平成21年度
国公私立大学病院副看護部長研修
看護部の組織力強化を図るには -巨大集団としての力を発揮するために-

[概要]
看護部の組織力強化については、毎年、看護部の年度活動計画において、看護部目標達成のための事業計画の一つ目に挙げられる内容でもあり、看護部全体を管理運営する上級管理者の数の不足と、現場を管理管轄する中間管理者の数及び質の不足の2つの側面がある。看護部全体を管理するスタッフは看護部長、副看護部長、看護科長の3階層で構成されている。その中で副看護部長は“一人”とされ、それは病院の方針とされていた。副看護部長が単独であるが故、役割の分割は出来ておらず、その役割の多くは看護科長に委譲している状態である。そのため看護科長については、現場配置の上で人事、教育、業務を各々担当することとされているが、役割による業務量が多く、現場での管理実践が実現できていない。
次に各看護単位においては、看護長、看護主任、看護副主任の3層構造とすることが病院及び看護部の職務基準に謳われているが、人材難もあり、看護長、看護主任への登用が容易ではない。大学・短大卒業生が看護師の半数を占め、人材豊富であると思われるが、中堅層の厚みが薄く、十分な人材登用が出来ていない。人材育成は、看護部の将来を左右するため、今後の看護部の最大の課題の一つである。
組織強化を図ることで、現在、トップダウン一辺倒となっている看護部の組織が、トップダウンとボトムアップの両輪での看護管理が可能となると考え、巨大集団としての力が発揮されると期待した。
そのためには、看護部長とそれを補佐する副看護部長の十分なコミュニケーションと、副看護部長による“次”とされる人材への直接的な指導であると考え、実践を進めた。