国公私立大学病院副看護部長研修

長崎大学

長崎大学病院

報告者氏名:萩原絹子

平成22年度
国公私立大学病院副看護部長研修
総合患者支援センター設置による病床管理一元化の課題と効率的な運用

[概要]
総合患者支援センター設置による病床管理の一元化は、患者の入退院を総合的に管理し、病床を有効に活用するシステムである。 顧客の視点から、患者の入院から退院までの流れを関連部門で協働して効率的に支援することで、患者満足度の向上に繋がる。また、病院経営の視点から、空床の有効活用による収益の向上に繋がる重要な課題である。
坂本らは、「病院の経営的視点から見ると、病床利用率が90%を超えることが黒字化の1つの目安となる。しかし、病棟単位では病床利用率が90~95%あたりになると、空床が少なくなり、病床調整が困難な状況が発生する。」と述べている1)。 病床数861床の当院では病床利用率90%では86床が空床である。しかし、各病棟・診療科では、他の診療科の受け入れを拒んだり、数日後の入院のためのベッドを確保するなど部署効率を優先しがちな現状があった。 病院全体の空床を有効に活用するためには①同日入退院退②退院ベッドの確保③新入院患者を増やすこと等が重点課題となる。
A大学病院では平成20 年度より看護部に病床管理専属の看護師長を配属し、看護部主導で病床管理を行ってきた。平成21年度は病院の入院診療部会で病床管理中央化が検討されたが、達成できていない。平成22年度5月に病院長のトップダウン指示による、総合支援センター設置による病床管理一元化という病院組織としての計画が提示され、医師、看護部、地域医療連携センター、医事課など関連部門によるワーキング・グループを立ち上げ、病床管理一元化の効率的な運用体制を構築することを目的として検討した。
私は本年度このワーキング・グループの一員に任命された。総合患者支援センター設置による病床の効率的な運用を達成させることが病棟業務副看護部長としての私の役割である。