国公私立大学病院副看護部長研修

福井大学

福井大学医学部附属病院

報告者氏名:松村愛都

平成22年度
国公私立大学病院副看護部長研修
患者にとって安心・安全な持参薬管理

[概要]
当院では、DPC導入といった医療界の大きな流れに沿い、入院患者の医療費負担の軽減を図るため、患者の入院当日から患者の持参薬を使用することが多い。入院当日、患者が1日分の薬を、入院センターに提出したものに限り、薬剤部での鑑定にまわる。しかし、入院センターに患者が提出しなかった場合、病棟看護師が確認して鑑定に出しその後、人送便で病棟に運ばれ、医師のオーダーの後、看護師が持参薬をセットする。平成21年に行なった6か月間の調査では、入院センターから直接薬剤部での鑑定に提出していたのは3割程度であった。約6割以上の持参薬は、鑑定結果が病棟に届くのは17時を過ぎてしまい、看護師の超過勤務に繋がっていた。
また、術前に抗血小板剤を中止しなかった結果、手術が延期したり、後発薬品で重複していることに気付かず医師がオーダーする等、持参薬のオカレンスが発生している状況であった。病院医療安全管理部員(部長、GRM、副師長、薬剤師、私)は週1回オカレンスの分析、調査、介入を行い、持参薬管理は病院全体の問題としてとらえるべきであると認識していた。
薬剤師の専門知識を活かした持参薬管理は、医師・看護師への業務支援となり、オカレンスの防止になるとともに、患者にとって安心・安全な持参薬管理につながる。病院全体でこの問題に取り組み、安心・安全な方法を考案し解決したいと考えた。